薩摩郷句 
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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− 薩摩狂句 平成26年度 目 次 −

「弱え」(よえ)   [平成26年12月号]

「過ぎっめ」(すぎっ)   [平成26年11月号]

「寂ね」(とぜんね)   [平成26年10月号]

「残っ」(のこっ)   [平成26年9月号]

「小め」(こめ)   [平成26年8月号]

「止むっ」(とむっ)   [平成26年7月号]

「平然」(しれっ)   [平成26年6月号]

「越えっ」(こえっ)   [平成26年5月号]

「国」(くん)   [平成26年4月号]

「逆」(ぎゃっ、さか)   [平成26年3月号]

「寒み」(さみ)   [平成26年2月号]

「道具」(しょどっ)   [平成26年1月号]













平成26年12月号  兼題 「弱え」 (よえ)

(天位)
 臨終です 弱え弱え声で 泣て告げっ  (りんじゅてす よえよえこえで ねてつげっ)
(唱)(家族は先生い 凄ぜ感謝しっ) (けねはせんせい わぜかんしゃしっ)

(秀作)頑固じゃが 孫ん躾けにゃ 弱え爺様 (がんごじゃが まごんしつけにゃ よえじさま)
(唱)(孫じゃれば 可愛ぞさが先き出っ) (まごじゃれば むぞさがさきでっ)

利口な亭主 女房け弱え真似で 負けっやっ   (じくなとと かけよえまねで まけっやっ)
 (唱)(機嫌が良女房は 亭主を丁寧しっ) (ごっがえかかは ととをてねしっ)

災害にゃ 手足も出らん 弱え科学   (さいがいにゃ てあしもでらん よえかがっ)
 (唱)(自然の力い 科学が通用せん) (しぜんのちからい かがっがつうよせん)

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平成26年11月号  兼題 「過ぎっ」 (すぎっ)

(地位)
 スマホ熱ち 周囲や気付かじ 駅きゃ過ぎっ  (スマホねち ぐるやきずかじ えきゃすぎっ)
(唱)(用心ぬせんと 他人がけ笑るど) (ゆじんぬせんと ひとがけわるど)

(秀作)親ん享年しゃ 過ぎっ生きらにゃ 不孝者 (おやんとしゃ すぎっいきらにゃ ふこうもん)
(唱)(平常かあ 健康い気を付けっ) (かねっかあ けんこいきをつけっ)

食い過ぎっ 運動不足が メタボ成っ   (くいすぎっ うんどふそっが メタぼなっ)
 (唱)(口つば減がめっ 精一杯動かんにゃ) (くつばへがめっ せっぺうごかにゃ)

使こ過ぎっ 投手ん肘が 音を挙げっ   (つこすぎっ ピッチャんひじが ねをあげっ)
 (唱)(肘ず完璧きして 来年な頑張れ) (ひずかんぺきして でねんなきばれ)

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平成26年10月号  兼題 「寂ね」 (とぜんね)

(地位)
 煩らしが 来んと寂ね 悪戯孫  (うぜらしが こんととぜんね やんちゃまご)
(唱)(孫が帰った 後は気が抜けっ) (まごがもどった あとはきがぬけっ)

(秀作)叱い声も 聞けじ寂ね 爺ん御通夜 (がいこえも きけじとぜんね じんおつや)
(唱)(懐かし声が 聞かれじ寂し) (なつかしこえが きかれじさびし)

傘寿会 寂ね話し 花が咲っ   (さんじゅかい とぜんねはなし はながせっ)
 (唱)(平均寿命が 凄ぜ気い掛かっ) (へいきんじゅみょが わぜきいかかっ)

迎え火も 寂ねなした 過疎ん郷里   (むかえびも とぜんのなした かそんさと)
 (唱)(子も少のなっ 寂ね郷中) (こもすっのなっ とぜんねごじゅう)

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平成26年9月号  兼題 「小め」 (こめ)

(天位)
 居残って 為い程仕事ちゃ 無か爺児医  (いのこって すいひこしごちゃ なかじじい)
(唱)(傘寿過ぎてん まだ腕たっしゃ) (さんじゅすぎてん まだうでたっしゃ)

(秀作)特攻に 行けじ残って 運が巡っ (とっこうに いけじのこって ふがめぐっ)
(唱)(済まん気持で 今日も生きっ行っ) (すまんきもっで きゅもいきっじっ)

同窓会 誰が最後かで 賑ごなっ   (どうそかい だいがびいかで にっごなっ)
 (唱)(俺や百歳迄な 軽る生きっ言っ) (おやひゃっずいな かるいきっちゅっ)

傘壽会 友人しゃ半分が 生っ残っ   (さんじゅかい どしゃはんぶんか いっのこっ)
 (唱)(平均寿命が 八十じゃっで) (へいきんじゅみょが はっじゅじゃっで)

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平成26年8月号  兼題 「小め」 (こめ)

(天位)
 税金で 小め事ちゃ言わじ太と稼げ  (ぜいきんで こめこちゃゆわじ ふとかせげ)
(唱)(泣っ事ちゃ言わじ 精一杯働け) (なっごちゃゆわじ せっぺはたらけ)

(秀作)残飯ぬ 見て小め頃を 思め出せっ (ざんぱんぬ みてこめころを おめだせっ)
(唱)(唐芋ん蔓も 食て成人なした) (かいもんつらも くておせなした)

小めミスも 絶対出来ん 凄ぜ手術   (こめミスも ぜったいでけん わぜしゅじゅっ)
 (唱)(最善ん尽くし 汗せ吹き出せっ) (さいぜんつくし あせふきだせっ)

小も破っ 流行ちジンズ 威張っ着っ   (こもやぶっ はやいちジンズ いばっきっ)
 (唱)(服く破っ 臍迄出て歩っ) (ふくやぶっ へそずいでてさるっ)

油虫奴 小めくせ娘を 手玉めとっ   (あまめわろ こめくせおごを てだめとっ)
 (唱)(座敷ん娘嬢を 叫らはせっ) (ざなかんごじょを おらばせっ)

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平成26年7月号  兼題 「止むっ」 (とむっ、やむっ、やめっとめっ)

(天位)
 原発ちょば 止めっ分かった 高け燃費  (げんぱちょば とめっわかった たけねんぴ)
(唱)(稼働してん 止めてん心配な 原発じゃ) (かどうしてん とめてんせわな げんぱっじゃ)

(秀作)真央ちゃんに 止めんじ欲しち フアンな心配 (まおちゃんに やめんじほしち フアンなせわ)
(唱)(もう一度 メダルを獲っと欲し) (もういっと゛メダルをとってほし)

止め言てん 聞っ耳みょ持たじ ゲームしっ   (やめちゅてん きっみみょもたじ ゲームしっ)
 (唱)(勉強をすいよか 面白てで) (べんきょをすいよか おもしてで)

句作いは 止むごちゃ無どん 忘るっ文字   (くづくいは やむごちゃねどん わするっじ)
 (唱)(高齢しゅ取れば 誰でんないもんど) (としゅとれば だいでんないもんど)

役職を 止めたや全然 呼っが無し   (やくしょっを やめたやぶんと よっがのし)
 (唱)(上役き機嫌ば 取らんじすんで) (うわやきめすば とらんじすんで)

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平成26年6月号  兼題 「平然」 (しれっ)

(地位)
 桜島 灰を撒っ平然 凄ぜ馬力  (さくらじま へをめっしれっ わぜばりっ)
(唱)(桜島ん馬力が 亭主い欲し女房) (しまんばりっが とといほしかか)

(秀作)欠伸にも 気付かじ平然 長げ挨拶 (あくっにも きづかじしれっ なげえさっ)
(唱)(人柄を見て 挨拶ちゃ頼まにゃ) (ひとがらをみて えさちゃたのまにゃ)

太て鼾 平然しちょっで 文句も言えじ   (ふていびっ しれっしちょっで ぎもいえじ)
 (唱)(鼻を抓めば 鼾きゃ止まんが) (はなをつまべば いびきゃとまんが)

慌て者 ボタンも締めじ 平然たん   (あわてもん ボタンもしめじ しれったん)
 (唱)(社会の窓は 確実と締めんな) (しゃかいのまどは ちゃんとしめんな)

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平成26年5月号  兼題 「越えっ」 (こえっ)

(人位)
 師匠ん技 越えた愛弟子し 座を譲っ  (ししょんわざ こえたまなでし ざをゆずっ)
(唱)(後継っ出来っ 肩ん荷下れっ) (あとつっできっ かたんにおれっ)

(秀作)親や越えっ 長生きせんにゃ 不孝者 (おやこえっ ながいきせんにゃ ふこうもん)
(唱)(若け身で命つ 断っ親不孝) (わけみでいのつ たっおやふこう)

孫ん背丈が 親父を越えっ 嬉し爺   (まごんせが おやじをこえっ うれしじい)
 (唱)(子が大となって 家族は賑か) (こがふとなって けねはにぎやか)

イブシロン シャトルを越えっ 安す飛行っ   (イプシロン シャトルをこえっ やすあがっ)
 (唱)(宇宙ん旅も 夢じゃなかんど) (うちゅうんたっも ゆめじゃなかんど)

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平成26年4月号  兼題 「国」 (くん)

(人位)
 日の丸が 国の旗でな 世界一  (ひのまるが くんのはたでな せかいいっ)
(唱)(君が代で揚がっ 国旗が最高) (きみがよであがっ こっきがさいこう)

(秀作)国の為 散った若鷲しょ 崇めちょっ (くんのため ちったわかわしょ あがめちょっ)
(唱)(若っか命つば 犠牲しっ) (わっかいのつば ぎせいしっ)

戦争にゃ 負けた国じゃが いま平和   (せんそうにゃ まけたくんじゃが いまへいわ)
 (唱)(平和ん良さが 身い沁みっ) (へいわんよさが みいしみっ)

良か暮らし 国のお蔭ち 感謝しっ  (よかくらし くんのおかげち かんしゃしっ)
 (唱)(日本に生まれ 有難てこっじゃ) (にほんにうまれ あいがてこっじゃ)

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平成26年3月号  兼題 「逆っ」 (ぎゃっ、さか)

(地位)
 退職たなあ 夫唱婦随が 逆きけなっ  (やめたなあ ふしょうふずいが ぎゃきけなっ)
(唱)(男言う人種は 可哀相しもんじゃっ) (おとこちゅじんしゅは ぐらしもんじゃっ)

(秀作)逆転で 無罪判決ちゃ 誰の罪 (ぎゃくてんで むざいはんけちゃ だいのつん)
(唱)(裁判官も 神の身じゃ無で) (さいばんかんも かんのみじゃねで)

煙草喫ん 親を子が逆き 今は叱っ   (たばこのん おやをこがぎゃき いまはがっ)
 (唱)(座敷じゃ煙草 止めち子供が叱っ) (ざしっじゃたばこ やめちこががっ)

桜島ん降灰い 向っが逆じゃち 風を叱っ  (しまんへい むっがぎゃっじゃち かぜをがっ)
 (唱)(桜島は好っじゃが 降灰は好かん) (しまはすっじゃが へはすかん)

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平成26年2月号  兼題 「寒み」 (さみ)

(天位)
 寒み朝も 裸足で歌とた 海行かば  (さみあさも はだしでうとた うみゆかば)
(唱)(昔の子供な 辛抱強えかったで) (むかしのこどんな しんぼつえかったで)

(秀作)寒稽古 熱かぜんざい 貰ろ元気 (かんげいこ ぬっかぜんざい もろげんき)
(唱)(親は上部な子い なっ如っ願ごっ) (おやはじょっなこい なっごっねごっ)

寒みかろが 氷ん上じゃ 笑顔が舞っ   (さみかろが こおりんうえじゃ えごがもっ)
 (唱)(見事てジャンプが 出来たの笑顔) (みごてジャンプが でけたのえがお)

熱燗で 鋤焼く囲ん 寒か晩  (あつかんで すっきゃくかこん さんかばん)
 (唱)(家族揃って 良か晩な) (かぞくそろって よかばんな)

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平成26年1月号  兼題 「道具」 (しょどっ)

(地位)
 イプシロン 道具きゃ世界じゃ 負けん技術  (イプシロン しょどきゃせかいじゃ まけんわざ)
(唱)(安しか経費で 宇宙い舞で呉れっ) (やしかけいひで うちゅいもてくれっ)

(秀作)鳶職が 腰し捲た道具く 上手し使っ (とびしょっが こしめたしょどく じょしつこっ)
(唱)(軽業師ん様な 身の所作し) (かるわざしんよな みのこなし)

合わん窓 道具が無でち 放置っ大工   (あわんまで しょどっがねでち ほたっでっ)
 (唱)(仕事つ頼ん衆が がらっ減っ) (しごつたのんしが がらっへっ)

研屋さん 道具の砥石しゃ 変え通っ  (とぎやさん しょどっのといしゃ かえどえっ)
 (唱)(切れ味ちゃ良なっ 客が絶えじ) (きれあちゃゆなっ きゃかたえじ)

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