薩摩郷句と薩摩狂句
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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 鮫島爺児医 作 永徳天真 選
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平成27年7月号より選者は樋口一風先生へ変更
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慶田乱雲選薩摩狂句(医壇笑檀) 
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平成24年9月号より選者は津曲とっこ先生へ変更
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−薩摩郷句 平成30年度 目 次 −













 「歳暮」 (せぼ)   [平成30年12月号]

 「苦情」 (くじょ)   [平成30年11月号]

 「無理」 (むい)   [平成30年10月号]

 「友達」 (どし)   [平成30年9月号]

 「疲れ」 (だれ)   [平成30年8月号]

 「計算」 (さんにょ)   [平成30年7月号]

 「下手」 (へた)   [平成30年6月号]

 「カルテ」 (かるて)   [平成30年5月号]

 「服」 (ふっ)   [平成30年4月号]

 「道」 (みっ)   [平成30年3月号]

 「溜息」 (ういっ)   [平成30年2月号]

 「新け」 (にけ)   [平成30年1月号]

平成30年12月号  兼題 「歳暮」 (せぼ)
(天位) 歳暮も良が 元気な声が 欲しか父親 (せぼもえが げんきなこえが ほしかじじ)   
(唱)(偶けんで良で 顔どん見せち) (まねけんでえで つらどんみせち)

碁い負けっ 歳暮よち笑るっ 手を握っ  (ごいまけっ せぼよちわるっ てをにぎっ)    
(唱)(口じゃ褒めてん 心しゃ負け惜しん) (くっじゃほめてん ねしゃまけおしん)

不況でん 賑ぎゃけ所や 歳暮売場   (ふきょうでん にっぎゃけとこや せぼういば)
 (自唱)(出物ん腫れ物 所ろ嫌わず) (でもんはれもん ところきらわず)

何いすいか 歳暮ん季節ちな 忙し女房   (ないすいか せぼんきせちな せわしかか )
 (自唱)(ちらしを見たい 本ぬ読んだい) (ちらしをみたい ほんぬよんだい)

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平成30年11月号  兼題 「苦情」 (くじょ)
(地位) 叩っ売い 疵があってん 言難き苦情 (たたっうい きしがあってん ゆにきくじょ)   
(唱)(安す買た品っで こげなもんじゃろ) (やすこたたっで こげなもんじやろ)

深け草地い 手入れが悪いち 下手が苦情  (ふけらふい ていれがわりち へたがくじょ)    
(唱)(其処け打ったとが 悪いち思わじ) (そけうったとが わいちおもわじ)

降灰い苦情を 言てん知たん態 桜島   (へいくじょを ゆてんしらんふ さくらじま)
 (自唱)(出物ん腫れ物 所ろ嫌わず) (でもんはれもん ところきらわず)

地震台風 苦情どま越えた 凄ぜ被害   (なえうかぜ くじょどまこえた わぜひがい )
 (自唱)(自然の動きゃ 制御は出来じ) (しぜんのうごきゃ せいぎょはでけじ)

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平成30年10月号  兼題 「無理」 (むい)
(人位) 無理はせじ 楽しゅ暮らせっ 娑婆べ感謝 (むいはせじ たのしゅくらせっ しゃべかんしゃ)   
(唱)(なったごっじゃらち 悠々自適) (なったごっじゃらち ゆうゆうじてっ)

無理してん 勝って欲しとが 稀勢の里  (むいしてん かってほしとが きせのさと)    
(唱)(日本人の 横綱ね期待) (にっぽんじんの よこづねきたい)

受験校い 無理して入学れば 後も無理   (じゅけんこい むりしていれは あともむい)
 (自唱)(程々で良で 実力相応) (てげてげでえで じつりょくそうおう)

晩酌は 無理せん程が 良か薬   (だいやめは むりせんしこが よかくすい )
 (自唱)(量をば決めっ 守れば無難) (りょうおばきめっ まもればぶなん)

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平成30年9月号  兼題 「友達」 (どし)
(人位) 朝刊に 友達の名が無か 先き捲っ (ちょうかんに どしのながねか さきめくっ)   
(唱)(こん歳しなれば 目は訃報欄) (こんとしなれば めはふほうらん)

夫婦喧嘩 飲んけ出たなあ 友達も居っ  (みとけんか のんけでたなあ どしもおっ)    
(唱)(ないよ君もか 言て梯子酒) (ないよわいもか ちゅてはしござけ)

ゴルフ友達 仲あ良かどん 勝負じゃ敵   (ごるふどし なかあよかどん しょっじゃてっ)
 (自唱)(勝った負けたで 楽しく廻わっ) (かったまけたで たのしくまわっ)

友達が逝っ 次ぎゃ俺じゃろち 墓ん掃除   (どしがいっ つぎゃおいじゃろち はかんそっ )
 (自唱)(順番な無が 確率ちゃ高けで) (じゅんばんなねが かくりちゃたけで)

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平成30年8月号  兼題 「疲れ」 (だれ)
(地位) 疲れたとは 言わじ姑ん 肩を揉ん (だれたとは ゆわじしゅうとん かたをもん)   
(唱)(ニコニコ笑るっ 優しか嫁御) (にこにこわるっ やさしかよめじょ)

疲るっ程 仕事ちゃ授らん 老医者  (だるっしこ しごちゃまわらん おんじょいしゃこくゆうち さんにょんとおい やすでこっ)    
(唱)(買損ねた人達ん 小言が太となっ) (こそこねたしん ぐぜがふとなっ)

異動時期 身体は疲れんが 気が疲れっ   (いどうじき ごてはだれんが きだれしっ)
 (自唱)(上司や同僚め 気遣こっ挨拶) (じょうしやなかめ きづこっえさっ)

暑さ疲れ ゆっくい昼寝 薬い成っ   (あっさだれ ゆっくいひいね くすいなっ )
 (自唱)(お客が増えっ 会社は笑顔) (おきゃっがふえっ かいしゃはえがお)

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平成30年7月号  兼題 「計算」 (さんにょ)
(1席) 計算しっ 決め方法が無とが 迎ん日 (さんにょしっ きめよがねとが むかえんひ)   
(唱)(両親ん歳す 越えてん元気) (ふたおやんとす こえてんげんき)

国有地 計算ん通い 安で買っ  (こくゆうち さんにょんとおい やすでこっ)    
(唱)(買損ねた人達ん 小言が太となっ) (こそこねたしん ぐぜがふとなっ)

親ん愛 計算すいにも 無か秤   (おやんあい さんにょすいにも なかちきい)
 (自唱)(海より深く 天より高い) (うみよりふかく てんよりたかい)

大谷が 計算を越えた 仕事つしっ   (おおたにが さんにょをこえた しごつしっ )
 (自唱)(お客が増えっ 会社は笑顔) (おきゃっがふえっ かいしゃはえがお)

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平成30年6月号  兼題 「下手」 (へた)
(人位) 乾杯の 下手はだらだら 長げ挨拶 (かんぱいの へたはだらだら なげえさっ)   
(唱)(冷えたビールも なま温るけなっ) (ひえたビールも なまぬるけなっ)

575ん 下手も長ごすりゃ 楽しゅなっ  (ごひちごん へたもなごすりゃ たのしゅなっ)    
(唱)(新聞に載っ 本も出版) (しんぶんにのっ ほんもしゅっぱん)

下手言どん ホールインワン 今日も狙ろっ   (へたちゅどん ホールインワン きゅもねろっ)
 (自唱)(まぐれまぐれ言があっ 狙ろて打たんにゃ) (まぐれちゅがあっ ねろてうたんにゃ)

下手な歌 上手ち褒めたや また歌っ   (へたなうた じょしちほめたや またうとっ )
 (自唱)(歌と居い本人は 自己流で笑顔) (うとちょいぬしは じこりゅうでほっ)

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平成30年5月号  兼題 「カルテ」 (かるて)
(天位) 紙切れん カルテい聞けば 返事ずばしっ  (かんぎれん カルテいきけば へずばしっ)   
(唱)(手書っのメモい 詳し症状) (てがっのメモい くわししょうじょう)

 古りカルテ 昔しょ思め出っ にっ笑るっ  (ふりカルテ むかしょおめでっ にっわるっ)    
(唱)(開業ん頃ん 汗と涙い) (かいぎょんころん あせとなんだい)

手書きした カルテも今じゃ キーボード   (てがきした カルテもいまじゃ キーボード)
 (自唱)(手書の文字にゃ 気持っが出居っ) (てがっのもじにゃ きもっがでちょっ)

 似ちょってん 内容な全然 違ごカルテ   (にちょってん なかんながらっ ちごカルテ )
 (自唱)(患者も違えば 病気も違っ) (ひともちごえば あんべもちごっ)

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平成30年4月号  兼題 「服」 (ふっ)
(天位) 高価け服が 帽子じゃ靴じゃち 小言を言っ  (たけふっが ぼしじゃくっじゃち ぐぜをゆっ)   
(唱)(廉しとじゃ駄目ち 買た一揃い) (やしとじゃぼっち こたひとそろい)

 良か服の ボタンが開ちょっ 恥ね爺  (よかふっの ボタンがえちょっ けんねじじ)    
(唱)(良か仲間が居っ 恥ずかかじ済ん) (よかどしがおっ はずかかじすん)

新け服くば 態っ破って 流行い言っ   (にけふくば わざっやぶって はやいちゅっ)
 (自唱)(流行い乗ったや 祖父い叱られっ) (はやいのったや とといがられっ)

 服か無して 着物で通た 戦時中   (ふかのして きもんでかよた せんじちゅう )
 (自唱)(欲しがりません 勝つまでは言っ) (ほしがりません かつまではちゅっ)

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平成30年3月号  兼題 「道」 (みっ)
(人位) 医者ん道つ 迷わじ歩っ 後悔は無し  (いしゃんみつ まよわじさるっ くけあのし)   
(唱)(難儀したどん 此いが天職) (なんぎしたどん こいがてんしょっ)

 山ん中け 道が出来たや 町ちけなっ  (やまんなけ みっがでけたや まちけなっ)    
(唱)(コンビニなんだ アッ言うめ建つ) (コンビニなんだ アッちゅめたっ)

目の前い 新道が出来っ 遠回い   (めのまえい しんどがでけっ とおまわい)
 (自唱)(横断歩道が 凄いと遠なっ) (おうだんほどが ごいととおなっ)

 分かれ道っ 選っ方でな 先きゃ大違げ   (わかれなっ えらっかたでな さきゃうちげ )
 (自唱)(どこを選っか 進学が大事) (どこをえらっか しんがっがでじ)

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平成30年2月号  兼題 「溜息」 (ういっ)
(人位) 四人目も 男児じゃ無して 出た溜息 (よにんめも おとこじゃのして でたういっ)   
(唱)(恵いかも言て 五人目を待つ) (のさいかもちゅて ごにんめをまっ)

 白鵬に またかの溜息 泣っ国技  (はくほうに またかのういっ なっこくぎ)    
(唱)(張手かち上げ 汚ね相撲) (はいてかちあげ きっしゃねすもう)

教せた 山が出たとい X ち溜息   (いっかせた やまがでたとい バちういっ)
 (自唱)(山が分かれば 成績か上がっ) (やまがわかれば せいせかあがっ)

 遅れたが 汽車も遅れっ 吐た溜息   (おくれたが きしゃもおくれっ ちたういっ )
 (自唱)(泊まらじ済んで 遅れに感謝) (とまらじすんで おくれにかんしゃ)

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平成30年1月号  兼題 「新け」 (にけ)
(人位) 打ち初めで ロストいなけた 新けボール (うっぞめで ロストいなけた にけボール)   
(唱)(ホワー言た時きゃ 山め飛で行たっ) (ホワーちゅたときゃ やめつでいたっ)

 新米は 神棚ね先きち 爺が叱っ  (にかこめは かんだねさきち じがくるっ)    
(唱)(農家ん苦労と 神様へ感謝) (のうかんくろと かんさへかんしゃ)

新けよっか 慣れたとが良か 我が枕   (にけよっか なれたとがよか わがまくら)
 (自唱)(高さ硬さで 慣れたとが良し) (たかさかたさで なれたとがゆし)

 転姿娘が 新か着物着たや 優しゅし   (いなばごが にきべべきたや しおらしゅし )
 (自唱)(むーどが合えば 大人し良か娘) (ムードがあえば おとなしよかこ)

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