2012 保育連盟総会 
   
 ☆ 平成24年4月13日(金) 鹿児島別院会議室にて開催


☆ 富永眞秀 教区保育連盟会長
 
 ☆ 笠置信行 教区保育連盟理事長
 ☆ 正覚智成氏(指江保育園長)を議長に選出
   
 
☆ 平成23年度決算・事業報告並びに
  平成24年度予算案事業計画案について説明
     佐々木哲生 教区保育連盟 副理事長長
☆ いろいろな意見、提案がなされ、今後の連盟の運営に際して、有意義な総会となりました。 ☆ 今年度から、事務局は石本浩証氏が担当。
2012(平成24)年度 総会報告書


 4月13日(金)1625より1730まで、本願寺鹿児島別院会議室において2012(平成24)年度の保育連盟年次総会が開催されました。当日の出席数は、加盟88園中49園(内、欠席委任状27園)でした。

 開会式では「重誓偈」の勤行のあと、富永眞秀鹿児島教区保育連盟会長(鹿児島教区教務所長)、並びに笠置信行鹿児島教区保育連盟理事長の挨拶がありました。

引き続き正覚智成氏(出水組・指江保育園長)を議長に選出して、議案についての審議が行われました。

【提出議案】

第1号議案 2011(平成23)年度事業報告の件

第2号議案 2011(平成23)年度歳計決算報告の件

〜監事監査報告〜

第3号議案 2012(平成24)年度事業計画(案)

第4号議案 2012(平成24)年度歳計予算(案)の件

新役員の承認その他

 

【議事の顛末】

先ず議長により、本総会は教区の保育連盟規約第8条に基づいて開催されるものであり、審議された議案は出席者の過半数をもって議決されること、並びに出席が49園(委任状27園を含む)であることの確認が行われた後、早速第1号議案の審議に入りました。


(第1号議案)〜平成23年度事業報告

 第1号議案に関して、保育連盟の佐々木理事が平成23年度に実施した事業の経過、並びに概要について、次の通り報告を行いました。

  415日に監事監査を受けた後、418日に年次総会を開催しました。

理事会は、昨年度は4回開催しました。

9月16日の第1回理事会では、5月の新任職員研修会、7月に京都で開催された全国保育大会、教区中堅職員会、主任職員研修会、8月に宮崎で開催された保育研修宮崎大会、教区園長研修会について、それぞれ参加状況・実施結果並びに収支等についての報告が行われました。なお、教区から京都の全国大会には109名、宮崎大会には116名の参加者がありました。

1226日の第2回理事会では、10月の保育セミナーについての実施結果並びに収支についての報告が行われた他、2月の第2回園長研修会及び平成24年度の研修日程、次年度の役員改選について審議しました。

3月は2回理事会を開催しました。

9日の第3回理事会では、第2回園長研修会についての実施結果並びに収支状況についての報告が行われた他、平成23年度の事業報告と予算の補正並びに平成24年度の事業計画と予算案等を審議しました。

26日の第4回理事会では、新理事(任期:平成24年4月〜27年3月)による役員改選を行い、笠置信行理事長の勇退表明を受けて、副理事長の佐々木哲生理事が次期理事長に選出されました。続いて、副理事長の互選を行い、伊地知征明副理事長を再選。平島義仁理事を新たに副理事長に選出しました。ところが、平島義仁氏は、その後龍谷大学の事務局長に就任されることになり、本人から「副理事長の職責を全うすることが極めて難しい」との申し出がありました。

そこで、本日(4月13)の総会の前に本年度の第1回理事会を開き、平島氏の後任として新たに東隅組の理事に就任された藤本慈明氏を副理事長に互選しました。

 研修委員会は、昨年度は4回開催しました。

4月24日の第1回委員会では、5月の新任職員研修会の日程並びに各委員の役割分担等について。

6月20日の第2回委員会では、5月の新任職員研修会のアンケート結果の分析、並びに研修全般についての検証。7月の中堅職員研修会・主任職員研修会、8月の第1回園長研修会の日程等について。

9月1日の第3回委員会では中堅職員研修会・主任職員研修会のアンケート結果の分析、並びに研修全般についての検証と第1回園長研修会について反省、及び次年度の研修会に向けての改善点などについて。
 12
26日の第4回委員会では、第2回園長研修会の内容、並びに平成24年度の諸研修会の方針、期日・会場等について、それぞれ話し合いました。

 平成23年度の各研修会には、新任62名、中堅72名、主任30名、第1回園長27名、第2回園長48名の方々のご参加を賜りました。

中堅・主任職員研修会のご講師は貞松征夫先生。研修テーマは「まことの保育について」。第1回園長研修会のご講師は久木元美紀先生。研修テーマは「クレーム等の実例とその対処並びに職員への指導について」。第2回園長研修会のご講師は小笠原文孝先生。研修テーマは「職員の自己評価について」でした。

運営管理委員会は、昨年度は1回開催しました。

9月16日の委員会で、10月開催の保育セミナーについて、内容を検討しました。

1025日に開催した保育セミナーには、30名の参加者がありました。ご講師は米衛政光先生。研修テーマは「発達障がい等の症状と指導上のポイント、保護者への支援について」でした。


(第2号議案)〜平成23年度決算

1号・第2号は関連議案であることから、引き続き保育園連盟佐々木理事が平成23年度の決算状況について、今年度も当初予算・補正予算を併記し、比較増減は補正予算の額に対しての数字を表示するようにしていることを述べたあと、次の通り説明を行いました。


まず『歳入』の部

教区からの助成金の他、平成23年度も早期に連盟会費を全園完納して下さったおかげで10%の還付金等、ほぼ(補正)予算通りの収入があった他、各研修会等に例年に比べて多数の方々のご参加があったこともあり、歳入合計は「4,387,772円」になりました。

各研修会に多数の先生方の御参加を賜りましたこと、改めて御礼申し上げます。


次に『歳出』の部

ほぼ、(補正)予算に応じた支出状況で、歳出合計は「3,504,754円」になりました。

予算補正後の決算で、歳入合計から歳出合計を差し引くと、次期繰越額は「883,018円」になります。さらに、これから前期繰越金「618,390円」を引くと、当期の繰越額は「264,628円」になります。

また、平成23年度は、特別会計へ300,000円の繰り入れを行いました。

特別会計は、前期の繰越額が3,164,883円。これに300,000円を加算すると歳入合計は「3,464,883円」になります。一方歳出は、平成23年度の総会でこの中から東日本大震災義援金として500,000円を充てることを承認頂いておりますので拠出。その結果、平成24年度への繰り越しは「2,964,883円」になります。

この「特別会計」とは、九州地区保育研修鹿児島大会等を開催する際、その都度教区内の加盟園に大会協賛金をお願いしなくても良いようにするために積立てているものです。これまで、1993年・2002年・2009年に鹿児島教区担当で九州地区保育研修鹿児島大会、全国保育大会を開催して参りましたが、いずれもこの積立金を基金として活用し、教区内の加盟園には大会協賛金をお願いせずに運営することが出来ました。


(監事監査報告)

 続いて、監事の佐藤常昭氏による監査報告が行われ、4月9日決算に関して歳入・歳出ともに帳簿及び領収書を照合して慎重に審査した結果、計数並びに費目等に誤りのなかったことが述べられました。 

(第1号議案・第2号議案についての質疑)

 その後、第1号・第2号議案についての質疑が行われましたが、特に質問事項はなく、第1号・第2号議案は全員一致で承認されました。

続いて平成24年度の事業計画及び予算にかかる第3号・第4号議案について、それぞれ佐々木理事が次の通り説明を行いました。

 

(第3号議案)〜平成24年度事業計画

 今年度から本願寺派保育連盟の活動方針・スローガン・研修テーマが、新しくなります。

活動方針は『宗門の御同朋の社会をめざす運動(実践運動)に基づき「まことの保育」の促進をするため、理念の考究と徹底を計り、組織を充実し、もって幼児教化の確立を計る』

 スローガンは『親鸞聖人の生き方に学び、まことの保育を広めよう』

研修テーマは『「すべてが、わたしを生かしている」〜つながり・縁起〜』

です。重点項目は本日の資料にある通りで、今年度は理事会4回・研修委員会4回・運営管理委員会2回、新任・中堅・主任職員、園長研修会(2回)、保育セミナーの開催を予定しています。

@     新任研修会         5月17()18()

A     中堅職員研修会    7月26()

B     主任職員研修会     7月27()

C     第一回園長研修会    827()

D     保育セミナー        1017()

E     園長研修会         2月1()

重点項目の中では、7月に熊本で開催される第40回九州地区保育研修熊本大会(鹿児島教区への参加要請数90名)と、教区及び組における研修活動の充実(まことの保育者の育成)、諸保育教材の活用奨励(保育連盟発行の「保育資料」講読の促進〜13冊以上、教区保育連盟「保育のしおり」の配布、教区保育連盟ホームページの活用、保育連盟作成の舞踊劇CD「子どもミュージカルおしゃかさま」の園での購入・使用など)まことの保育の確立(「まことの保育」の理念・主題を盛り込んだ保育指導計画の作成と実践)を推進していくことが確認されました。 

(第4号議案)〜平成24年度予算案

今年度も当初予算・補正予算を併記し、比較増減は前年度の当初予算の額に対しての数字を表示していることを述べたあと、次の通り説明しました。


『歳入』の部

平成24年度の教区加盟園数は、1園の廃園に伴い前年度より1園減の88園。

そのため、会費は前年度比22,00円の減。教区からは今年度も100,000円の助成を頂ける予定です。

研修参加費は、前年度と同額としました。また、前期繰越金は264,628円の増。

歳入全体では前年度比238,500円増の「4,264,000円」を見込んでいます。


『歳出』の部

会議費・報奨費・大会負担金・出張渉外費・慶弔費は、前年度と同額。事務費は30,000円の減。事業費の内、職員研修会費が100,000円増えているのは、研修会を開催する際の会場使用料の増加分。周知の通りこれから1年間は別院内の改修工事が行われ、これまで通りには別院の施設利用が出来なくなります。そのため、別院外の施設を利用する際の会場使用料として100,000円を計上しました。

園長研修会についても同様の理由から、会場使用料として60,000円計上しました。

組研修会費の減は、加盟園の1園減によるものです。

文書伝道費の増は、22年度に「まことの保育のしおり」を改訂した際、2223年度分として2年分印刷したため23年度は費用が発生しなかったのですが、24年度は印刷を行うので計上しました。

なお、特別会計への繰入金は、例年通り年度当初は見込んでおりません。

また、毎年当該年度の歳入で歳出を賄うことを基本方針としているため、歳入の前期繰越金と歳出の予備費が同額となるような予算編成を心がけていますが、24年度は予備費から文書伝道費に300,000円繰り入れる他、9月に宝山ホールを会場に企画されている観劇への協賛金として100,000円支出する予定です。

熊本大会、観劇については、後ほど事務局から説明を行いますと付言しました。

(第3号議案・第4号議案についての質疑)

○ 九州地区保育研修熊本大会について。

「事務局から説明があるのでは」との質問があり、早速事務局が資料をもとに熊本大会についての説明を行いました。

また、笠置理事長より、申し込みに際しては、次のような留意事項の補足説明がありました。

・最近は、ホテルを各園で手配されるケースがありますが、今大会では必ず熊本教区指定のホテル(ホテル ヴェルデ、亀の井ホテル)を利用してください。

・女性は、3名1組の部屋割りになりますので、参加申し込みをされる際は、出来るだけ3名・6名・9名といったような3の倍数でお願いします。

・園の事情で、3の倍数ではなく、1名・2名あるいは4名・5名といった人数での申し込み方でもかまいませんが、その場合は、他の園の先生と相部屋になることを諒承してください。

・男性=亀の井ホテル、女性=ホテル ヴェルデといった具合に、それぞれ指定のホテルが別になります。ただし、園長(男性)・主任(女性/園長の妻)・保育士(園長の子ども)といったような組み合わせの場合は、3人1組で男性もホテル ヴェルデへの宿泊が可とのことです。

・大会終了後、三井グリーンランドに行かれた方についてはシャトルバスの運行を計画中とのことです。

以上、今回の大会はいろいろと制約がありますが、隣接教区でもありますので、要請数の90名になるよう宜しくお願いします。

○ 大会の説明を受けて「九州大会は、通常700名〜800名の参加者があるが、今回の大会は参加者数を540名に制限。しかも交通の便の良い熊本市内で開催されないのか。また、九州地区保育研修は、今年度は熊本教区担当ではあるが、本来九州地区の大会であるので、その趣旨を踏まえた上での大会となるよう、九州地区の理事会で検討してほしい。また、宿泊費は女性10,500円、男性4,800円となっているが、これも設定の仕方に疑問がある」との意見が出されました。

   これに対して、笠置理事長より「熊本教区には改善の申し入れをしましたが、既に会場ありきで進行しているので、どうしても変更することが出来ませんでした」との報告がありました。

○ 次に「組の研修費とは何か。また、どのように使われているのか」との質問がありました。

佐々木理事から、各組で開催される研修会の助成費として支出されているもので、報告のあった園については教区保育連盟のホームページに掲載していますと回答しました。

 重ねて、「自分の組では、研修会は開催されていない。実施している組があるのか」との質問があり、それに対しては、質問者のあった園の組の前理事から、これは組内の問題であるので、場を変えて直接説明を申し上げたいとの返答がされました。続いて佐々木理事が、昨年度教区連盟には鹿児島組・東隅組・南隅組から開催報告がありましたと回答しました。

この他には、特に質問はなく、第3号・第4号議案は全員一致で承認されました。


(新役員の承認)

 3月26日の理事会、並びに4月13日の臨時理事会で、新理事長に佐々木哲生(南隅組・アソカ保育園)、副理事長に伊地知征明(竜谷学園・和光幼稚園)、藤本慈明(東隅組・しゃら幼稚園)の各氏が選出されたことが報告され、総会で承認されました。なお、研修委員長には藤本慈明氏、運営管理委員長には伊地知征明氏が就任することも報告されました。

 また、新たな監事として、野田久教(南島組・西之表幼稚園)、岡野龍信(祁答院組・藺牟田保育所)の両氏が総会において選出されました。


(その他)

 先ず、事務局から総会資料をもとに「善人なおもて往生をとぐ−親鸞わがこころのアジャセ−」の観劇について説明がありました。

 続いて、前本願寺派保育連盟理事長 宮地最勝氏から、これまで3期10年にわたる本山での業績の報告、並びに今後の保育連盟の動向についての説明、御礼の言葉等、退任の挨拶がありました。

最後に、鹿児島教区保育連盟副理事長の伊地知征明氏より、今年度から研修テーマ等が改まったことを受けて、いっそうまことの保育の推進に努めていきたいとの閉会の挨拶がありました。

平成24年度は、以上のような事業計画・予算等に基づいて連盟の活動を推進して参ります。

さて、周知の通り政府が実施を急ぐ「子ども・子育て新システム」ないし「幼保一体化」と称する制度改革は、市町村の実施責任による保育の現物給付を基本とする現行制度を、根底から突き崩そうとするものです。新システムの実施をこのまま許してしまえば、保育を受ける必要性の高い子どもが保育を受けられなくなるなど、大きな混乱が生じることが予想されます。また、保育の質を確保した待機児童問題の解決にもなりません。
 新システムの導入は、子どもの生命や成長に重大な危機をもたらす問題であるにもかかわらず、十分な論議や情報提供もないままに新システム導入のための作業が進められています。

当保育連盟でも、これまで園長研修会において、この問題についての研鑽を重ねて参りました。その結果、受講された園長方は、よりよい保育を実現するためには、新システム導入反対と現行制度の拡充を求めることが大切であるとの認識を深められたことと存じます。
 いつの世も「改革はすべて善である」として、その内容も十分に検討せずに礼賛する傾向が見られます。そして、その改革に異を唱える運動は「既得権益擁護の主張」として軽視されたり、時には「抵抗勢力」のレッテルを貼られて非難を受けるとこさえあったります。しかしながら、この問題は保育現場の当事者だけにかかわる事項ではなく、日本の将来を支える子どもたちの育ちにかかわる全国民的な問題といえます。

したがいまして、当保育連盟でも「子ども・子育て新システム」ないし「幼保一体化」と称する制度改革とは、こうした認識のもとに対処していくべきものと考えて参りたいと存じます。

もし、この問題点の多い制度改革がそのまま実施されれば、今後数年の間に保育を取り巻く環境は激変して行くことが予想されます。また、行政による制度の見直しだけではなく、保護者の意識や保育に対する要望もますます多様化・複雑化の度合いを増して行くことも懸念されます。

けれども、たとえどのように制度が変っても、どの地域でご縁があっても、等質の「まことの保育」を受けて頂けるような加盟園間の連携が、ますます重要になってくるものと思われます。これからも、皆様方のご意見に耳を傾けながら、そのことの実現に誠心誠意努めてまいりたく存じます。

今後とも、なにとぞ皆様のご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

取り急ぎ、平成24年度総会のご報告をさせていただきます。

以上