2006 保育セミナー
☆ 2006年10月16日、本願寺鹿児島別院会議室にて、教区保育セミナーを開催。
今回のセミナーのテーマは午前の部は「虐待の現状と対応について」。
ご講師は鹿児島児童総合相談センター地域支援指導班主任・児童福祉専門員の 東 隆二 先生。
午後の部は「保育に配慮を要する子どもたちへの対応」。
ご講師は鹿児島大学教育学部教授の大坪治彦先生。
☆ 午前中の講義では、「虐待」の概念について学ぶと共に、虐待の現状と、保育現場での対応について学びました。
また、午後からは「発達障害」について。従来まで考えられてきた知的あるいは身体的な障害ではなく、集団の中において自己コントロ-ル能力の欠落した社会力(社会性)のない子どもに見られる障害の問題について学びました。講義の後は分散会で意見を交換し、また質疑を通して、この問題についての認識を深めました。

  今回のセミナーは42名の方のご参加があり、取り上げたテーマへの関心の高さが窺われました。
  また、それを裏付けるかのように参加された先生方も熱心に聴講され、分散会でもテーマについての活発な意見の交換が行われました。
  教区保育連盟では、今後とも秋のセミナーでは、その時々の重要な課題を随時取り上げ、共に研鑽を深めて参りたいと存じます。
 
 
 ☆ 保育セミナーのアンケート ☆

☆ 午前中の「虐待の現状と対応について」と、午後の「保育に配慮を要する子どもたちへの対応」の講義、共にとても内容の深い研修でした。保育現場の直接的な問題についての研修で、とても勉強になりました。また、園へ戻り職員同士理解を深めて保育に取り組みたいと思います。ありがとうございました。
☆ 現在、虐待されている子ども達がこれほどまでにたくさんいることに大変驚いた。虐待がおこる前に、それを防げる段階で周りが手助けできる状況を作って行くことは本当に大切だと感じた。
「気になる子ども」に対して…、こだわりを強く持つ子など、そのこだわりをなくそうとする傾向があるが、むしろそのこだわりを大切にしつつ、その子が過ごしやすい場を作ってあげることが大切だということを学んだ。
☆ 虐待について…私の周辺では、現状では起きていない事柄なのであまり問題にはしていなかったが、今回の講義を受けて、誰にでもあり得ることと、普通の生活の中にあり得ることだと知った。「記録」をしておくことが大切だと話されたことを受けて、今後は色々なケースがあるので、しっかりと虐待の定義を認識し、子どもからの何らかのサインを見逃さないようにしたい。
発達障害について…この講義で学んだことは、これまで言われてきたような色々な障害のことではなく、脳に傷がある脳障害であることを知る。何歳からと見極めるのは難しいが、言葉が形成される2〜3歳頃から顕著に見られ始めるので、3歳を過ぎたら判断しやすいとのこと。私の園では今のところ対象児はいないが、今後の留意していきたい。
☆ 虐待の現状や、発達障害の子への対応の仕方など、いろいろと勉強になりました。虐待と発達障害とは関連性もあり、またこのような子ども達は増えてきているので、一人ひとりの子どもをしっかりと理解し、障害があるのかないのかなどきちんと見極め、その子に応じた接し方を保護者との共通理解のもとで進めていくことが重要だとわかりました。今後も、さらにこのような問題に関して理解を深め、日々の保育にいかしていきたいと思います。ありがとうございました。
☆ 虐待としつけとの見極めは難しく、まだまだわからないこともありますが、「あれ?」と思った時や変だな気付いた時には、児童相談所、あるいは市町村の福祉課に話してみる。それが、まず虐待を防ぐことにつながるのだと思った。勇気をもって取り組んでいきたいと思う。私たち保育士も園内での子どもへの対応の中で、外部から“いじめ”“虐待”ではないか?と勘違いされるような叱り方などはしないよう気をつけなければと思った。
「発達障害」については、今まで知らなかったことをたくさん知ることが出来た。これからも勉強し、きちんとした知識を身につけていかなければ…と思う。