薩摩郷句 
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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− 薩摩狂句 平成25年度 目 次 −

「用事」(ゆし)   [平成25年12月号]

「暗れ」(くれ)   [平成25年11月号]

「平常」(かねっ)   [平成25年10月号]

「欠伸」(あくっ)   [平成25年9月号]

「頭」(びんた)   [平成25年8月号]

「花火」(はなび)   [平成25年7月号]

「後悔」(くけ)   [平成25年6月号]

「遠慮」(えんりょ)   [平成25年5月号]

「精一杯」(せっぺ)   [平成25年4月号]

「懐」(つくら)   [平成25年3月号]

「可愛ぜ」(むぜ)   [平成25年2月号]

「辛れ」(つれ)   [平成25年1月号]













平成25年12月号  兼題 「用事」 (ゆし)

(人位)
 友達と飲ん 用事しゃけ忘れっ 朝帰い  (どしとのん ゆしゃけわすれっ あさもどい)
(唱)(土下座ん亭主ん 哀れな恰好) (どげざんととん あわれなかっこ)

(秀作)客引っも 爺様にゃ用事しゃ無 尻ゆ向けっ (きゃっびっも じさまにゃゆしゃね しゆむけっ)
(唱)(爺児医を見逃すよじゃ 修業が足らんど) (じじいをみのがすよじゃ しゅぎょがたらんど)

用事しゃ無どん 会て語ろごちゃ 同窓会   (ゆしゃねどん おてかたろごちゃ どうそかい)
 (唱)(久方振い逢っ 話が賑ん) (さしかぶいおっ はなしがはずん)

出来た同士 仲人ちょ頼ん 用事で訪っ  (でけたどし なかだちょたのん ゆしできっ)
 (唱)(挙式く急がんと 児が産るっで) (しくいそがんと こがうまるっで)

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平成25年11月号  兼題 「暗れ」 (くれ)

(人位)
 暗れ娑婆い 元気をくれた イプシロン  (くれしゃばい げんきをくれた イプシロン)
(唱)(宇宙い一番 近けた鹿児島) (うちゅいいっばん ちけたかごっま)

(秀作)暗れ顔も 見せじ飛で逝た 特攻隊 (くれつらも みせじつでいた とっこたい)
(唱)(親も家族にも 憎き戦争) (おやもけねにも にきいっさ)

暗れ晩に 肝試しょした 少年け頃   (くればんに きもだめしょした ちんけころ)
 (唱)(薩摩ん男は 肝が据っちょっ) (さつまんおとこは きもがすわっちょっ)

暗れ晩に 灯火管制ゆ 思め出せっ  (くればんに とうかかんせゆ おめだせっ)
 (唱)(ローソク点火っ 戦時中を思っ) (ローソクつけっ せんじちゅうをおもっ)

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平成25年10月号  兼題 「平常」 (かねっ)

(地位)
 優勝旗 平常の稽古が 実を結っ  (ゆうしょうき かねっのけこが みをむすっ)
(唱)(人並の稽古じゃ 金メダルは無理) (ひとなんのけこじゃ きんメダルはむり)

(秀作)平常せん 体操をしたや 腰すば痛っ (かねちゃせん たいそをしたや こすばやっ)
(唱)(軽り体操は 何処でん出来っ) (かりたいそうは どこでんでくっ)

平常ちゃせん 眼鏡ね掛けたや 転倒けっ   (かねちゃせん めがねかけたや はんとけっ)
 (唱)(度が合わじ 階段ぬ踏ん外っ) (どがあわじ かいだんぬふんはじっ)

肥満体いな 平常の食物ん 絡ん居っ  (メタボいな かねっのくもん からんじょっ)
 (唱)(脂肪物が 大好っじゃんで) (あぶらもんが だいすっじゃんで)

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平成25年9月号  兼題 「欠伸」 (あくっ)

(人位)
 坊さんな 欠伸ぶすい頃 鐘ね叩てっ 
(ぼうさんな あくぶすいころ かねたてっ)  
(唱)(鐘ん音で 吹っ飛だ欠伸)(かねんねで ふっつだあくっ)

(秀作)美人の娘 口も隠さじ 太て欠伸
(シャンのおご くっもかくさじ ふてあくっ)
(唱)(遊ってな良かが 嫁にゃお断り) (あそってなよかが よめにゃおことわり)

下手講義 欠伸ぶした言て 逆き叱っ
  (へたこうぎ あくぶしたちゅて ぎゃきがらっ)
 (唱)(学生の目が 輝い講義を)(がくせいのめが ひかいこうぎを)

講習会 欠伸びょ我慢って 点稼っ
  (こうしゅかい あくびょきばって てんかせっ)
 (唱)(免許をば 貰ろ為じゃっで)(めんきょをば もろためじゃっで)

固て話し 脳はけ疲れっ 欠伸ぶしっ
  (かてはなし のうはけだれっ あくぶしっ)
 (唱)(理解ろちすいが 脳が回らじ)(わかろちすいが のうがまわらじ)

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平成25年8月号  兼題 「頭」 (びんた)

(地位)
 堺界諍け 頭た冷やせっ 語い合え 
(さけいさけ びんたひやせっ かたいよえ)  
(唱)(役場ん地籍く 確認めっ) (やっばんちせく たしかめっ)

(秀作)後援会 頭た揃てん 票にゃ成らじ
(こえんかい びんたそろてん ひゅにゃならじ)
(唱)(座っ居っ人じゃ 役き立たじ) (すわっちょっしじゃ やきたたじ)

硬て頭 蚊も停まれんち 飛で逃げっ
  (かてびんた かもとまれんち つでにげっ)
 (唱)(硬て頭たにな 蚊も寄い付けじ) (かてびんたにな かもよいつけじ)

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平成25年7月号  兼題 「花火」 (はなひ、ひゃなっ)

(人位)
 太て花火 桜島が吃驚っ 灰で挨拶 
(ふてはなび しまがたまがっ へでえさっ)  
(唱)(花火び負けんじ 頑張ったもんせ) (はなびまけんじ きばったもんせ)

(秀作)職人の 腕を競ちょい 凄げ花火
(しょくにんの うでをせろちょい すげはなび)
(唱)(珍らし花火 空で舞っ) (めずらしひゃなっ そらでもっ)

飛だ花火 口っ迄開けっ 空を見っ
  (つだひゃなっ くっずいあけっ そらをみっ)
 (唱)(恋人じゃれば 情が褪めっ) (こいびとじゃれば じょがさめっ)

花火大会 派手い豪華い 金が飛っ
(はなびかい はでいごうかい ぜんがつっ)
 (唱)(金む使こた程 迫力があっ) (ぜむつこたひこ はくりょくがあっ)

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平成25年6月号  兼題 「後悔」 (くけ)

(天位)
 孝行言は 生きっ居い内ち 為にゃ後悔っ 
(こうこちゅは いきっちょいうち せにゃくけっ)  
(唱)(親思いの 偉か子い育えっ) (おやおもいの えらかこいおえっ)

(秀作)愛の鞭 言た体罰ちょば 今後悔っ
(あいのむっ ちゅたたいばちょば いまくけっ)
(唱)(叩てて技術が 伸びっ事ちゃ無か) (たててぎじゅっが のびっこちゃなか)

決めっから 後悔をすい様じゃ 未だ子供
  (きめっから くけをすいよじゃ まだこどん)
 (唱)(子供扱けい 何時もされ居い) (こどもあつけい いっもされちょい)

一打差で 負けっチョロをば 後悔け通えっ
(いちださで まけっチョロをば くけどえっ)
 (唱)(腕をば磨げっ 勝負び勝たな) (うでをばみげっ しょびかたな)

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平成25年5月号  兼題 「遠慮」 (えんりょ)

(秀作)
儲け話しゃ 乗らじ遠慮が 間違げ無し 
(もけばなしゃ のらじえんりょが まっげのし)  
(唱)(欲で失敗っ 多け衆が後悔っ)(よっでしくじっ うけしがくけっ)

同窓会 遠慮は要らじ 食て語っ
(どうそかい えんりょはいらじ くてかたっ)
(唱)(白髪頭で 昔しょば語っ) (しらがひんたて むかしょばかたっ)

気の優し 遠慮がっな娘 早よ嫁っ
  (きのやさし えんりょがっなこ はよいたっ)
 (唱)(いざ言時きゃ 芯な強かぞ) (いざちゆうときゃ しんなつよかぞ)

遠慮すい 礼儀も知らん 北朝鮮
(えんりょすい れいぎもしらん きたちょせん)
 (唱)(将来ちゃ潰るい 独裁政治) (やがちゃくずるい どくさいせいじ)

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平成25年4月号  兼題 「精一杯」 (せっぺ)

(人位)
良か看病 精一杯仕ってん 悔や残っ 
(よかかんびょ せっぺやってん くやのこっ)  
(唱)(厳し姑じゃが 優し嫁め恵さっ)(いみししゅとじゃが やさしよめのさっ)

転倒けっ 精一杯走れば 貰ろ拍手
(はんとけっ せっぺはしれば もろはくしゅ)
(唱)(頑張ったが言て 褒められっ) (きばったがちゅて ほめられっ)

歯痒い歳 精一杯塗ってん 残い皺
  (はがいとし せっぺぬってん のこいしわ)
 (唱)(何し程年す取ってん 女性じゃらい) (どしことすとってん おなごじゃらい)

表彰台 精一杯ん稽古が 報われっ
(ひょうしょだい せっぺんけこが むくわれっ)
 (唱)(メダルを胸い 晴れ姿) (メダルをむねい はれすがた)

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平成25年3月号  兼題 「懐」 (つくら)

(秀作)
熱が出っ 懐れ子を抱っ 医者しぇ走っ
(ねっがてっ つくれこをでっ いしぇはしっ)  
(唱)(爺児医んお蔭で げんきなっ) (じじいんおかげで げんきなっ)

パチンコい 懐具合はは 頭て無し
(パチンコい つくらぐあいは びんてのし)  
(唱)(家族ん暮らしが 狂る出けっ) (けねんくらしが くるてけっ)

外出ろごじゃが 淋し懐で 自宅で飲ん
  (でろごじゃが さびしつくらで やどでのん)
 (自唱)(持つごちゃっどん 手酌で我慢)(もつごちゃつどん てしゃっでがまん)

ボーナスは 懐れ馴染まじ 飛で逃げっ
(ボーナスは つくれなじまじ つでにげっ)
 (自唱)(行っ先きゃ確んと 決まっしも居っ) (いっさきゃちゃんと きまっしもちょっ)

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平成25年2月号  兼題 「可愛ぜ」 (むぜ)

(地位)
予防注射 代っくるそな 可愛ぜ赤子
(よぼうちゅしゃ かわっくるそな むぜあかご)  
(唱)(泣っ児を見れば 可哀相しゅなっ) (なっこをみれば ぐらしゅなっ)

(秀作)
可愛ぜ娘を 醜青年が娶ろっ 郷仲は騒動
(むぜおごを ぶにせがもろっ ごじゅはそど)  
(唱)(嫉妬の声が 郷中響っ) (しょのんのこえが ごじゅひびっ)

小児科医 元気を可愛か 子い貰ろっ
  (しょうにかい げんきをむぞか こいもろっ)
 (唱)(天職と思っ 楽し日を暮れっ) (てんしょっともっ たのしひをくれ)

可愛ぜ女房も メタボで体重計い 乗い通っ
(むぜかかも メタボでちきい のいどえっ)
 (唱)(少と痩せたち 言て喜くちょっ) (ちっとやせたち ゆてよろくちょっ)

可愛ぜ孫い 盆栽ゆ折られ 泣ちょい祖父
(むぜまごい ぼんさゆおられ ねちょいじじ)
 (唱)(知事賞ん松に 涙も出らん) (ちじしょんまつに なんだもでらん)

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平成25年1月号  兼題 「辛れ」 (つれ)

(地位)
ダウン症 辛れ態も見せじ 頑張い母親
(ダウンしょう つれふもみせじ きばいかか)  
(唱)(気丈な母親で 運の良か子) (きじょうなははで ふのよかこ)

(秀作)
精一杯した 看病も効かじ 辛れ別れ
(せっぺした かんびょもきかじ つれわかれ)  
(唱)(無常ん風ぜ吹っ 瞼を閉じっ) (むじょんかぜふっ まぶたをとじっ)

やっと慣れ 今から言時き 辛れ異動
  (やっとなれ いまからちゅとき つれいどう)
 (唱)(先生ゆば待っ 新天地) (せんせゆばまっ しんてんち)

借い相談 我がも赤字で 返事じゃ辛ろし
(かいそだん わがもあかじで へじゃつろし)
 (唱)(貸すごちゃあっどん 金が無し) (かすごちゃあっどん ぜんがのし)

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