薩摩郷句と薩摩狂句
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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 鮫島爺児医 作 永徳天真 選
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平成27年7月号より選者は樋口一風先生へ変更
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慶田乱雲選薩摩狂句(医壇笑檀) 
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−薩摩郷句 平成31年度 目 次 −













 「除夜」 (としのばん)   [平成31年12月号]

 「無料」 (ただ)   [平成31年11月号]

 「結婚式」 (ごぜんけ)   [平成31年10月号]

 「味」 (あっ)   [平成31年9月号]

 「虫」 (むし)   [平成31年8月号]

 「沢山」 (ずんばい)   [平成31年7月号]

 「催促っ」 (せずっ)   [平成31年6月号]

 「言訳」 (ゆわけ)   [平成31年5月号]

 「弱虫」 (やっせんぼ)   [平成31年4月号]

 「返事」 (へし)   [平成31年3月号]

 「給料」 (はれ)   [平成31年2月号]

 「挨拶」 (えさっ)   [平成31年1月号]

平成31年12月号  兼題 「除夜」 (としのばん)
(人位) 除夜 騒らし世界じゃが 無事じ感謝  (としのばん せがらしよじゃが ぶじかんしゃ)   
(唱)(家内中元気で 良か年しゅ越せっ) (けねじゅげんきで よかとしゅこせっ)

 除夜 家族中が蕎麦で 歳す越せっ   (としのばん けねじゅがそばで とすこせっ)    
(唱)(今年も無事で 良か年し感謝) (ことしもぶじで よかとしかんしゃ)

紅白くば 元気な声で 真似い孫   (こうはくば げんきなこえで まぬいまご)
 (自唱)(手振いや声も 慣れた物じゃっ) (てぶいやこえも なれたもんじゃっ)

 大晦日け 生まれっ明日 二歳ちなっ   (おおみそけ うまれっあした ふたちなっ)
 (自唱)(二日で二歳ちゃ 出世者じゃろ) (ふっかでふたちゃ しゅっせもんじゃろ)

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平成31年11月号  兼題 「無料」 (ただ)
(人位) 親ん愛ゆ 無料で貰ろちょい 凄ぜ宝  (おやんあゆ ただでもろちょい わぜたから)   
(唱)(幸せ過ぎっ 気いな付かんじ) (しあわせすぎっ きいなつかんじ)

 肩揉んも 無料じゃ済まんじ 欲し褒美   (かたもんも ただじゃすまんじ ほしほうび)    
(唱)(奇特き思もたや やっぱい小遣け) (きどきともたや やっぱいこっけ)

お下がいは 無料でん欲しか 新か服   (おさがいは ただでんほしか にっかふっ)
 (自唱)(新か服か高けで 我慢れち叱らっ) (にかふかたけで きばれちがらっ)

 定期券 無料じゃった様な 気持ちなっ   (ていきけん ただじゃったよな きもちなっ)
 (自唱)(鼻な高々で 素通り出来っ) (はなたかだかで すどおりでけっ)

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平成31年10月号  兼題 「結婚式」 (ごぜんけ)
(1席) 腹ん子が 結婚を催促っ 式く挙げっ  (はらんこが といえをせずっ しくあげっ)   
(唱)(早え方が良かち 親は喜っ) (はえほがよかち おやはよろくっ)

 結婚式を 比較べられちょい 引出物   (ごぜんけを くらべられちょい ひっでもん)    
(唱)(良か品を貰ろっ 儲けた気がしっ) (よかとをもろっ もけたきがしっ)

結婚式を 覚えちょらんち 女房あ小言   (ごぞんけを おぼえちょらんち かかあぐぜ)
 (自唱)(祝い言葉に 悪口は無かど) (いわいことばに あっごはなかど)

 結婚式が 増れば嬉し 子も増っ   (ごぞんけが いみればうれし こもいみっ)
 (自唱)(少子高齢 歯止めをかけっ) (しょうしこうれい はどめをかけっ)

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平成31年9月号  兼題 「味」 (あっ)
(地位) 味なこっ 万葉集から 採っ令和 (あっなこっ まんにょしゅうから とっれいわ)   
(唱)(日本人の 胸ねひちゃっ合っ) ( にっぽんじんの むねひちゃっおっ)

 三食の 味見は母ん 舌て頼っ   (さんしょっの あじみわはほん してたよっ)    
(唱)(何言あならん 良か匙加減) (なんちゅあならん よかさっかげん)

生物も 産地で食へば 美味め味   (なまもんも さんちでくえば うんめあっ)
 (自唱)(魚も野菜も といたてが美味か) (さかなもやせも といたてがんめ)

 小児ん薬 味が悪いかち 飲まじ吐っ   (こんくすい あっがわいかち のまじへっ)
 (自唱)(高価か薬も 飲まんな効かん) (たっかくすいも のまんなきかん)

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平成31年8月号  兼題 「虫」 (むし)
(地位) 虫嫌れで 農作どませんち 都会の嫁 (むしぎれで さっどませんち まっのよめ)   
(唱)(青虫どんで 火の叫ぶしっ) ( あおむしどんで ひのおらぶしっ)

 小め虫が 人間ん命つば 手玉め取っ   (こめむしが ひとんいのつば てだめとっ)    
(唱)(強情えか奴で 医者どん泣かせ) (じょうつえかわろで いしゃどんなかせ)

悪い虫が 娘い付かせんか 心配な父親   (わいむしが こいつかせんか せわなとと)
 (自唱)(虫が付かんと 心配は太となっ) (むしがつかんと せわはふとなっ)

 腹ん虫 ぐうぐう言てん 容姿しゃ見せじ   (はらんむし ぐうぐうゆてん よしゃみせじ)
 (自唱)(腹ん虫には 形はなかど) (はらんむしには かたちはなかど)

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平成31年7月号  兼題 「沢山」 (ずんばい)
(天位) 子や孫は 沢山居って 独い住ん (こやまごは ずんばいおって ひといすん)   
(唱)(元気あいうちゃ 悠々自適) ( げんきあいうちゃ ゆうゆうじてき)

 沢山診っ 休んもならん 当番医  (ずばっみっ やすんもならん とうばんい)    
(唱)(医者ん使命ち 我がい鞭つ打っ) (いしゃんしめいち わがいむつうっ)

母乳ゆば 沢山出すっ 丈夫なママ   (オッパゆば ずんばいだすい じょっなママ)
 (自唱)(太か乳房は 子育てん為) (ふとかおちちは こそだてんため)

 皇居前 沢山集って 令和祝   (こうきょまえ ずんばいよって れいわゆえ)
 (自唱)(令和も平和 長ご続じて欲し) (れいわもへいわ なごつじてほし)

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平成31年6月号  兼題 「催促っ」 (せずっ)
(人位) 長げ電話 乳をば催促っ 赤子あ放置 (なげでんわ ちちをばせずっ こあほだっ)   
(唱)(温めたミルクなんだきっ冷めっ) (ぬっめたミルク なんだきっさめっ)

 晩飯な 催促もせんて 焼酎が出っ  (ばんめしな せずっもせんて しょちゅがでっ )    
(唱)(空気で分かっ 夫婦で五十年) (くうきでわかっ みとでごじゅねん)

原稿をば 催促かれっから 取い掛かっ   (げんこをば せずかれっから といかかっ)
 (自唱)(締切いの日は け忘れちゃ駄目) (しめきいのひは けわすれちゃだめ)

 恥ねこっ 催促かれっ払る 年会費   (げんねこっ せずかれっはる ねんかいひ)
 (自唱)(確と払えば 辞めんじ良かど) (ちゃんとはらえば ゆめんじよかど)

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平成31年5月号  兼題 「言訳」 (ゆわけ)
(一席) 残飯す 食でメタボよち 婆ん言訳 (のこいめす くでメタボよち ばんゆわけ)   
(唱)(勿体無かが 下腹れ溜まっ) (もったいなかが したばれたまっ)

 不合格た 言訳は父親の DNA  (ひっちゃれた ゆわけはちゃんの ティエヌエ )    
(唱)(屁理屈ちゃ上手で 痛て所ゆ突っ) (へりくちゃじょしで いてとこゆちっ)

国有地 安す買た言訳 小火で済ん   (こくゆうち やすこたゆわけ ぼやですん)
 (自唱)(野党ん議員も 安す買て自慢) (やとんせんせも やすこてじまん)

 宿題ゆば 忘れた言訳け した仮病   (しゅくだゆば わすれたゆわけ したけびょう )
 (自唱)(年中使こ居い 便利な病気) (ねんじゅつこちょい べんりなあんべ)

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平成31年4月号  兼題 「弱虫」 (やっせんぼ)
(天位) 弱虫 母親ん背中で 議を吐えっ (やっせんぼ はほんせなかで ぎをかえっ)   
(唱)(ママは強えどち 威張って悪口) (ママはつえどち いばってあっご)

 二日酔い 飲まん言ながら また飲ん屋  (ふっかよい のまんちゅながら またのんや)    
(唱)(やっせんもんじゃ 言て女房が叱っ) (やっせんもんじゃ ちゅてかかががっ)

好っな娘げ 好っち言きらん 弱虫   (すっなおげ すっちゆきらん やっせんぼ)
 (自唱)(惚れた娘子にな 物も言きらん) (ほれたおごにな ものもゆきらん)

 弱虫 災害の時きゃ 上手じ逃げっ   (やっせんぼ さいがいのときゃ じょじにげっ )
 (自唱)(逃げ方法は俺い まかせち威張っ) (にげかたはおい まかせちいばっ)

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平成31年3月号  兼題 「返事」 (へし)
(人位) 遺体ゆ抱っ 返事ずばしてよち 母親は泣っ (いたゆでっ へずばしてよち はほはねっ)   
(唱)(見っとも辛か 親子ん愛情) (みっともつらか おやこんぼんの)

 返事じゃせんで 良見たなあ人て 似た案山子  (へじゃせんで ゆみたなあひて にたかかし    
(唱)(人間て似た案山子し 吃驚った祖父) (ひてにたかかし たまがったじじ)

赤ちゃんの 返事じゃ泣っ声で 良う分かっ   (あかちゃんの へじゃなっごえで ゆうわかっ)
 (自唱)(喜怒哀楽の 本当の言葉) (きどあいらっの まこっのことば)

 手土産で 良か返事ず願ごっ 借い相談   (てみやげで よかへすねごっ かいそだん )
 (自唱)(常日頃の付合け 如何かで決まっ) (かねっのつっけ どうかできまっ)

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平成31年2月号  兼題 「給料」 (はれ)
(一席) 軽り給料も 全部渡せば 上手じ捌っ (かりはれも ずるっわたせば じょじさべっ)   
(唱)(遣い繰いなんだ 手慣れた家計) (やいくいなんだ てなれたかけい)

 畑仕事ち 給料は無かどん 収穫が褒美  (はいしごち はれはなかどん みがほうび)    
(唱)(月給取いには 分からん褒美) (げっきゅといには わからんほうび)

初給料あ 親いも見せっ 大事じ使こっ   (はつはれは おやいもみせっ でじつこっ)
 (自唱)(親んお蔭で 職にも付けっ) (おやんおかげで しょっにもつけっ)

 給料ん前 財布が寂しゅし 手酌き飲ん   (はれんまえ ふぞがさびしゅし てじゃきのん )
 (自唱)(我家で飲めば 金どま不要) (わがえでのめば ぜんどまいらん)

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平成31年1月号  兼題 「挨拶」 (えさっ)
(地位) 好かん奴も 軽いか挨拶で ニコッしっ (すかんても かいかえさっでニコッしっ)   
(唱)(心が解れっ 凄ぜ良か気分) (ねすがほぐれっ わぜよかきぶん)

 お大事に そん一声が 挨拶ちなっ  (おだいじに そんひとこえが えさちなっ)    
(唱)(医者様達の 其が真心) (いしゃさあたっの そいがまごころ)

ご無沙汰を 詫びい挨拶の 年賀状   (ごぶさたを わびいえさっの ねんがじょう)
 (自唱)(年に一度で 気は通じ居っ) (ねんにいっどで きはつうじちょっ)

 乾杯の 挨拶ちゃ短こち 叫ばれっ   (かんぱいの えさちゃみしこち おろばれっ )
 (自唱)(焼酎が冷ゆっち 野次を飛ばせっ) (しょちゅがひゆっち やじをとばせっ)

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