薩摩郷句 
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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− 薩摩狂句 平成28年度 目 次 −

「我慢っ」(きばっ) [平成28年12月号]  

「吹っ」(ふっ) [平成28年11月号]  

「大事」(でし) [平成28年10月号]  

「嬉し」(うれし) [平成28年9月号]  

「聞っ」(きっ) [平成28年8月号]  

「酷で」(ひで) [平成28年7月号]  

「受け」(うけ) [平成28年6月号]  

「大切」(てせっ) [平成28年5月号]  

「強え」(つえ) [平成28年4月号]  

「頑張っ」(きばっ) [平成28年3月号]  

「祝」(ゆえ) [平成28年2月号]  

「銭、金」(ぜん) [平成28年1月号]  

平成28年12月号  兼題 「我慢っ」(きばっ)

.(地位) 飲まん言て 我慢っがなった 只三日  (のまんちゅて きばっがなった ただみっか)
(唱)(取い上げ出来ん 飲兵衛んお猪口 (といあげでけん のんべんおちょこ)

(秀作) 戦時中 空腹と我慢っ 今メタボ (せんじちゅう ひもじときばっ いまメタボ)
(唱)(御馳走を食っ 今をかんしゃしっ) (ごっそをたもっ いまをかんしゃしっ)

 凄げ鼾 我慢がならじ 部屋や替わっ   (すげいびっ きばいがならじ へやかわっ)
  (唱)(朝寝どんしっ バスな遅れっ ) (あさねどんしっ バスなおくれっ)

 好かん奴も 我慢っ語れば 気が通よっ  (すかんとも きばっかたれば きがかよっ)
  (唱)(毛嫌れをせんじ 交際てみれば) (けぎれをせんじ つっきょてみれば)

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平成28年11月号  兼題 「吹っ」(ふっ)

.(天位) フ−フ吹っ 猫舌た笑っ 我が火傷  (フーフふっ ねこしたわるっ わがやけど)
(唱)(火傷をば見て 猫舌が笑っ (やけどをばみて ねこじたがわるっ)

(秀作) 赤子ご抱っ 台風最中け 医者しぇ走っ (あかごでっ うかぜんさなけ いしぇはしっ)
(唱)(可愛ぜ児ん為にゃ 何でんすい母) (もぜこんためにゃ なんでんすいかか)

 口笛で 目白を呼んだ 少年時代   (くちぶえで はなしをよんだ ちんけころ)
  (唱)(口笛吹っ方てな 年季が要っど ) (はとふっかてな ねんきがいっど)

 旋風 娘女ん裾い 冗談くしっ  (つむっかぜ おごじょんすそい わやくしっ)
  (唱)(マリリンモンロ 思め出せっ) (マリリンモンロ おめだせっ)

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平成28年10月号  兼題 「大事」(でし)

.(地位) 大事な子を 死なす虐待 親は鬼  (でしなこを しなすぎゃくたい おやはおん)
(唱)(子供む産ん 資格どま無し) (こどむうん しかっどまのし)

(秀作) 境け決めは 個人も国家も 一大事 (さけきめは ひともこっかも いちだいじ)
(唱)(仲裁の言て 従ごわな) (ちゅうさいのゆて したごわな)

 原発は 大事し管理せにゃ 鬼に成っ   (げんぱつは でしかんりせにゃ おにになっ)
  (唱)(燃料棒ん 管理が大事じゃ ) (ねんりょぼん かんりがでしじゃ)

 大事な西瓜 烏ん奴が 先き喰っ  (でしなすか からすんわろが さきくろっ)
  (唱)(地団駄踏んで 悔しか爺父) (じだんだふんで くやしかじいじ)

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平成28年9月号  兼題 「嬉し」(うれし)

.(天位) 御来光を 山頂で拝ん 嬉し富士  (ごらいこを さんちょでおがん うれしふじ)
(唱)(一生い一度 やっみろごちゃっ) (いっしょいいっど やっみろごちゃっ)

(秀作) 百壽祝 家族が揃って 嬉し泣っ (ももじゅゆぇ けねがそろって うれしなっ)
(唱)(皆な長生く 願ごっ祝え来っ) (みんなながいく ねごっゆえきっ)

 苦労してん 入れば嬉し 天・地・人   (くろしてん はいればうれし てんちじん)
  (唱)(奇抜な着想で 句を作らんな ) (きばっなちゃっそで くをつくらんな)

 碁敵に 打っ手返しん 嬉し勝っ  (ごがたきに うってがえしん うれしかっ)
  (唱)(石を取らせっ 地所を貰わにゃ) (いしをとらせっ じしょをもらわにゃ)

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平成28年8月号  兼題 「聞っ」(きっ)

.(地位) ブラジルい 国旗を揚げっ 聞っ国歌  (ブラジルい こっきをあげっ きっこっか)
(唱)(メインポールい 日の丸が舞っ) (メインポールい ひのまるがもっ)

(秀作) 誰様け 聞っ訳け行かじ 手を握っ (だいさあけ きっわけいかじ てをにぎっ)
(唱)(思め出そしてん 名が出らじ) (おめだそしてん ながでらじ)

 道つ聞たや 此処じゃんさおち 大笑れなっ   (みつきたや ここじゃんさおち うわれなっ)
  (唱)(何処け行っきゃしかち わざと尋ねっ ) (どけいっきゃしかち わざとたんねっ)

 山じゃっち 先き教かせば 確と聞っ  (やまじゃっち さきいっかせば はしときっ)
  (唱)(成績悪り衆た 山が解らんで) (せいせきわりた やまがわからんで)

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平成28年7月号  兼題 「酷で」(ひで)

.(地位) 地震津波 突然やっ来っ 酷で被害  (なえつなん ひょかっやっきっ ひでひがい)
(唱)(自然の馬力 強さをば知っ) (しぜんのばりっ つよさをばしっ)

(秀作) 虐待で 子をけ死ませた 酷どか親 (ぎゃくたいで こをけしませた ひどかおや)
(唱)(子供ぬば産ん 資格も無かろ) (こどんぬばうん しかっもなかろ)

 地震騒動で 酷で八・六を 思め出せっ   (なえそどで ひではちろくを おめだせっ)
  (唱)(被災に供え 用心が大切) (ひさいにそなえ ゆじんがてせっ)

 酷で地震で 好な地球が 怖おけなっ  (ひでなえで すっなちきゅうが こおけなっ)
  (唱)(何時何処い 地震が来いかは 解らんで) (いつどこい なえがくいかは わからんで)

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平成28年6月号  兼題 「受け」 (うけ)

.(天位) 好っな如っ 生きっ働れて 叙勲ずい  (すっなごっ いきっはたれて じょくんずい)
(唱)(好っな道つ 進んで貰た 褒美じゃろ) (すっなみつ すすんでもろた ほうびじゃろ)

(秀作) 俺も高齢 受けた寿命に 付て歩っ (おいもとし うけたじゅみょうに つてさるっ)
(唱)(白寿ずやまだ 二十年あっ) (はくじゅずやまだ にじゅうねんあっ)

 勝負事ちゃ 受けに廻らじ 攻めて勝て   (しょうぶごちゃ うけにまわらじ せめてかて)
  (唱)(先手先手で 攻め捲れ言っ) (せんてせんてで せめまくれちゅっ)

 受けん良か エイエイオーの 元祖は頴娃  (うけんよか エイエイオーの もとはえい)
  (唱)(目的く確実と 達成せんにゃ) (もくてきゃちゃんと たっせいせんにゃ)

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平成28年5月号  兼題 「大切」 (てせっ)

.(地位) 自爆テロ 大切な命ちょ 知らん鬼  (じばくテロ てせっないのちょ しらんおに)
(唱)(死んでその身に 花は咲かんど) (しんでそのみに はなはさかんど)

(秀作) 形見着物 箪笥ん奥で 大切ち寝っ (かたんべべ たんすんおくで てせちねっ)
(唱)(時折にゃ陰干す して着たいせにゃ) (たまにゃかげぼす してきたいせにゃ)

 大切ちしっ 育えた娘が 嫁め行たっ   (てせちしっ おえたむすめが よめじたっ)
  (唱)(男親言は 娘な弱えで) (おとこおやちゅは むすめなよえで)

 二度は無か 命ちゃ宝じゃ 大切ちせにゃ  (にどはなか いのちゃたからじゃ てせちせにゃ)
  (唱)(学校あげっ 自殺者無を (がっこうあげっ じさつしゃゼロを)

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平成28年4月号  兼題 「強え」 (つえ)

.(天位) 強えがぶい 横綱ね勝って 初賜杯  (つえがぶい よこづねかって はつしはい)
(唱)(日本人での 横綱が欲し) (にほんじんでの よこづながほし)

(秀作) 強え国も ばったいならん 自爆テロ (つえくんも ばったいならん じばくテロ)
(唱)(一度限いの 人生じゃっど) (いっどかぎいの じんせいじゃっど)

 バス事故も 運の強え人は 怪我で済ん   (バスじこも ふのつえひとは けがですん)
  (自唱)(車め乗っ時きゃ ベルトを締めっ)( くるめのっときゃ ベルトをしめっ)

 国の為 焦らじ頑張い 強え総理  (くんのため あせらじぎばい つえそうり)
  (唱)(自衛隊法にゃ 蓋どん締めっ (じえいたいほにゃ ふたどんしめっ)

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平成28年3月号  兼題 「頑張っ」 (きばっ)

.(天位) 疲れもせじ 頑張って診たで 今があっ  (だれもせじ きばってみたで いまがあっ)
(唱)(仕事も趣味も 疲れじ楽しん) (しごっもしゅみも だれじたのしん)

(秀作) 句作いに 毎月頑張って 呆け予防 (くづくいに めつっきばって ぼけよぼう)
(唱)(毎月頑張って 良か句が出来っ) (めつっきばって よかくがでけっ)

 マラソンの ラストシーンに 貰ろ元気   (マラソンの ラスシシーンに もろげんき)
  (唱)(最後ん力 絞い切っ  (さいごんちから しぼいきっ)

 雨ん日も 頑張って廻る ゴルフ仲間  (あめんひも きばってまわる ゴルフどし)
  (唱)(芝生が濡れちょっ 調子が出らんじ (しばがぬれちょっ ちょしがでらんじ)

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平成28年2月号  兼題 「祝」 (ゆえ)

.(地位) 快気祝 一杯なら言て 腹一杯  (かいきゆえ いっぺならちゅて はらいっぺ)
(唱)(飲ん出せば 口が卑しで) (のんだせば くっがいやしで)

(秀作) 貰ろた祝 御礼い書っとに 空があっ (もろたゆえ おれいかっとに からがあっ)
(唱)(御礼状にな 何ち書こかい) (おれいじょにな なんちかこかい)

 祝事に 行っとが多けち 財布が叱っ   (ゆえごっに いっとがうえち ふぞががっ)
  (唱)(考げをせえち 財布が心配) (かんげをせえち ふぞがせわ)

 開業祝 競争相手が 大勢と寄っ  (かいぎょゆえ きょうそうえてが ごいとよっ)
  (唱)(有難て教え 守っ行かんと) (あいがておしえ まもっいかんと)

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平成28年1月号  兼題 「銭、金」 (ぜん)

.(地位) あん世でな 金な不要ち 毎晩飲ん  (あんよでな ぜんないらんち めばんのん)
(唱)(独身者なら 思如っすっで) (ひといもんなら おもごっすって)

(秀作) 手抜っ杭 儲けた心算が 大損しっ (てぬっくい もけたつもいが うぞんしっ)
(唱)(手直し工事 凄ぜ金がいっ) (てなおしこうじ わぜぜんがいっ)

 金も名も 不要ち頑張い ボランティア   (ぜんもなも いらんちきばい ボランティア)
  (唱)(人ん為なら 不要ん金銭) (ひとんためなら いらんぜんかね)

 硬貨よっか 札が欲しかち 利口な幼児  (ドロよっか さっがほしかち じくなちび)
  (唱)(金の値打が 解っ来ちょんで) (ぜんのねうっが わかっきちょんで)

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