薩摩郷句平成27年度用
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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慶田乱雲選薩摩狂句(医壇笑檀) 
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−薩摩郷句 平成28年度 目 次 −

「来年」 (でねん)   [平成28年12月号]

「耳」 (みん)   [平成28年11月号]

「聴診器」 (ちょうしんき)   [平成28年10月号]

「喧し」 (せからし)   [平成28年9月号]

「花火」 (ひゃなっ)   [平成28年8月号]

「突然」 (ひょかっ)   [平成28年7月号]

「口紅」 (すばべん)   [平成28年6月号]

「指輪」 (いっがね)   [平成28年5月号]

  「ランドセル」 (ランドセル)   [平成28年4月号]

 「試験」 (しけん)   [平成28年3月号]

「偏屈」 (へんこっ)  [平成28年2月号]

「優し」(しおらし)   [平成28年1月号]

平成28年12月号  兼題 「来年」 (でねん)
(天位) 来年どま 来年どま言て 年しゃ暮れっ(でねんどま でねんどまちゅて としゃくれっ)   
(唱)(思もばっかいで また先送い) (おもばっかいで またさっおくい)

受験生い 来年な無どち 頑張らせっ  (じゅけんせい でねんなねどち きばらせっ)    
(唱)(三浪あ駄目ち 家族中で発破) (さんろあぼっち けねじゅではっぱ)

ノーベル賞 来年も欲しか 日本人  (ノーベルしょ でねんもほしか にほんじん)
 (自唱)(世界い芽が出た 日本人じゃっ) (せかいめがでた にほんじんじゃっ)

また来年 ホールインワン 遠か夢   (またでねん ホールインワン とおかゆめ )
 (自唱)(頻回と頑張れば 偶然もあんそ) (はいときばれば まぐれもあんそ)

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平成28年11月号  兼題 「耳」 (みん)
(人位) 膝枕れ 耳ぬ任せた甘えごろ(ひざまくれ みんぬまかせた あまえごろ)   
(唱)(ふっくらん肌で うっといとしっ) (ふっくらんはで うっといとしっ)

押し売ゆば 耳が遠えでち 上手じ逃げっ  (おしうゆば みんがとえでち じょしにげっ)    
(唱)(聞こえん真似で 婆あ一芝居) (きこえんまねで ばあひとしばい)

耳が良で 覚えも良たろ 全部丸  (みんがえで おぼえもえたろ ずるっまる)
 (自唱)(DNAよち 法螺吹っ威張っ) (ディエヌエーよち ほらふっいばっ)

良か耳に 穴どん開けっ 痛て飾い   (よかみんに あなどんあけっ いてかざい )
 (自唱)(飾いは不要ん 良か娘子じゃって) (かざいはいらん よかおごじゃって)

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平成28年10月号  兼題 「聴診器」 (ちょうしんき)
(天位) 最後です 言かたが切ね 聴診器(さいごです ゆかたがせっね ちょうしんき)   
(唱)(遣い限い遣っ 後悔は無かどん) (やいかぎいやっ くげはなかどん)

懐で 温めっ当てご 聴診器  (ふとこいで ぬっめっあてご ちょうしんき)    
(唱)(冷てなかごっ 気配いもしっ) (ちんてなかごっ きくばいもしっ)

診いよっか 先き検査をち 若か医者  (みいよっか さきけんさをち わっかいしゃ)
 (自唱)(検査結果で 又検査をち) (けんさけっかで またけんさをち)

古いかどん 慣れたとが良か 聴診器   (ふいかどん なれたとがよか ちょうしんき )
 (自唱)(古女房と 似た様な物じゃ) (ふるにょうぼうと にたよなもんじゃ)

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平成28年9月号  兼題 「喧し」 (せからし)
(地位) 喧しか 爺の声聞けん 寂し通夜(せからしか じのこえきけん さびしつや)   
(唱)(諭す言葉が まだ耳み残っ) (さとすことばが まだみみのこっ)

  稀勢の里 喧し周囲い 堪えきっ  (きせのさと せからしぐるい こらえきっ)    
(唱)(次が横綱ち 出っ来た希望) (つがよこづなち でっきたきぼう)

イギリスじゃ 勝った選挙で 喧しゅし  (イギリスじゃ かったせんきょで せがらしゅし)
 (自唱)(EU離脱ちゃ 大騒動でなっ) (イーユーりだちゃ うそでなっ)

自爆テロ 喧し所ゆ 狙っ実行   (じばくテロ せからしとこゆ ねろっやっ )
 (自唱)(騒動が太となる 所を狙っ) (そどがふとなる ところをねろっ)

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平成28年8月号  兼題 「花火」 (ひゃなっ)
(地位) 花火ぎな 俺も負けんち 桜島も噴っ(ひゃなっぎな おいもまけんち やまもひっ)   
(唱)(傍迷惑な 凄ざい灰を撒っ) (はためいわっな わざいへをめっ)

夏の夜ん 線香花火が 懐かしゅし  (なつのよん せんこひゃなっが なつかしゅし)    
(唱)(里ん番台と 光と匂えと) (さとんばんこと ひかいとにえと)

空い咲た しだれ柳の 七変化  (そらいせた しだれやなっの ななへんげ)
 (自唱)(咲たと思たや 子孫迄) (せたとおもたや こまごずい)

多け人い 涼んもならん 花火大会   (うけひとい すずんもならん ひゃなっかい )
 (自唱)(人見け来たじゃ 無か言て帰っ) (ひとみけきたじゃ なかちゅてもどっ)

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平成28年7月号  兼題 「突然」 (ひょかっ)
(天位) 山手線 田舎ん友人と 突然会っ(やまてせん いなかんどしと ひょかっおっ)   
(唱)(貴様や何事よ 出た鹿児島語) (わやないごっよ でたかごいまご)

野天風呂れ 突然娘が 入っ来っ  (のてんぶれ ひょかっおごじょが はいっきっ)    
(唱)(驚ったとあ 内気者ん青年) (たまがったとあ いめごろんにせ)

長げ鼾 突然止んだや 心配いなっ  (なげいびっ ひょかっやんだや せわいなっ)
 (自唱)(呼吸停止ん 話す思め出し) (こきゅうていしん はなすおめだし)

地震ん奴 突然やっ来て 凄ぜ暴れ   (なえんわろ ひょかっやっきっ わぜあばれ )
 (自唱)(津波も来れば 逃げ場所は無かど) (つなんもくれば にげばはなかど)

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平成28年6月号  兼題 「口紅」 (すばべん)
(地位) 転婆娘も 口紅が欲し 年齢しけなっ(いなばごも すばべんがほし としけなっ)   
(唱)(あっち言う間い 出てきた色気) (あっちいうまい でてきたいろけ)

口紅な 大人せ成った娘ん 証じゃろ  (すばべんな おせなったこん あかしじゃろ)    
(唱)(やっぱい女 綺麗れなろごちゃっ) (やっぱいおなご きれなろごちゃっ)

口紅な 分からん程ん 美人の奥様  (すばべんな わからんひこん シャンのごじゅ)
 (唱)(地味い塗ってん センスが光っ) (じみいぬってん センスがひかっ)

口紅な 出所いよって 値が上がっ   (すばべんな でどこいよって ねがあがっ )
 (自唱)(フランス産んにゃ 吃驚い値じゃっ) (フランスさんにゃ たまがいねじゃっ)

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平成28年5月号  兼題 「指輪」 (いっがね)
(人位) 指輪を 燃えた心ん 証ししっ(いっがねを もえたこころん あかししっ)   
(唱)(確いすうち 気を引き締めっ) (しっかいすうち きをひきしめっ)

指輪あ 値切っちゃ駄目ち 叱い売い子  (いっがねあ ねぎっちゃだめち がいういこ)    
(唱)(縁起が悪いち 娘が説経) (えんぎがわいち おごがせっきょう)

円高で 安し指輪を 土産げ買っ  (えんだかて やしいっがねを みやげこっ)
 (自唱)(免税店じゃ 売れっ物いなっ) (めんぜいてんじゃ うれっこいなっ)

指輪で 家が建とそな 太てダイヤ   (いっがねで いえがたとそな ふてダイヤ )
 (自唱)(寛一お宮 何処いでもあっ) (かんいちおみや どこいでもあっ)

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平成28年4月号  兼題 「ランドセル」 (ランドセル)
(天位) ランドセル 中じゃスマホが 威張っ居っ(ランドセル なかじゃスマホが いばっちょっ)   
(唱)(時代が違ごち爺もけ驚っ) (じだいがちごち じもけたまがっ)

ランドセル 未来の夢が 詰まっちょっ  (ランドセル みらいのゆめが つまっちょっ)    
(唱)(親ん夢ずい 上乗せをしっ) (おやんゆめずい うわのせをしっ)

ランドセル 猫い宛ごっ 遊び出っ  (ランドセル ねこいあてごっ あそびでっ)
 (自唱)(勉強よっかい 遊び優先) (べんきょよっかい あそびゆうせん)

ランドセル 戦時中をば 思め出せっ   (ランドセル せんじちゅうをば おめだせっ )
 (自唱)(雨ん濡るれば 形も崩れっ) (あめんぬるれば かたもくずれっ)

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平成28年3月号  兼題 「試験」 (しけん)
(人位) ロケットが 厳しテストい 合格っ飛っ(ロケットが きびしテストいうかっつっ)   
(唱)(念にな念の 日本の技術) (ねんになねんの にほんのぎじゅっ)

試験ぬば すっち言わんと せん勉強  (しけんぬば すっちゆわんと せんべんきょ)    
(唱)(怠け者いな 良か薬いなっ) (なまけごろいな よかくすいなっ)

丸暗記 試験にゃ出らじ 役きな立っ  (まるあんき しけんにゃでらじ やきなたっ)
 (自唱)(十八番になって ペラペラ詠っ) (おはこになって ペラペラうとっ)

怖え試験 実力があれば 要らん心配   (こえしけん ちからがあれば いらんせわ )
 (自唱)(丸を貰ろまじゃ 続っ心配事) (まなるをもろまじゃ つづっせわごっ)

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平成28年2月号  兼題 「偏屈」 (へんこっ)
(人位) 偏屈爺 機嫌の悪い時か 焼酎が効っ(へんこっじ ごっがわいとか しょちゅがきっ)   
(唱)(そいが目当てで 横ごをば言っ) (そいがめあてで よんごをばゆっ)

偏屈者も 女房ん前でな 真面めなっ  (へんこっも かかんまえでな まとめなっ)    
(唱)(惚れた弱味で 頭が上がらんじ) (ほれたよわんで づがあがらんじ)

偏屈な 北も中国き 笑顔で寄っ  (へんこっな きたもちゅうごき えごでよっ)
 (自唱)(世界相手でな 笑顔なだ見せじ) (せかいえてでな えごなだみせじ)

偏屈爺 孫ん守いしな 優しなっ   (へんこっじ まごんもいしな やさしなっ )
 (自唱)(罪んの無孫は 可愛してならじ) (つんのねまごは むぞしてならじ)

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平成28年1月号  兼題 「優し」 (しおらし)
(地位) 転婆娘も 着物で優しゅ 宮へ参っ (いなばごも べべでしおらしゅ みへまいっ)   
(唱)(内股て歩りっ 大人せなった所作) (うっまてさりっ おせなったしょさ)

頑固爺が 優しゅなれば  心配な家族  (がんこじが しおらしゅなれば せわなけね)    
(唱)(何か病気じゃ なかかち思っ) (ないかやんめじゃ なかかちおもっ)

受験生 優しゅ祈っ 神籤ず引っ  (じゅけんせい しおらしゅいのっ みくずひっ)
 (自唱)(神籤よっかい 努力が先じゃ) (みくじよっかい どりょっがさっじゃ)

予防注射 優しゅすれば 痛とあ無し   (よぼちゅうしゃ しおらしゅすれば いとあのし )
 (自唱)(何んですっとか 理由を先き言っ) (なんですっとか わけをさきゆっ)

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