薩摩郷句平成24年度用
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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−薩摩郷句 平成24年度 目 次 −

「毎日」(めにっ)   [平成24年12月号]

「悩ん」(なやん)   [平成24年11月号]

「茶碗」(ちゃわん)   [平成24年10月号]

「考げ」(かんげ)   [平成24年9月号]

「全部」(ずるっ)   [平成24年8月号]

「人相」(にんそ)   [平成24年7月号]

「物好っ」(ものずっ)   [平成24年6月号]

「匂」(かざ)   [平成24年5月号]

「名刺」(めいし)   [平成24年4月号]

「苦情」(くじょ)   [平成24年3月号]

「計算」(さんにょ)   [平成24年2月号]

「御馳走」(ごっそ)   [平成24年1月号]

[平成年25年1月号の兼題は「夫婦」(みと)、2月号は「湯気」(ほけ)です。

平成24年12月号  吟題 「毎日」(めにっ)

(入席)  神棚を 毎日拝んで 今があっ 
(かんだなを めにっおがんでいまがあっ)  
(唱)(そん真面目さん お蔭じゃったろ)
(そんまじめさん おかげじゃったろ)

 寝ちゃ起きっ 三度も食っ 毎日終ん 
(ねちゃおきっ さんどもたもっ めにっすん)  
(自唱)(トラブルも無か 平和な毎日)
(トラブルもなか へいわなめにっ)

 朝ドラは 毎日の日課け 成っしもっ 
(アサドラは めにっのにっけ なっしもっ)  
(自唱)(良か場面でな また明日じゃっ)
(よかばめんでな またあしたじゃっ)

 新聞も 見所や毎日 決まっ居っ 
(しんぶんも みどこやめにっ きまっちょっ)  
(自唱)(死亡広告き いっき目が行っ)
(しぼうこうこき いっきめがいっ)

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平成24年11月号  吟題 「悩ん」(なやん)

(地位)  毛が抜けっ 悩んでみてん DNA 
(けがぬけっ なやんでみてん ディーエヌエ)  
(唱)(育毛剤も 捨て金じゃっ)
(いくもうざいも うっせぜんじゃっ)

 末期癌 隠そか言おか 悩ん医者 
(まっきがん かくそかゆおか なやんいしゃ)  
(唱)(告知ちゃ使命ち 腹をば括っ)
(こくちゃしめいち はらをばくくっ)

 太て鼾き 悩ん居っとに 平然たん 
(ふていびき なやんじょっとに しれったん)  
(自唱)(お互い様ち 平然っ返答)
(おたがいさまち しれっきしかえ)

 物忘れ 悩んでみてん そんた年齢 
(ものわすれ なやんでみてん そんたとし)  
(自唱)(呆けじゃ無か言て 悪事ちゃ忘れ)
(ぼけじゃなかちゅて わいこちゃわすれ)

 喜寿過ぎりゃ 悩んな捨てっ 元気出そ
(きじゅすぎりゃ なやんなすてっ げんきだそ)  
(自唱)(余生は明る 笑って歩こ)
(よせいはあかる わらってさるこ)

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平成24年10月号  吟題 「茶碗」(ちゃわん)

(入席)  茶柱が 茶碗に浮かっ 運を貰ろっ 
(ちゃばしたが ちゃわんにうかっ ふをもろっ)  
(唱)(湯を注がんな 只ん固て茎)
(ゆをそそがんな ただんかてくっ)

 良か茶碗 傷があってん 大事じ使こっ 
(よかちゃわん きしがあってん でじつこっ)  
(自唱)(柿右衛門が どうとか説明っ)
(かきうえもんが どうとかかえっ)

 良か茶碗 料理の味迄 引っ立てっ 
(よかちゃわん ずゅいのあっずい ひったてっ)  
(自唱)(乗った目刺も 背筋を伸てっ)
(のっためざしも せすじをたてっ)

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平成24年9月号  吟題 「考げ」(かんげ)

(人位)  知らん道ちゃ 考げじ聞っが 間違げ無し 
(しらんみちゃ かんげじきっが まっげなし)  
(唱)(そん為め口が 有っ言う事じゃ)
(そんためくっが あっちゅうこっじゃ)

 票ん為にゃ 考げあ違ごて 手を握っ 
(ひょんためにゃ かんげあちごて てをにぎっ)  
(唱)(見い方が恥ね 見苦し茶番)
(みいほがげんね みぐるしちゃばん)

 考げてん 計算が違ごと 句にゃならじ 
(かんげてん さんにょがちごと くにゃならじ)  
(自唱)(思め付きゃ良どん 字余計いは駄目)
(おめつきゃえどん じあまいはぼっ)

 子供と親ん 考げが違ごっ 爺の出番 
(ことおやん かんげがちごっ じのでばん)  
(自唱)(多え経験が 揉め事ちゃ終了)
(うえけいけんが もめごちゃおさめ)

 考げが無 言て怒っどん 済んだ後 
(かんげがね ちゅてがらっどん すんだあと)  
(自唱)(友達の勧誘で 買て見た馬券)
(どしのすすめで こてみたばけん)

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平成24年8月号  吟題 「全部」(ずるっ)

(地位)  通信簿 全部丸言て 爺が踊っ 
(つうしんぼ ずるっまるちゅて じがおどっ)  
(唱)(鼻高高ん 孫じゃち自慢)
(はなたかだかん まごじゃちじまん)

 原発を 全部止めてん 火種は残っ 
(げんはつを ずるっとめてん ひはのこっ)  
(唱)(知恵を出し合っ 切り替えん時期)
(ちえをだしおっ きりかえんとっ)

 レセプトは 全部点検らんと 後で後悔 
(レセプトは ずるっみらんと あとでくけ)  
(自唱)(病名漏れどま 恥ねこっじゃっ)
(びょめいもれどま げんねこっじゃっ)

 候補者は あちこち全部 手を握っ 
(こうほしゃは あちこちずるっ てをにぎっ)  
(自唱)(笑るて握れば 見方に見えっ)
(わるてにぎれば みかたにみえっ)

 全部して まとめがならん 民主党 
(ずるっして まとめがならん みんしゅとう)  
(自唱)(寄せ集めでな 意見も違っ)
(よせあつめでな いけんもちごっ)

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平成24年7月号  吟題 「人相」(にんそ)

(入選)  番犬な 人相でしかっ 仕分けしっ 
(ばんけんな にんそでしかっ しわけしっ)  
(唱)(怪しち見れば 吠ゆいも吠ゆい)
(あやしちみれば ほゆいもほゆい)

 手相よっか 人相ん占ね 分かい易し 
(てそよっか にんそんうらね わかいやし)  
(自唱)(人相が悪りと 子供も逃げっ)
(にんそがわりと こもにげっ)

 人相いな 人生歴が 書かれ居っ 
(にんそいな じんせいれっが かかれちょっ)  
(自唱)(人相で大概な 職種か分かっ)
(にんそでてげな しょかわかっ)

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平成24年6月号  吟題 「物好っ」(ものずっ)

(入選)  物好っな 爺様は御神籤じょ 溜めっ居っ 
(ものずっな じさまはみくじょ ためっちょっ)  
(唱)(どこで買たかも ノートい整理)
(どこでこたかも ノートいせいり)

 物好っな 買う気は無かて 店せ歩っ 
(ものずっな こうきはなかて みせさるっ)  
(自唱)(売い娘さんたち 貰ろ元気)
(ういこさんたち もろげんき)

 物好っな 孫ん本せえ 線ぬ引っ 
(ものずっな まごんほんせえ せんぬひっ)  
(自唱)(余計な事じゃち 息子い叱るわれっ)
(よけなこっじゃち こいくるわれっ)

 物好っの 趣味が若さを 養の居っ
(ものずっの しゅみがわかさを やいのちょっ)  
(自唱)(趣味が若さの 秘訣じゃろ)
(しゅみがわかさの  ひけっじゃろ)

 物好っな 雨が降ってん すいゴルフ 
(ものずっな あめがふってん すいゴルフ)  
(自唱)(友達が誘たち 先き走っ)
(どいがさそたち さきはしっ)

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平成24年5月号  吟題 「匂」(かざ)

(地位)  匂ぜ負けっ 休肝日どま け忘れっ
(かぜまけっ きゅうかんびどま けわすれっ)  
(唱)(都合次第で 臨機応変)
(つごうしだいで りんきおうへん)

(入選)  鰻ぐ焼っ 匂で覚んだ 腹ん虫
(うなぐやっ かざでおずんだ はらんむし)  
(唱)(グーち鳴ったで 鰻ぐ食おかい)
(グーちなったで うなぐくおかい)

 美人の娘 格好も良かが 匂も良か
(シャンのおご かっこもよかが かざもよか)  
(自唱)(育っの良さが 一目で分かっ)
(そだっのよさが ひとめでわかっ)

 化粧品 匂ん良かとは 値段が高こし 
(けしょうひん かざんよかとは ねがたこし)  
(自唱)(諭吉っ一人じゃ 足らん騒動事っ)
(ゆきっひといじゃ たらんそどごっ)

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平成24年4月号  吟題 「名刺」(めいし)

 初名刺 何言はならん 大人気分
(はつめいし なんちゅはならん おせきぶん)  
(唱)(責任感ぬ 肌で感じっ)
(せきにんかんぬ はだでかんじっ)

 角が丸り 名刺が増えっ 愚痴い女房
(かどがまり めいしがふえっ ぐぜいかか)  
(唱)(打っ捨もならじ 溜まっしもたや)
(うっせもならじ たまっしもたや)

 喜寿過ぎりゃ 名刺い年齢も 書こごちゃっ
(きじゅすぎりゃ めいしいとしも かこごちゃっ)  
(自唱)(兄貴分よち 鼻が高こなっ)
(あにきぶんよち はながたこなっ)

 思い出ん 名刺は今も 見て笑るっ 
(おもいでん めいしはいまも みてわるっ)  
(自唱)(一言メモが 生き居い名刺)
(ひとことメモが いきちょいめいし)

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平成24年3月号  吟題 「苦情」(くじょ)

 太て鼾 苦情も言えんじ 耳に栓
(ふていびっ くじょもゆえんじ みんにせん)  
(唱)(良う寝れたどち 皮肉どん言っ)
(ゆうねれたどち ひにくどんゆっ)

 地震津波 苦情は原発ち 向く変えっ
(なえつなん くじょはげんぱち むくかえっ)  
(唱)(住んがならんち 恐ろしか事故)
(すんがならんち おそろしかじこ)

 桜島 降灰苦情にゃ 不知振
(さくらじま こうはいぐじにゃ しれったん)  
(自唱)(頭を使こっ 資源にしゃんせ)
(びんたをつこっ しげんにしゃんせ)

 食物にな 苦情は無かった 戦時中 
(くもんには くじょはなかった せんじちゅう)  
(自唱)(餓じ餓じの 毎日ござした)
(ひもじひもじの めにっござした)

 高層ビル 日照権でな 高け苦情 
(ノッポビル にっしょけんでな たけくじょう)  
(自唱)(日陰になって 洗濯も駄目)
(ひかげになって せんたくもぼつ)

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平成24年2月号  吟題 「計算」(さんにょ)

(地位)  地震津波 計算を超えた 凄ぜ被害
(なえつなん さんにょをこえた わぜひがい)  
(自唱)(想定外ち 役人は逃げ)
(そうていがいち やくにんはにげ)

 計算どま 器械がすっち 出来ん九九
(さんにょどま きかいがすっち でけんくく)  
(自唱)(計算機 計算が出来ん 児童を増やけ)
(けいさんき さんにょがでけん こをあやけ)

 宇宙ん旅行 計算通りに 行て帰っ
(うちゅんたっ さんにょどおいに いてもどっ)  
(自唱)(計算違えば 人命ちゃ終了)
(さんにょちごえば いのちゃぼっ)

 高け飲代 無かザ―ビスも 計算にぇ付っ 
(たけのんで なかサービスも さんにぇちっ)  
(自唱)(只んお冷が 計算され居っ)
(ただんおひやが さんにょされちょっ)

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平成24年1月号  吟題 「御馳走」(ごっそ)

(地位) 御馳走様 そん一声が 嬉し女房
(ごっそさん そんひとこえが うれしかか)  
(唱)(出い料理やいっも 感謝して食っ)
(でいじゅやいっも かんしゃしてくっ)

 披露宴 御馳走をば先き 吟味しっ
(ひろうえん ごっそをばさき ぎんみしっ)  
(唱)(どうじゃこうじゃち始まっ評価)
(どうじゃこうじゃち はじまっひょうか)

 御馳走いも 産地をば聞っ 箸しょつけっ
(ごっそいも さんちをばきっ はしょつけっ)  
(自唱)(放射能どま 無かろかち心配)
(ほうしゃのうどま なかろかちせわ)

 団子飯が 御馳走じゃったよ 戦時中
(だごめしが ごっそじゃったよ せんじちゅう)  
(自唱)(食物があれば 運が良ち感謝)
(くもんがあれば ふがえちかんしゃ)

 晩酌にゃ 目刺があれは 御馳走じゃっ
(だいやめにゃ めざしがあれば ごっそじゃっ)  
(自唱)(薤と苦瓜で 飯どま要らじ)
(だっきゅとごいで めしどまいらじ)

 正月どま 御馳走どん食っ 寝っ過ごそ
(しょがっどま ごっそどんくっ ねっすごそ)  
(自唱)(車は渋滞 神社は行列っ)
(くいまはじゅたい じんしゃはなるっ)

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