薩摩狂句 : 鮫島爺児医作
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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 鮫島爺児医 作 永徳天真 選
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−薩摩狂句平成20年度 目 次 −

 
「景気」(けいき)   [平成20年12月号]

「小言」(こごっ)   [平成20年11月号]

「地震」(なえ)   [平成20年10月号]

「油虫」(あまめ)   [平成20年9月号]

「盆」(ぼん)   [平成20年8月号]

「最早」(もへ)   [平成20年7月号]

「家族」(けね)   [平成20年6月号]

「仲立」(なかだっ)   [平成20年5月号]

「辞令」(じれい)   [平成20年4月号]

「挨拶」(えさっ)   [平成20年3月号]

「冗談」(わやっ)   [平成20年2月号]

「夢」(ゆめ)   [平成20年1月号]

[平成21年度1月号は「本音」(ほんね)です。乞うご期待。












平成20年12月号  兼題 「景気」(けいき)

(入賞天位)
アメリカん 景気が世界ゆ 恐怖らせっ
(アメリカん けいきがせかゆ びびらせっ)  
(唱)(厄介なサブプライムローンじゃが)
(やっけなサブプライムローンじゃが)


 悪り景気 大事した株は 滅茶苦茶
(わりけいき でじしたかぶは ちんがらっ)  
(唱)(ごろいと裸け けなってしもっ)
(ごろいとはだけ けなってしもっ)

不景気にゃ 効っ薬も無 ウォール街
(ふけいきじゃ きっくすいもね ウォールがい) 
(唱)(能の無か死んだ 街けなっちょっ)
(ぬのなかしんだ まちけなっちょっ)

不景気で 心配なニュースが 増えっきっ
(ふけいきで せわなニュ−スが ふえっきっ) 
(唱)(ないもかも悪り 話ばっかい)
(ないもかもわり はなしばっかい)

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平成20年11月号  兼題 「小言」(こごっ)

(秀作)
窓際も 小言ちゃ我慢し 頑張らんにゃ
(まどぎわも こごちゃがまんし きばらんにゃ)  
(唱)(宴会なれば 部長様ござす)
(えんかいなれば ぶちょうさまごほざす)


 末っ娘が お下がや嫌ち 母親け小言っ
(すえっこが おさがやいやち かけこごっ)  
(唱)(またお下がいち 膨れ面)
(またおさがいち ふくれづら)

小言ちゃ無が 余命知りたい 癌末期
(こごちゃねが よみょうしりたい がんまっき) 
(唱)(知らない方が やすらぎますよ)
(しらないほうが やすらぎますよ)

連れ添って 五十路過ぎてん 多え小言っ
(つれそって いそじすぎてん うえこごっ) 
(唱)(性格きゃ容易す 直いもはんど)
(せいかきゃもやす なおいもはんど)

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平成20年10月号  兼題 「地震」(なえ)

(秀作)
鉄筋建築も 暴れ地震いな 滅茶苦茶
(てっきんも あばれなえいな ちんがらっ)  
(唱)(手抜き建築 じゃったとじゃろで)
(てぬっけんちっ じゃったとじゃろで)


 地震ん跡 凄せ吃驚っ  後咳し
(なえんあと すごせたまがっ あとぜっし)  
(唱)(言葉も出らん そん吃驚い様)
(ことばもでらん そんたまがいよ)

地震被害 聞けば 八六水害く 思め出せっ
(なえひがい きけばはちろく おめだせっ) 
(唱)(真実酷でもん ござしたどなー)
(まこっひでもん ござしたどなー)

地震ん騒動 離れ居ってん 心配な事
(なえんそど はなれちょってん せわなこっ) 
(唱)(いつか我が身ち 思えば震っ)
(いつかわがみち おもえばふるっ)

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平成20年9月号  兼題 「油虫」(あまめ)

(秀作)
厳し姑 油虫が出たち 殺気立っ
(いみしかか あまめがでたち さっきだっ)  
(唱)(天敵の如っ わぜ忌み嫌ろっ)
(てんてっのごっ わぜいみきろっ)


 飲食街 メタボ油虫が 威張っ居っ
(のみやがい メタボあまめが いばっちょっ)  
(唱)(居らんごっしっ そがらし飼ちょっ)
(おらんごっしっ そがらしこちょっ)

磯油虫 釣い天狗いな 大事されっ
(いそあまめ ついてんぐいな でじされっ) 
(唱)(餌が無料じゃっち 当いされちょっ)
(えさがただじゃっち たよいされちょっ)

大男が 油虫一匹き 恐恐い
(うおとこが あまめいっぴき おろおろい) 
(唱)(太てばっかいの うどの大木)
(ふてばっかいの うどのたいぼく)

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平成20年8月号  兼題 「盆」(ぼん)

(地位入賞)
迎え火も 淋しゅしなした 過疎ん郷里
(むかえびも さびしゅしなした かそんさと)  
(唱)(迎え火探し 霊魂しゃうろうろ)
(むかえびさがし たましゃうろうろ)

(秀作)
 盆三日 当番医には  希望者無し
(ぼんみっか とうばんいには ないてのし)  
(唱)(いけな患者が 来いか知れんじ)
(いけなかんじゃが くいかしれんじ)

盆が来にゃ 墓ん掃除どま 他人任せ
(ぼんがこにゃ はかんそっどま ひとまかせ) 
(唱)(こいじゃ心が 届っもはんど)
(こいじゃこころが とどっもはんど)

大魚じゃが 自慢な出来ん 盆の釣い
(たいぎょじゃが じまんなでけん ぼんのつい) 
(唱)(わぜ釣れたどん 盆じゃひけ目が)
(わぜつれたどん ぼんじゃひけめが)

お盆でん 神道じゃっ言っ 刺身ん食っ
(おぼんでん しんどじゃっちゅっ   さしんくっ) 
(唱)(都合ん良かごっ 解釈しもす)
(つごんよかごっ かいしゃくしもす)

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平成20年7月号  兼題 「最早」(もへ)

(地位入賞)
禁止めた焼酎 最早治癒なしたち 飲ん始っ
(やめたしょちゅ もへゆなしたち のんだせっ)  
(唱)(娑婆ん多か焼酎 飲ん終やせんが)
(しゃばんうかしょちゅ のんとやせんが)

(秀作)
 介護保険 最早不具合がきっ 補修し
(けごほけん もへがたがきっ こそくいし)  
(唱)(国の政治ん 盲点ござし)
(くにのせいじん もうてんござし)

最早着たち 新幹線ぬ  褒むい祖父
(もへちたち しんかんせんぬ ほむいとと) 
(唱)(日本がわっぜ 狭もなった言っ)
(にほんがわっぜ せもなったちゅっ)

古稀同窓会 最早惚けた言っ 名前から聞っ
(こきんかい もへぼけたちゅっ なからきっ) 
(唱)(喉頚ずいは 来ちょったいどん)
(のどくっずいや きちょったいどん)

孫と囲碁 最早かのわんち 機嫌な爺父
(まごといご もへかのわんち ごっなとと) 
(唱)(目をば細しっ 可愛してのさじ)
(めをばほそしっ むぞしてのさじ)

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平成20年6月号  兼題 「家族」(けね)

(秀作)
祖父が米寿 家族も親戚も 全員寄っ
(じがべいじゅ けねもしんじも ずるっよっ)  
(唱)(百寿を狙っ 生きやんせ言っ)
(ひゃくじゅをねろっ いきやんせちゅっ)

 過疎ん郷里 家族は爺婆で 後継者は無し
(かそんさと けねはじばはで あとはのし)  
(唱)(捨てられたよな 村れけなっちょっ)
(すてられたよな むれけなっちょっ)

盆暮れも 家族中揃ろ事ちゃ 厳し娑婆
(ぼんくれも けねじゅそろこちゃ きびししゃば) 
(唱)(娑婆あ思ごちゃ いっもはんでな)
(しゃばあおもごちゃ いっもはんでな)

家族揃っ 行楽したとが 懐かしゅし
(けねそろっ でばゆしたとが なつかしゅし) 
(唱)(娑婆あ思ごちゃ いっもはん)
(しゃばあおもごちゃ いっもはん)

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平成20年5月号  兼題 「仲立」(なかだっ)

(秀句 一席)
仲立の 口車め乗っ 幸運貰っ
(なかだっの ぐっぐいめのっ うんもろっ)  
(唱)(良か縁じゃっち 周囲が褒めっ)
(よかえんじゃっち まわいがほめっ)

出来ん事ちゃ 無かち仲立ちゃ 褒めたぐっ
(でけんこちゃ なかちなかだちゃ ほめだぐっ)  
(唱)(万能選手で 将来きゃ運が良かち)
(ばんのせんしゅで さきゃふがよかち)

若け人達ちゃ 仲立ちゃ不要じ でけた婚
(わけしたちゃ なかだちゃいらじ でけたこん) 
(唱)(子不足の娑婆 表彰物です)
(こふそくのしゃば ひょうしょうもんです)

夫婦喧嘩 慣れた仲立ちゃ 上手じ仲裁っ
(みとげんか なれたなかだちゃ じょじさべっ) 
(唱)(安心のして 喧嘩も出来っ)
(あんしんのして けんかもでけっ)

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平成20年4月号  兼題 「辞令」(じれい)

(地位入賞)
仕事つした 割にゃ軽りどち 辞令ゆ叱っ
(しごつした わいにゃかりどち じれゆがっ)  
(唱)(絶対昇格 思もちょいもした)
(ぜったいしょかっ  ともちょいもした)

名目ばかいの 辞令も勲章 拝ん貰ろ
(なばかいの じれいもくんしょ おがんもろ)  
(唱)(万年平で 首びならじ済ん)
(まんねんひらで くびならじすん)

初辞令 古りどん大切ち 飾っ居っ
(はつじれい ふりどんてせち かざっちょっ) 
(唱)(入社記念の  大事な辞令じゃ)
(にゅうしゃきねんの でしなじれいじゃ)

願ご居った 辞令ゆ貰た言 同僚と飲ん
(ねごちょった じれいゆもろたちゅ どしとのん) 
(唱)(係長いなっ 同僚と乾杯)
(かかりちょいなっ どしとかんぱい)

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平成20年3月号  兼題 「挨拶」(えさっ)

(秀句1席)
挨拶者ん 名も思め出さじ 恥ね年齢
(えさっしゃん なもおめださじ げんねとし)  
(唱)(誰いじゃったけち 呆やすひんなっ)
(だいじゃったけち ぼやすひんなっ)

年賀状 皆な待っ居い 良か挨拶
(ねんがじょう みんなまっちょい よかえさっ)  
(唱)(いけんしちょっか 元気じゃろかい)
(いけんしちょっか げんきじゃろかい)

揉め事も 挨拶の仕様じゃ 丸る治め
(もめごっも えさっのしよじゃ まるおさめ) 
(唱)(学の功です 年の功です)
(がくのこうです としのこうです)

元気良か 挨拶つすい子供が 少数のなっ
(げんきよか えさつすいこが すんのなっ) 
(唱)(将来の日本 思いやられっ)
(しょうらいのにほん おもいやられっ)

若っか人達は 挨拶ちゃ聞かんじ 喋っちょい
(わっかしは えさちゃきかんじ しゃべっちょっ) 
(唱)(関係なかち  聞っ耳持たじ)
(かんけいなかち きっみんもたじ)

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平成20年2月号  兼題 「冗談」(わやっ)

(秀句1席)
冗談でん 上手ち褒むれば やい気成っ
(わやっでん じょしちほむれば やいきなっ)  
(唱)(叱いばっかいじゃ 付いちゃ来もはん)
(がいばっかいじゃ ついちゃきもはん)

年金問題にゃ 冗談じゃ無どち 腹がたっ
(ねんきんにゃ わやっじゃねどち はらがたっ)  
(唱)(責任取いしゃ 一人も居らじ)
(せきにんといしゃ ひといもおらじ)

美人じゃち 冗談き言たとい チョコ貰っ
(びじんじゃち わやきゆたとい チョコもろっ) 
(唱)(初めて美人ち 言われたとじゃろ)
(はじめてシャンち いわれたとじゃろ)

司会上手しゃ 冗談く言ながら 丸る治め
(しかいじょしゃ わやくゆながら まるおさめ) 
(唱)(時な笑るわせ 泣かせたいしっ)
(ときなわるわせ なかせたいしっ)

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平成20年1月号  兼題 「夢」(ゆめ)

(天位入賞)
初夢は 月き腰掛けっ 焼酎を飲ん
(はつゆめは つきこしかけっ しょちゅをのん)  
(唱)(わぜ風流な 豪快な夢)
(わぜふうりゅうな ごうかいなゆめ)

七五三 孫に夢乗せっ 見事て着物
(しちごさん こにゆめのせっ みごてべべ)  
(唱)(無病息災 成長を願っ)
(むびょうそくさい せいちょをねごっ)

夢ん様な 月の写真ぬ かぐや撮っ
(ゆめんよな つっのしゃしんぬ かぐやとっ) 
(唱)(転居んとっの 下調べです)
(てんきょんとっの したしらべです)

夢ん様な 宇宙旅行も  夢じゃ無し
(ゆめんよな うちゅうりょこうも ゆめじゃのし) 
(唱)(まだそがらしか 金が必要もす)
(まだそがらしか ぜんがいいもす)

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