薩摩郷句(その2)平成13年度用
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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− 目 次 −
「挨拶」(えさつ)  [平成13年1月号]
「税」(ぜい)   [平成13年2月号]
「御礼」(ごれ)   [平成13年3月号]
「夢」(ゆめ)   [平成13年4月号]
「男」(おとこ)   [平成13年5月号]
「嘘」(うそ)   [平成13年6月号]
「祝」(ゆえ)   [平成13年7月号]
「氷」(こおり)   [平成13年8月号]
「仮病」(けびょう)   [平成13年9月号]
「虫」(むし)   [平成13年10月号]
「霜」(しも)   [平成13年11月号]
「毛布」(もうふ)   [平成13年12月号]

  


平成13年1月号  吟題 「挨拶」(えさっ)
(入賞 人席)
ご無沙汰も  手書っの賀状が  挨拶ちなっ
(ごぶさたも てがっのがじょうが えさっちなっ)
( 唱 )下手な字じゃいがこもい真心
(へたなじじゃいが こもいまごころ)

(入選 4席)
良か挨拶  飲まん前かい  気が弾ん 
(よかえさつ  のまんまえかい  きがはずん)
(唱)上手な話ち満場ん拍手
(じょしなはなしち まんじょんはくしゅ)

(佳作 人選)
難題も  挨拶のしよじゃ  丸るいたっ
(なんだいも  えさっのしよじゃ  まるいたっ )
(唱) 物ん言かたが 悪るけや 喧嘩
(ものゆかたが わるけや けんか)

機嫌取の  見え透た挨拶が 気分を悪しっ
(きげんとぃの みえしたえさっが きをわるしっ)

飾らんじ  素直な挨拶で  気分が晴れっ
(かざらんじ すなおなえさっで きがはれっ)

内容よっか  笑顔が受くっ 選挙挨拶
(なかみよっか わるづらがうくっ せんきょえさっ)

短こしてん  上手な挨拶言ゃ 長ご残っ
(みっこしてん じょしなえさっちゃ なごのこっ)

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平成13年2月号  吟題 「税」(ぜい)
(入賞 人席)
安物ぬ  買てん付てくい  消費税
(やすもんぬ こてんちてくい しょうひぜい)
( 唱 )払るわん訳いいかんで 堪さじ
(はるわん わけいいかんで のさじ)

(佳作)
血税が  政党ん都合で  奪合われっ
(けっぜいが  せいとんつごで  ばこわれっ )
(唱) 国民のため言うた みんな嘘
(こっみんのためちゅた みんなうそ)

(佳作)
年金な  払るた税よか  余計貰ろっ
(ねんきんな  はるたぜいよっか  よけもろっ )
(唱) とは言てん そん日暮らしがやっと 御座しと
(とわゆてん そのひぐしが やっとござしと)

所得税  高額払たて 冷やかされっ
(しょとっぜい たかだこっはるたて ひやかされっ)

赤字でん  取らるっ税に 議を言っみっ
(あかじでん とらるっぜいに ぎをゆっみっ)

消費税  払ごっなかれば 買わんこっ
(しょうひぜい はるごっなかれば こわんこっ)

税金ぬ  納むっ都度 借金し
(ぜいきんぬ おさむったんび しやっせんし)

税ゆ払う  今良か人生ち 遣気を燃せっ
(ぜゆはるう いまよかしゃばち きをもやせっ)

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平成13年3月号  吟題 「御礼」(ごれ)
(入選 四席)
戦前派  最敬礼が  懐かしゅし
(せんぜんは さいけいれいが なっかしゅし)
( 唱 )学校ん子ずい 式場訓練
(がっこんこずい しきじょくんれん)

(佳作 )
御礼しどま  大概大概なった  選挙後
(おれいしどま  てげてげしなった  せんきょあと )
(唱) 当選すれば  四年な威張っ
(とうせんすれば  よねんないばっ)

(佳作 )
一言の  御礼で難儀も  気が晴れっ
(ひとこっの  ごれでなんぎも  きがはれっ )
(唱) そゆば聞たなら け忘れた苦労
(そゆばきたなら  けわすれたくろ)

初対面  御礼例ん仕方で 人柄が分っ
(しょたいめん ごれんしかたで ひとがわかっ)

蟻さんな  出会う友達毎に  御礼ゆしっ
(ありさなんな であうどしごち ごれゆしっ)

猿さんの  面白て御礼し方が 客集めっ
(さるさんの おもしてごれんしが きゃくあつめっ)

御礼にも  結果や都合で 大小あっ
(ごれにも  けっかやつごうで ふとこもあっ)

御礼には  時と場所とで 仕分けが要っ
(ごれには  とっとばしょとで しわけがいっ)

初参っ  深々御礼しっ 大吉引っ
(はっまいっ   ふこぶこごれしたや だいきつひっ)

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平成13年4月号  吟題 「夢」(ゆめ)
(入賞 地位)
夢んよな  儲け話乗っ  大損しっ
(ゆめんよな もけばなしのっ うぞんしっ)
( 唱 )そら言わんこっじゃ無かどち 女房
(そら いわんこっじやなかどち かか)

(佳作 )
危ね夢  後塞がした  目が覚めっ
(あっねゆめ  あとぜっがした  めがさめっ )
(唱) 命拾れした思めん冷や汗
(いのっびれしたおめんひやあせ)

(佳作 )
出来如有っ  ホールインワンな  出来ん夢
(でくごあっ  ホールインワンな  でけんゆめ )
(唱) 一生かけてん  どしてん出来じ
(いっしょかけてん  どしてんできじ)

宇宙旅行  夢ぢゃ無かどん  夢んまた夢
(うちゅうりょこう ゆめぢゃなかどん ゆめんまたゆめ)

夢んよな  大記録出せっ  大泣きしっ
(ゆめんよん だいきろくだせっ うなきしっ)

良か夢も  目がさめたや 泡んしなっ
(よかゆめも めがさめたや あわんしなっ)

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平成13年5月号  吟題 「男」(おとこ)
(入賞 五客 一席)
伊之助も  最後ん団扇べ  男泣っ
(いのすけも さいごんうっべ おとこなっ)
( 唱 )力士が 髷を切いよな気持
(りきしが まげを きいよなきもっ)

(佳作 )
男しか  土俵な上げん  古り伝統
(おとこしか  どひょいなあげん  ふりでんと )
(唱) 知事さあじゃろが曲げはならんじ
(ちじさあじゃろがまげはならんじ)

(佳作 )
子育てい  男ん加勢が  頼られっ
(こそだてい  おとこんかせが  たよられっ )
(唱) 交互てとい  育児ん休暇
(かたいごてとい  いくじんきゅうか)

男前  持て囃されっ  身を壊けっ
(おとこまえ もてはやされっ みをくやけっ)

寡男でん  細めん掃除しっ  花も飾っ
(やまめでん こまめんそじしっ はなもかざっ)

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平成13年6月号  吟題 「嘘」(うそ)
(入選 天位)
ハハキトク  嘘なら良てち  祈っ行っ
(ハハキトク うそならえてち いのっじっ)
( 唱 )今日は鈍れごたい 乗ったじぇっと機
(きゅはぬれごたい のったジェットき)

(入賞 5席 )
法螺吹っの  見え透た嘘は  笑るっ済ん
(ほらふっの  みえしたうそは  わるっすん )
(唱) 誰も信用せん  大風呂敷
(だいもしんようせんうぶろしっ)

(佳作 )
末期癌  じゃが嘘を吐っ  励ませっ
(まっきがん  じゃがうそをひっ  はげませっ )
(唱) 内心じゃ  済まんち詫びちょい 主治医様
(ねしゅじゃ  すまんちわびちょい しゅちいどん)

倦怠期  嘘でんおだてっ  褒めっみっ
(けんたいき うそでんおだてっ ほめっみっ)

政治不信  嘘じゃ無かち言っ  嘘八百
(せいじふしん うそじゃなかちゆっ うそはっぴゃく)

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平成13年7月号  吟題 「祝」(ゆえ)
(入賞 3席 )
良か晩ち  晩酌を祝じゃち  続ちょっ
(よかばんち  だいやめをゆえじゃっち  つじちょっ )
(唱)飲んがないうちとゃ  元気な証拠
(のんがないうちゃ  げんきなしょうこ)

(佳作 )
ホールインワン  祝じゃ無して  厄落とし
(ほーるいんわん  ゆえじゃのして  やっおとし )
(唱) 何か気いなっこっがあった態
(ないかきいなっこっがあったふ)


子供ん祝に 焼酎を持っ来た 飲兵衛友人
(こんゆえに しょちゅをもっきた のんべどし )
(唱) 祝事ちゃ是いが ないかや弾まじ
(ゆえごちゃこいが なかやはずまじ)

長生っの  祝は早ち言う  九十歳
(ながいっの ゆうははえちゆう きゅうじっさい)

祝事は  縁起が物言う  大安吉日
(ゆえごっは えんぎがものゆう だいあいきっじつ)

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平成13年8月号  吟題 「氷」(こおり)
(入賞 3席 )
氷どが  飛っごっ売るい  甲子園
(こおりどが  とっごっうるい  甲子園 )
(唱)試合ゆば しちょい選手にゃすまじ
(しあいゆば  しちょいせんしゅにゃ すまじ)

(佳作 )
熱帯夜  焼酎い氷で  良か晩な
(ねったいや  しょちゅいこおりで  よかばんな )
(唱) 機嫌の良か態の飼易しか亭主
(ごつのよかふの けやしかおやっ)


熱つ下ぐち 氷り割ったた そん昔
(ねつさぐち  こおりわったた  そんむかし )
(自唱)母親ん愛情が  こもっ居い氷枕
(かかんあいじょが こもっちょいまくら)

高利貸  氷よっか冷て 惨げ取立
(こうりがし こおりよっかつんて むげといたて)

氷水  春夏秋冬  食卓要っ
(こおりみっ しゅんかしゅうとう しょくたきいっ)

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平成13年9月号  吟題 「仮病」(けびょう)
(入賞 4席 )
子の仮病あ  注射ち言たや  ひん治っ
(こんけびょうは  ちゅうしゃちゆたや  ひんなおっ )
(唱)こら良う効たち 言うちょい医者様
(こらゆうきたち  いうちょいいしゃさあ)

(佳作 )
仮病も  ワンマン社長な  薬いなっ
(つくいびょも  わんまんしゃちょいな  くすいなっ )
(唱) 語い合た態で出てこん社員
(かたいよたふで でてこんしゃいん)

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平成13年10月号  吟題 「虫」(むし)
(入賞 3席 )
決まってん  虫しゃ治まらん  与党と野党
(きまってん  むしゃおさまらん  よととやと )
(唱)つまやどっちも 納得か出来じ
(つまやどっちも  なっとかできじ)

(佳作 )
虫取いも  珍しゅなった  野菜畑
(むしといも  めずらしゅなった  やせばっけ )
(唱) 良か農薬が  効たとじゃろだい
(よかのうやくが きたとじゃろだい)

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平成13年11月号  吟題 「霜」(しも)
(入選 人位 )
霜を踏ん  寒稽古帰や  汗をけっ
(しもをふん  かんげいこもどや  あせをけっ )
(唱)真面目 頑張って 火照っちょい顔
(まじめきばって ほてっちょいつら)

(佳作 )
初霜が  紅葉と寒波  連れっ来っ
(はっしもが  もみっとかんぱ  つれっきっ )
(唱) 紅葉が散れば  木なんだ裸
(もみっがちれば きなんだはだか)

(佳作 )
霜なんだ  早朝ゴルフで  ぶっ飛べっ
(しもなんだ  そうちょごるふで  ぶっとべっ )
(唱)健康んためい  誠て良か汗
(けんこんためい まこてよかあせ)

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平成13年12月号  吟題 「毛布」(もうふ、けっと)
(入賞 1席 )
難民な  破れ毛布も  大事じ使こっ
(なんみんな  やぶれけっとも  でじつこっ )
(唱)戦があれば  庶民が犠牲
(いっさがあれば しょみんがぎせい)

(入賞  4席 )
高価け毛布  孫ん寝小便じゃ  叱やならじ
(たけもうふ  まごんおねしょじゃ  がやならじ )
(唱) 物干し竿で  上がっちょい湯気
(ものほしざおで あがっちょいゆげ)

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