薩摩郷句と薩摩狂句
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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 鮫島爺児医 作 永徳天真 選
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平成27年7月号より選者は樋口一風先生へ変更
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慶田乱雲選薩摩狂句(医壇笑檀) 
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平成24年9月号より選者は津曲とっこ先生へ変更
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−薩摩郷句 令和2年度 目 次 −













 「最早」 (もへ)   [令和2年12月号]

 「歌」 (うた)   [令和2年11月号]

 「スマホ」 (すまほ)   [令和2年10月号]

 「叱っ」 (がっ)   [令和2年9月号]

 「夏休ん」 (なっやすん)   [令和2年8月号]

 「土産」 (みやげ)   [令和2年7月号]

 「嘘」 (うそ)   [令和2年6月号]

 「連休」 (れんきゅ)   [令和2年5月号]

 「祝」 (ゆえ)   [令和2年4月号]

 「嬉し」 (うれし)   [令和2年3月号]

 「可愛ぜ」 (もぜ)   [令和2年2月号]

 「夢」 (ゆめ)   [令和2年1月号]

令和2年12月号  兼題 「最早」 (もへ)
 (地位) 目も耳も 最早故障が来っ 先が心配  (めもみんも もへがたがきっ さっがせわ)   
(唱)(気分な若けで 五体が逆ろっ) (きぶんなわけで ごてがさかろっ)

 最早着たち 新幹線ぬ 褒むい爺  (もへちたち しんかんせんぬ ほむいじい)    
(唱)(弁当を食うち 博多が見えっ) (べんとをくうち はかたがみえっ)

八十五歳 父親の享年すば 最早超えっ   (はっじゅうご おやっのとすば もへこえっ)
 (自唱)(相当な爺様ち 思っ居ったて) (てげなじさまち おもっちょったて)

 開業しっ 最早五十年 丸で夢   (かいぎょしっ もへごじゅうねん まっでゆめ)
 (自唱)(点数が分からじ 悔んだ開業)     (てんがわからじ くやんだかいぎょ)

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令和2年11月号  兼題 「歌」 (うた)
  子守歌 親も一緒き 眠びけなっ  (こもいうた おやもいっどき ねびけなっ)   
(唱)(欠伸だらだら 狂るでた音調) (あくっだらだら くるでたおだめ)

 卒業式 別れん歌が 誘そ涙  (そっぎょしっ わかれんうたが さそなんだ)    
(唱)(参列者ずい 貰れ泣くさせっ) (さんれっしゃずい もれなくさせっ)

萬葉集 昔の人も 歌が好っ   (まんようしゅ むかしのひとも うたがすっ)
 (自唱)(大和の国の 歌た偲ばれっ) (やまとのくにの うたしのばれっ)

 三歳児も 誕生祝い 歌と出せっ   (みっつごも たんじょゆえい うとだせっ)
 (自唱)(子守歌をば 聞て覚え居っ)     (こもりうたをば きておぼえちょっ)

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令和2年10月号  兼題 「スマホ」 (すまほ)
 (天位) 爺も婆も スマホい慣れっ 必需品  (じもばばも スマホいなれっ ひつじゅひん)   
(唱)(老化防止い 時代ゆ先取い) (ろおかぼおしい じだゆさっどい)

 外国も 近所い変えた スマホ時代  (がいこっも きんじょいかえた スマホじで)    
(唱)(世界の事が 直き分かっ) (せかいのこっが たっちきわかっ)

ゲームしっ スマホで遊っ 暇つぶし   (ゲームしっ スマホであすっ ひまつぶし)
 (自唱)(時間つぶしも 便利なスマホ (じかんつぶしも べんりなスマホ)

 見映えん良 高価かスマホが きし威張っ   (みばえんえ たっかスマホが きしいばっ)
 (自唱)(仕事ちゃ一緒で 安しとが便利)     (しごちゃいっしょで やしとがべんり)

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令和2年9月号  兼題 「叱っ」 (がっ)
 焼酎ん量を 減がめち叱って 亭主しゅ出せっ  (しょちゅんりょを へがめちがって てしゅだせっ)   
(唱)(喧ろしゅ言とも 奥方ん愛情) (やじぇろしゅゆとも おかたんぼんの)

 助産師は 叱って産婦を 励ませっ  (じょさんしは がってさんぷを はげませっ)    
(唱)(しっかいしてち 大声で気合) (しっかいしてち うごえできあい)

叱いながら 爺さんな九九を 教せっ   (がいながら じさんなくくを ゆっかせっ)
 (自唱)(歌ん調子で 慣れて覚えにゃ (うたんちょうしで なれておぼえにゃ)

 叱った良が 暴力く使こと 罪になっ   (がったえが ぼうりょくつこと つんになっ)
 (自唱)(打てて良くなる 指導は無かど)     (たててよくなる しどうはなかど)

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令和2年8月号  兼題 「夏休ん」 (なっやすん)
(地位) 夏休ん 涼し北国に 旅ぶ思っ  (なっやすん すずしきたくに たぶおもっ)   
(唱)(貧乏暮らしな 叶もせん夢) (びんぶぐらしな かのもせんゆめ)

 宿題ゆば せえち子を叱っ 夏休ん  (しゅくだゆば せえちこをがっ なっやすん)    
(唱)(油断ぬすれば 遊びはっ出っ) (ゆだんぬすれば あそびはっでっ)

病気いも 夏休ん言が 欲しち医者   (やんめいも なっやすんちゅが ほしちいしゃ)
 (自唱)(休んが無かた 覚悟しっ来っ (やすんがなかた かっごしっきっ)

 夏休ん 親は仕事で 子あ遊っ   (なっやすん おやはしごっで こああそっ)
 (自唱)(宿題ゆ出っ 学校は休ん)     (しゅくだいゆでっ がっこはやすん)

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令和2年7月号  兼題 「土産」 (みやげ)
(地位) 長旅の 無事じ帰ったが 良か土産  (ながたっの ぶじもどったが よかみやげ)   
(唱)(ただいまん声へ 心配も吹っ飛っ) (ただいまんこえ せわもふっつっ)

 餞別ちな 欲しか土産を 書て添えっ  (せんべちな ほしかみやげを けてそえっ)    
(唱)(そゆば買かてな 凄いか難儀) (そゆばこかてな わざいかなんぎ)

コロナ騒動 土産が要らん 近場べ旅行   (コロナそど みやげがいらん ちかべたっ)
 (自唱)(遠か旅行にな 土産も要んで (とおかたっにな みやげもいんで)

 桜島 土産は太か 桜島大根   (さくらじま みやげはふとか しまでこん)
 (自唱)(我が頭よか 太かと提げっ) (わがびんたよか ふとかとさげっ)

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令和2年6月号  兼題 「嘘」 (うそ)
(天位) 末期癌 元気を遣ろち 苦し嘘  (まっきがん げんきをやろち くるしうそ)   
(唱)(大丈夫じゃっち 患者じぇ寄い添っ) (だいじよっじゃっち かんじぇよいそっ)

 選挙戦 嘘と夢とを 混ぜたくっ  (せんきょせん うそとゆめとを まぜたくっ)    
(唱)(出来ん公約く 並べっ叫っ) (でけんこうやく ならべっおらっ)

案山子をば 嘘ち知たんじ 鳥や逃げっ   (かかしをば うそちしたんじ とやにげっ)
 (自唱)(良う出来居って 人間とそっくい (ゆうでけちょって ひととそっくい)

 夜尿症 雨が降ったち 幼児が嘘   (ひっかぶい あめがふったち ちびせがうそ)
 (自唱)(濡れた布団な 干せば乾っで) (ぬれたふとんな ほせばかわっで)

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令和2年5月号  兼題 「連休」 (れんきゅ)
(天位) 遊っ事ち 慣れん爺婆べな 疲せ連休  (あそっこち なれんじばべな てせれんきゅ)   
(唱)(何処を歩りてん 人手が多こし) (どこをさりてん ひとでがうこし)

 疲れとけっ 欠伸だらだら 連休明け  (だれとけっ あくっだらだら れんきゅあけ)    
(唱)(会社い行たっ 机で昼寝) (かいしゃいいたっ つくえでひんね)

コロナ騒動 長げ連休で 将来が心配   (コロナそど なげれんきゅうで さっがせわ)
 (自唱)(学力不足 無如っ頑張らにゃ (がくりょくふそっ ねごっきばらにゃ)

 連休いも 休んも取れん 職き頑張っ   (れんきゅいも やすんもとれん しょききばっ)
 (自唱)(天職じゃっで 精一杯ぺ働れっ) (てんしょっじゃっで せっぺはたれっ)

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令和2年4月号  兼題 「祝」 (ゆえ)
(地位) 百歳越えた 祖父ん葬式きゃ 祝いなっ  (ひゃくこえた ととんそうしきゃ いわいなっ)   
(唱)(大往生じゃっち 孫やあ曾孫) (だいおうじょじゃち まごやあひまご)

 退院の 祝じゃち友達が 焼酎と来っ  (たいいんの ゆえじゃちどしが しょちゅときっ)    
(唱)(医者が怖じで 飲んだた一杯) (せんせがおじで のんだたいっぺ)

観光船 乗っ時きゃ祝で 地獄きなっ   (かんこせん のっときゃゆえで じごきなっ)
 (自唱)(コロナ騒動は 出口が見えじ (コロナそうどは でぐっがみえじ)

 爺ん喜寿い 子孫十人 嬉し祝   (じんきじゅい こまごじゅうにん うれしゆえ)
 (自唱)(百歳迄い生きっ また祝えすっど) (ひゃっずいいきっ またゆえすっど)

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令和2年3月号  兼題 「嬉し」 (うれし)
(人位) 茶柱が 立ったち嬉し 老夫婦  (ちゃばしたが たったちうれし おんじょみと)   
(唱)(何か良か事 有ろそな予感) (ないかよかこっ あろそなよかん)

 八十五歳 寝込んもせんじ 嬉し日々  (はっじゅうご ねこんもせんじ うれしひび)    
(唱)(健しか五体を 親へ感謝しっ) (さかしかごてを おへかんしゃしっ)

合格たど 孫ん電話が 嬉し声   (うかったど まごんでんわが うれしこえ)
 (自唱)(そん声を聞っ 若こなった爺父 (そんこえをきっ わこなったじじ)

 元気ねち 手紙ぬくれた 嬉し友人   (げんきねち てがんぬくれた うれしどし)
 (自唱)(喧嘩もしたが 優し心根) (けんかもしたが やさしこころね)

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令和2年2月号  兼題 「可愛ぜ」 (もぜ)
(地位) 女子ゴルフ 若け娘が臍を 出て歩っ  (じょしゴルフ わけこがへそを でてさるっ)   
(唱)(競技よっかも そゆ見け行っ爺) (きょうぎよっかも そゆみけいっじ)

 小児科医い 泣てん笑るてん 可愛ぜ子供   (しょうにかい ねてんわるてん もぜこどん)    
(唱)(老院長も 笑顔で診察) (おおせんせいも えごでしんさつ)

米寿祝 爺さんも嬉し 可愛ぜ頭巾   (とかっゆえ じさんもうれし もぜずきん)
 (自唱)(若こなったよち 皆が笑っ (わこなったよち みんながわるっ)

 初参い 可愛ぜ手を叩っ 幸福く願っ   (はっまいい もぜてをたてっ ふくねごっ)
 (自唱)(綺麗て着物べ着っ 笑顔が映っ) (みごてべべきっ えがおがはえっ)

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令和2年1月号  兼題 「夢」 (ゆめ)
(天位) お月様へ 遊び来っでち 夢で言っ  (おつっさへ あそびくっでち ゆめでゆっ)   
(唱)(金ぬば貯めっ ロケットん旅) (ぜんぬばためっ ロケットんたっ)

 特攻機 平和な娑婆い 夢を抱っ   (とっこうき へいわなしゃばい ゆめをでっ)    
(唱)(国やあ家族い 捧げた命) (くんやあけねい ささげたいのっ)

綺麗か着物い 夢をば包ん お宮参い   (よかいしょい ゆめをばつつん おみやめい)
 (自唱)(難わん夢は 神み頼んもそ) (かのわんゆめは かみたのんもそ)

 逃ぐい夢 手足しゃ適わじ 目が覚めっ   (にぐいゆめ てあしゃかのわじ めがさめっ)
 (自唱)(ああ夢じゃって 良かったち言っ) (ああゆめじゃって よかったちゆっ)

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