


このたび、鹿児島教区保育連盟では「制作・ミニ仏壇」を作成し、
希望園に頒布することにしました。 .
保護者の皆さまへ
ある春のうららかな日、数人の女の子に出会いました。
見ると、地面を這うようにして何か探し物をしている様子です。
立ち止まって「何を探しているの」と尋ねると、「四つ葉のクローバーを探しているの」と。
その熱心さからして、大人心に「四つ葉を見つけてどうするの」と聞いてみると、口を揃えて
「幸せになれるのよ」という答えが返ってきました。
私は、わずか4・5歳の子どもが必死になって求める「幸せ」という言葉に、とても興味を覚えました。
そこで、子どもたちと一緒に四つ葉のクローバーを探しながら、それぞれの「幸せ論」を尋ねてみると、一人の子どもが当たり前のような顔で、「ナモアミダブツと、仏さまに手を合わせる時だよ」と言いました。
思いがけない返事に、私はびっくりしてしまいました。
その訳を聞いてみると、その子の家庭では「夕食前に必ずみんな揃って仏さまにお参りする」とのことでした。
そして、『最後にお母さんが「今日もみんな元気で一日を過ごせて幸せでした。ありがとうございました。ナモアミダブツ、ナモアミダブツ」と一緒に言ってから、夕食が始まるのだ』と、教えてくれました。 「親の姿を見て子どもは育つ」という言葉がありますが、まさにその通りだと思います。
「夕食前に家族揃って仏さまにお参りをする」という、毎日の何気ないことの繰り返しの中から、その子は親の姿を通して、とても大切なことを学んでいたのでした。
ともすれば、私たちは他者との比較の中で「幸せ」を語り、同じ状態であっても不幸だと感じたり、幸福だと感じたりすることの中に一喜一憂するあり方を繰り返していますが、本当の幸せとは、いかに時代が変わろうとも決して変わることなく、いつでもどこでもそばにいてくださり、私の称える「ナモアミダブツ」の声となって躍動してくださる阿弥陀さまのお心に出会いながら生きていくということなのではないでしょうか。
この度、園において、子どもたちが阿弥陀さまの極楽浄土とそのみ教えについて、先生やお友だちと共に学びながら美しくかわいいお仏壇を作りました。
どうぞお子さまと一緒に、朝な夕なに手を合わせ、多くのいのちに生かされて生きていることに感謝し、尊いご縁に出遇えたことをお慶びください。

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