薩摩郷句平成17年度用
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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−薩摩郷句 平成17年度 目 次 −

「炬燵」(こたつ)   [平成17年12月号]
「蕎麦」(そば)   [平成17年11月号]
「孫」(まご)   [平成17年10月号]
「勝負」(しょっ)   [平成17年9月号]
「団扇」(うっば)   [平成17年8月号]
「六月灯」(ろっがっど)   [平成17年7月号]
「鰻」(うなっ)   [平成17年6月号]
「薔薇」(バラ)   [平成17年5月号]
「呑気」(のんき)   [平成17年4月号]
「職」(しょっ)   [平成17年3月号]
「針」(はい)   [平成17年2月号]
「寒稽古」(かんげいこ)   [平成17年1月号]

[平成年18年1月号の兼題は「数の子」(かしのみ)です。]

平成17年12月号  吟題 「炬燵」(こたつ)

(四席入選)
空調も 炬燵ちな勝てん 寒か晩
(くうちょうも こたちなかてん さむかばん)  
(唱)(こいじゃこいじゃち 皆な寄っ来っ)
(こいじゃこいじゃちみんなよっきっ)

堀炬燵ちゃ 胡坐が出来じ ぐずい祖父
(ほいごたちゃ あぐらができじ ぐずいとと)  
(唱)(横座ぜ座った頃を思め出っ)
(よこぜすわったころをおめでっ)

炭炬燵ちゃ 電気き押されっ 出番無し
(すんごたちゃ でんきおされっ でばんのし)  
(唱)(戸を閉め切れば 心配らしかガス)
(とをしめきれば せわらしかガス)

炬燵ち入っ 晩酌めすれば 鶏が鳴っ
(こたちいっ だいやめすれば といがなっ)

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平成17年11月号  吟題 「蕎麦」(そば)

(二席入選)
蕎麦ん団子 欠食時代を 思め出せっ
(そばんだご けっしょくじでを おめだせっ)  
(唱)(あん頃らあいが 何よい御馳走)
(あんこらあいが ないよいごっそ)

蕎麦嫌れは 嗅んだひこで 嘔吐っでけっ
(そばぎれは かずんだひこで はっでけっ)  
(唱)(好っな人いな そんとが不思議)
(すっなひといな そんとがふしっ)

蕎麦切な 薩摩揚と山芋が 良か様合っ
(そばきいな あげととろろが よかふおっ)

しゃぶしゃぶは 蕎麦切が出れば 次ぎや勘定
(しゃぶしゃぶは そばきがでれば つぎゃかんじょ) 

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平成17年10月号  吟題 「孫」(まご)

(三席入選)
共稼っ 孫は祖父母が 面倒みっ
(ともかせっ まごはぢばばが めんどみっ)  
(唱)(若け衆は知たん 昔の難儀)
(わけしはしたん むかしのなんぎ)

孫ん顔 似ちょっ言われっ 嬉し祖父
(まごんつら にちょっちゅわれっ うれしじじ)  
(唱)(私い似ちょっち 祖母様も言っ)
(あたいにちょっち ばっさまもゆっ)

可愛孫も 慣るれば議を言っ 悪をしっ
(むぜまごも なるればぎわゆっ わるをしっ)

孫ん守 口じゃ難儀ち言て 嬉し祖母
(まごんもい くっじゃてせちゅて うれしかか) 

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平成17年9月号  吟題 「勝負」(しょっ)

(三席入選)
鼻ん差で 写真が決めた 微妙な勝負
(はなんさで しゃしんがきめた びみょなしょっ)  
(唱)(はずけれた馬券 スタンドい舞っ)
(はずれたばけん すたんどいもっ)

同点の 熾烈な勝負が 籤でちょん
(どうてんの しれっなしょっが くじでちょん)  
(唱)(運が無かったとじゃろち地団駄)
(うんがなかったとじゃろちたたら)

年齢とれば 勝負事ちゃ好てん 乗れば怪我
(としゅとれば しょっごちゃすてん のればけが)

勝負強さ 普段の努力で 技んしっ
(しょっづよさ かねっのどりょくで わざんしっ) 

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平成17年8月号  吟題 「団扇」(うっば)

(地位入賞)
夕涼ん 浴衣て団扇で 碁も楽し
(ゆうすずん ゆかてうっばで ごもたのし)  
(唱)(待ての待てんで 揉めちょい縁台)
(まてのまてんで もめちょいばんこ)

七輪の 火起こし団扇 良か加勢し
(しちりんの ひおこしうっば よかかせし)  
(唱)(夏下冬上ち 爺さまに習っ)
(かかとうじょうち じさまになるっ)

暴れ児が 母親ん団扇で 笑っ寝っ
(あばれごが かかんうっばで わるっねっ)

伊之助の 団扇が冴えた 名勝負
(いのすけの うつばがさえた めいしょうぶ) 

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平成17年7月号  吟題 「六月灯」(ろっがっど)

(2位入選)
六月灯 綿飴を食て 子供みなっ
(ろっがっど わたあめをくて こどみなっ)  
(唱)(懐かしゅなった 腕白の頃)
(なつかしゅなった わんぱっのころ)

六月灯 十銭店を 思め出せっ
(ろっがっど じっせんみせを おめだせっ)  
(唱)(一銭銅貨が 物を言た時代)
(いっせんどろが ものをゆたじで)

六月灯 金魚すくどま 孫げ勝たせ
(ろっがっど きんぎょすくどま まげかたせ)

六月灯 浴衣に団扇 お洒落上手
(ろっがっど ゆかたにうっば おしゃれじょし) 

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平成17年6月号  吟題 「鰻」(うなっ)

(地位入賞)
川鰻 腹裂かれてん ばたぐろっ
(かわうなっ はらさかれてん ばたぐろっ)  
(唱)(包丁をば握っ 悲鳴っでた女房)
(ほちょをばにぎっ おらっでたかか)

雨が降っ 濁らにゃ鰻が 釣れはせじ
(あめがふっ にごらにゃうなぎゃ つれはせじ)  
(唱)(無理をすんなち 送い出す家族)
(むいをすんなにち おくいだすけね)

夏疲れな 鰻と薤 焼酎が効っ
(なっだれな うなっとらっきゅ しょちゅがきっ)

鰻ぐ焼っ 匂を知っちょい 腹が鳴っ
(うなぐやっ かざをしっちょい はらがなっ) 

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平成17年5月号  吟題 「薔薇」(バラ)

(入選 2席)
見事て薔薇 美人が飾れば なお映えっ
(みごてばら シャンがかざれば なおはえっ)  
(唱)(うっといなって 臭んそん匂)
(うっといなって かずんそんかざ)

買た薔薇い 見惚れっ支払を け忘れっ
(こたばらい みとれっはれを けわすれっ)  
(唱)(面目も無か 花屋でのヘマ)
(めんぶっもなか はなやでのへま)

見事て薔薇 血統書ずい 付て廻っ
(みごてばら けっとうしょずい ちてまわっ)

垣根ね咲た 薔薇を取ろしっ 刺げ叱られ
(かっねせた ばらをとろしっ とげがられ) 

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平成17年4月号  吟題 「呑気(のんき)

(入選 4席)
呑気爺 蚊が血を吸うと じっと見っ
(のんきじい かがちをすうと じっとみっ)  
(唱)(馬鹿なこつすいもんじゃっち婆)
(ばかなこつすいもんじゃっちばば)

歳しゅとれば 呑気と惚けが 同居しっ
(としゅとれば のんきとぼけが どぅきょしっ)  
(唱)(みんなが通い 人生の道)
(みんながとおい じんせいのみっ)

呑気亭主 仕事ちゃ任かせっ 隠居面
(のんきとと しごちゃまかせっ いんきょづら)

敬老バス 呑気いパスしっ 大騒動なっ
(けいろばす のんきいぱすしっ うぞいなっ) 

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平成17年3月号  吟題 「職(しょっ)

(入選 3席)
職探し 小言の無人が 先き決まっ
(しょっさがし こごっのねとが さききまっ)  
(唱)(選い好んどま しはならん不況)
(えいこのんどま しわならんふきょう)

職探し 列が出来ちょい 安定所
(しょっさがし れっがてけちょい あんていしょ)  
(唱)(足しゅば棒いして 毎日通っ)
(あしゅばぼいして めひにっかよっ)

イチローも 野球が無かや 只ん人 
(イチローも やきゅうがなかや ただんひと)
(唱)(特技があれば 太とか稼っ)
(とくぎがあれぎ ふっとかかせっ)

天職ち 思えば苦労も 良か薬
(てんしょっち おもえばくろも よかくすい) 

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平成17年2月号  吟題 「針」(はい)

(入選 5席)
針仕事ちゃ 機械が上手で 邪魔じされっ
(はいしごちゃ きかいがじょしで まじされっ)  
(唱)(使ここっも無か わが家んミシン)
(つここっもなか わがえんミシン)

針の目は 孫い頼んで 綻繕せ
(はいのめは まごいたのんで ほぐれふせ)  
(唱)(糸を通しが  ならじ 歯痒し)
(いとをとおしが  ならじはがゆし)

痛て如あっ 針灸ゆば刺せっ 痛たん除っ 
(いてごあっ はいゆばさせっ いたんとっ)

釣針が折れ 逃げた魚は 太と変化っ
(はいがおれ  にげたさかなは ふとばけっ) 

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平成17年1月号  吟題 「寒稽古」(かんげいこ)

(入賞 天位)
お汁粉で  寒さふっ飛だ  寒稽古
(おしるこで  さむさふっとだ  かんげいこ)  
(唱)(二杯も三杯も  お代わゆばしっ)
(にへもさんべも  おかわゆしっ)

真冬でん  はまれば暑か  寒稽古
(まふゆでん  はまればぬっか  かんげいこ)  
(唱)(汗をばかけば  気持ちっの良こっ)
(あせをばかけば  きもっのえこっ)

寒稽古  心技体ずい  良鍛錬えっ
(かんげいこ  しんぎたいずい  ゆきたえっ)

寒稽古  汗をかっほど  技術も冴え
(かんげいこ  あせをかっほど  わざもさえ) 

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