薩摩郷句平成２２年度用
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
平成１１年作はこちらへ
平成１２年作はこちらへ
平成１３年作はこちらへ
平成１４年作はこちらへ
平成１５年作はこちらへ
平成１６年作はこちらへ
平成１７年作はこちらへ
平成１８年作はこちらへ
　鮫島爺児医 作 永徳天真 選
　平成１９年作はこちらへ
　平成２０年作はこちらへ
平成２１年作はこちらへ
平成２２年作はこちらへ
平成２３年作はこちらへ
平成２４年作はこちらへ

実方天声選薩摩狂句は こちらへ
慶田乱雲選薩摩狂句（医壇笑壇）
平成１７年度作は　こちらへ
平成１８年度作は　こちらへ
平成１９年度作は　こちらへ
平成２０年度作は　こちらへ
平成２１年度作は　こちらへ
平成２２年度作は　こちらへ
平成２３年度作は　こちらへ
平成２４年度作は　こちらへ

−薩摩郷句　平成２２年度　目 次 −

「後悔」（くけ）　 　［平成２２年１２月号］
「占ね」（うらね）　 　［平成２２年１１月号］
「欠伸」（あくっ）　 　［平成２２年１０月号］
「団子」（だご）　 　［平成２２年９月号］
「汗」（あせ）　 　［平成２２年８月号］
「周囲」（ぐるい）　 　［平成２２年７月号］
「雑巾」（ざふっ）　 　［平成２２年６月号］
「貝堀い」（けほい）　 　［平成２２年５月号］
「餞別」（せんべっ）　 　［平成２２年４月号］
「嬉し」（うれし）　 　［平成２２年３月号］
「刺身」（さしん）　 　［平成２２年２月号］
「神様」（かんさあ）　 　［平成２２年１月号］

[平成年２３年１月号の兼題は「化粧」(けしょ)です。

平成２２年１２月号　　吟題　「後悔」（くけ）

　切符をば　切られっからじゃ　遅か後悔
（きっぷをば　きられっからじゃ　おそかくけ）　　
（唱）（事故どんすれば　大変なこっ）
（じこどんすれば　たいへんなこっ）

　医者んなっ　難儀は多えが　後悔は無し
（いしゃんなっ　なんぎはおえが　くけはのし）　　
（自唱）（感謝さるれば　難儀は飛つ）
（かんしゃさるれば　かんぎはひっつ）

　頼まれっ　印鑑ぬ捺てかあ　後悔をしっ
（たのまれっ　はんぬちてかあ　くけをしっ）　　
（自唱）（知らん仲じゃ　無かったが後悔）
（しらんなかじゃあ　なかったがくけ）

目次へ


平成２２年１１月号　　吟題　「占ね」（うらね）

（天位）
　良か手相ち　占ねじゃ出たが　早よ逝たっ
（よかてそち　うらねじゃでたが　　はよいたっ）　　
（唱）（運命ち思もが　手相見を恨ん）
（さだめとおもが　てそみをうらん）

　占ね師も　職く間違ごたか　　貧乏しっ
（うらねしも　しょくまっごたか　　びんぶしっ）　　
（自唱）（貧乏はしてん　気合い乗っ居っ）
（びんぶはしてん　きあいのっちょっ）

　七五三　祝いで占ね　全部吉
（ひちごさん　いわいでうらね　ずるっきち）　　
（自唱）（祝う気持を　大事ちせんなち）
（いわうきもちを　てせちせんなち）

目次へ


平成２２年１０月号　　吟題　「欠伸」（あくっ）

（地位）
　大て欠伸　蝿が飛っ込んで　笑われっ
（ふてあくっ　へがとっくんで　わるわれっ）　　
（唱）（様あ無か言は　こん事じゃいが）
（ざまあなかちゅは　こんこっじゃいが）

(入選) 国会の　欠伸びゃテレビい　太と映っ
（こっかいの　　あくびゃテレビい　ふとうつっ）　　
（唱）（そん次ぎなれば　け寝ったろかい）
（そんつぎなれば　けねったろかい）

　欠伸ぶ見っ　連られ連られっ　我がもしっ
（あくぶみっ　つられつられて　わがもしっ）　　
（自唱）（欠伸びゃ伝染っち　良う言たもんじゃ）
（あくびゃうつっち　ゆうゆたもんじゃ）

目次へ


平成２２年９月号　　吟題　「団子」（だご）

（天位）
　見掛けよか　味で勝負ん　　祖母ん団子
（みかけよか　　あっでしょうぶん　ばばんだご）　　
（唱）（年季が入った　優し味じゃっ）
（ねんきがいった　　やさしあっじゃっ）

(入選) 六月灯　しんこ団子が　懐かしゅし
（ろっがっど　しんこだんごが　　なつかしゅし）　　
（唱）（久振い食て　思め出した味）
（さしかぶいくて　　おめだしたあじ）

　戦時中　唐芋団子なんだ　貴重品
（せんじちゅう　　いもだごなんだ　　きちょうひん）　　
（自唱）（今ん子どんな　　贅沢き馴れっ）
（いまんこどんな　ぜいたきなれっ）

目次へ


平成２２年８月号　　吟題　「汗」（あせ）

（入選）
　汗だっの　笑顔が映ゆい　インタビュー
（あせだっの　えがおがはゆい　インタビュー）　　
（唱）（こぼるい汗も爽やけみえっ）
（こぼるいあせも　　　さわやけみえっ）

柔道と　　政治ん汗は　　似て異質じゃろ
（じゅうどうと　せいじんあせは　　にてひじゃろ）　　
（自唱）（メダル狙って　如何な汗かっか）
（メダルねらって　　げなあせかっか）

　汗をけっ　育てた牛が　処置されっ
（あせをけっ　　そだてたべぶが　しょちされっ）　　
（自唱）（惨し事じゃが　どうにもならじ）
（ぐらしこっじゃが　どうにもならじ）

汗をかっ　　元気が欲しか　　高齢者
（あせをかっ　　げんきがほしか　　としなもん）
（自唱）（若け衆な負けん　　気合が大事）
（わけしなまけん　　きあいがだいじ）

目次へ


平成２２年７月号　　吟題　「周囲」（ぐるい）

（地位）
　総理せか　辞むれば周囲や　　閑古鳥
（そうりせか　　やむればぐるや　かんこどい）　　
（唱）（後味が悪り　辞め方をしっ）
（あとあっがわり　　やめかたをしっ）

（入選） こら暑か　　周囲ゆ見てから　　取い鬘
（こらぬっか　ぐるゆみてから　　といかつら）　　
（唱）（鬘じゃ無かち　大方思ちょっ）
（かつらじゃねかち　うかたおもちょっ）

　ぼた餅の　周囲ゆ先き食っ　　飯しゃ残けっ
（ぼたもっの　　ぐるゆさきくっ　めしゃのけっ）　　
（自唱）（美味か所は　知っ居い子供）
（うまかところは　しっちょいこどん）

伝染病で　周囲が心配な　小児科医
（うついびょで　ぐるいがせわな　こどんいしゃ）
（自唱）（次々出れば　　騒動いなんそで）
（つぎつぎでれば　そどいなんそで）

目次へ


平成２２年６月号　　吟題　「雑巾」（ざふっ）
（入選）
　ボロ着物ん　袖は立派な　雑巾きなっ
（ボロいしょん　　そではりっぱな　ざふきなっ）　　
（唱）（使ことが惜ねよな色と柄）
（つことがたしね　よないろとがら）

近頃は雑巾く使こえん娘が増えっ
（こくごろは　　ざふくつこえん　　こがふえっ）　　
（唱）（モップで軽く　なぜ廻るだけ）
（モップでかるく　　なぜまわるだけ）

　臭せ雑巾　　塵箱けポイを　祖母が叱っ
（くせざふっ　ちいばへけポイをばばががっ）　　
（自唱）（物品は粗末にゃ　しちゃならん言っ）
（ものはそまちにゃ　しちゃならんちゅっ）

古り雑巾　　母親ん手縫いの　跡があっ
（ふりざふっ　　かかんてぬいの　あとがあっ）
（自唱）（厚か雑巾ちゃ　ミシンちゃ縫えじ）
（あつかざふっちゃ　ミシンじゃぬえじ）

目次へ


平成２２年５月号　　吟題　「貝堀い」（けほい）

（人位）
　貝堀い行っ　空は恥のし　買て帰っ
（かほいいっ　　すだはげんのし　　こてもどっ）　　
（唱）（塩抜きゃしたち隣い持っ行っ）
（しおぬきゃしたち　　　とないもっじっ）

(入選) 貝堀い場も　　邪魔な廃棄物が 増えっきっ
（けほいばも じゃまなごもぞが ふえっきっ）　　
（唱）（塵捨て場じゃ無言て泣ちょい海）
（ごんすてばじゃね ちゅてねちょいうん）

　貝堀いでな　　手よっか足が　　頼いなっ
（けほいでな　　てよっかあしが　　たよいなっ）　　
（自唱）（長げ足触わる　　貝の方も笑っ）
（なげあしさわる　　けのほもわるっ）

近頃は　貝堀いも知らん　子供が増えっ
（ちかごろは　けほいもしらん　こがふえっ）
（自唱）（塾や稽古で　遊も知らじ）
（じゅくやけいこで　　あそっもしらじ）

貝堀い日い　　合わせっアサリ　　船で撒っ
（けほいびい　　あわせっアサリ　ふねでめっ）
（自唱）（沢山っ拾って　　来年もお出い）
（ずぱっひろって　　でねんもおじゃい）

目次へ


平成２２年４月号　　吟題　「餞別」（せんべつ）

（天位）
　餞別に　欲し土産どん　書て添えっ
（せんべつに　ほしみやげどん　　けてそえっ）　　
（唱）（そげん高け品は予算オーバー）
（そげんたけとは　　よさんオーバー）

(入選) 如何すち 貰ろた餞別ち　空があっ
（いけんすち もろたせんべち からがあっ）　　
（唱）（言う訳けいかじ買た安し土産）
（ゆうわけいかじ　　こたやしみやげ）

　餞別に　可愛か恋文　添えっあっ
（せんべつに むぞかこいぶみ　　そえっあっ）　　
（自唱）（初恋は　素朴で楽し　理想郷）
（はつこいは　そぼっでたのし　　ユートピァ）

餞別を　　貰ろた良かどん 土産げ心配
（せんべつを　　もろたよかどん　みやげせわ）
（自唱）（土産には　貰ろた何割ち　　決めっ買っ）
（みやげには　もろたどしこち　　きめっこっ）

目次へ


平成２２年３月号　　吟題　「嬉し」（うれし）

（天位）
　初孫ん　　名前を考げ居い 嬉し祖父
（はつまごん　　なをかんげちょい　　うれしじい）　　
（唱）（筆でふとふと　名をば紙み書っ）
（ふででふとふと　なをばかみけっ）

(入選) サクラサク　嬉し通知で　　病気も治っ
（サクラサク　うれしつうちで　　びょもなおっ）　　
（唱）（負けちゃならんち　漲い力）
（まけちゃならんち　みなぎいちから）

　五番目い　嬉し男ん子い恵っ
（ごはんめい　　うれしおとこん　こいのさっ）　　
（自唱）（頑張った甲斐が　　あったち涙）
（きばったかいが　あったちなんだ）

這えば立て　立てば歩めち　嬉し母親
（はえばたて　　たてばあゆめち　　うれしかか）
（自唱）（子の成長は　日に日で御座し）
（このせいちょうは　ひにひでござし）

宇宙船　嬉し便いが　　日課けなっ
（うちゅうせん　　うれいたよいが にっけなっ）
（自唱）（近頃は　報道も一寸　　遠をしなっ）
（ちかごろは　ほうどうもちと　とおしなっ）

目次へ


平成２２年２月号　　吟題　「刺身」（さしん）

（入選）
　幼魚刺身　　可愛想か言うて　　食わん孫
（ちぎょさしん ぐらしかちゅうて　　くわんまご）　　
（唱）（調理ゆっとを　見ちょったたろで）
（こしたゆっとを　　みちょったたろで）

河豚刺身 味は良かどん　　毒が心配
（ふぐさしん　　あっはよかどん　　どっがせわ）　　
（自唱）（欲しゅしてん　　危険ね臓器は　　食せもはん）
（ほしゅしてん　あっねとこいは　くゎせもはん）

　キビナゴは　刺身で酢味噌　焼酎い合っ
（キンナゴは　さしんですみそ　しょちゅいおっ）　　
（自唱）（一杯言ながら　お変わり増えっ）
（いっぺちゅながら　　おかわりふえっ）

何言てん　　刺身が一番の　　鯛の料理
（なんちゅてん　さしんがいっの　たいのずい）
（自唱）（包丁技っで　味ゃ盛い上がっ）
（ほうちょさばっで　あじゃもいあがっ）

目次へ


平成２２年１月号　　吟題　「神様」（かんさあ）

（地位）
　神様も　　正月ちゃ笑るっ　　吉つ配っ
（かんさあも　しょうがちゃわるっ　きつくばっ）　　
（唱）（全員吉じゃち 家族中が笑顔）
（ずるっきっじゃち　けねじゅがえがお）

神様を　拝む心が　幸運ぬ呼っ
（かんさあをおがんこころが　　うんぬよっ）　　
（唱）（いっも感謝ち下げちょい頭）
（いっもかんしゃち　さげちょいびんた）

　初物な神様へ奉納っ　感謝せにゃ
（はつもんな　かんさうまつっ　かんしゃせにゃ）　　
（自唱）（来年も収穫が　増えますように）
（でねんもといが　ふえますように）

どもならん　時か神様を　拝んみっ
（どもならん　とかかんさあを　おがんみっ）
（自唱）（困った時の　　神頼ん）
（こまったとっの　かみだのん）

神様を　見た人居らんが　信じ居っ
（かんさあを　みたたおらんが　　しんじちょっ）
（自唱）（心ん中に　座っ居じゃんさ）
（こころんなかに　すわっおじゃんさ）

目次へ