薩摩郷句と薩摩狂句
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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 鮫島爺児医 作 永徳天真 選
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平成27年7月号より選者は樋口一風先生へ変更
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慶田乱雲選薩摩狂句(医壇笑檀) 
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−薩摩郷句 平成29年度 目 次 −













 「工面」 (くめん)   [平成29年12月号]

「騒動」 (そど)   [平成29年11月号]

「仕事」 (しごっ)   [平成29年10月号]

「叫っ」 (おらっ)   [平成29年9月号]

「理由」 (わけ)   [平成29年8月号]

「兄弟」 (きょで)   [平成29年7月号]

「運」 (ふ)   [平成29年6月号]

「真似」 (まね)   [平成29年5月号]

「顔」 (つら)   [平成29年4月号]

「流行」 (はやい)   [平成29年3月号]

「後悔」 (くけ)   [平成29年2月号]

「挨拶」 (えさっ)   [平成29年1月号]

平成29年12月号  兼題 「工面」 (くめん)
(天位) 月き行こち 工面したどん 億じゃ無理 (つきいこち くめんしたどん おっじゃむい)   
(唱)(ちっとそっとん 金じゃ駄目じゃろ) (ちっとそっとん ぜんじゃぼっじゃろ)

学資をば 工面したどん 不合格  (がくしをば くめんしたどん ひっちゃえっ)    
(唱)(来年また言て がっかいさせっ) (でねんまたちゅて がっかいさせっ)

工面しっ 遺言くば書たて 違ごち言っ  (くめんしっ ゆおくばけたて ちごちゆっ)
 (自唱)(遺言く見っ時きゃ 書た本人しゃ他界) (ゆおくみっときゃ けたぬしゃおらん)

工面しっ 合わせてみたや 出来た仲   (くめんしっ あわせてみたや でけたなか )
 (唱)(御礼も言わんじ 邪魔者扱け) (ごれもいわんじ じゃまもんあっけ)

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平成29年11月号  兼題 「騒動」 (そど)
(天位) 震度5い 鈍び人も起きっ 凄ぜ大騒動 (しんどごい にびともおきっ わぜうそど)   
(唱)(ひょかっ揺れたで 相当け驚っ) (ひょかっゆれたで てげけたまがっ)

騒動好っな 二人が怖ぜか 米と北  (そどずっな ふたいがおぜか べいときた)    
(唱)(口喧嘩どで 済めば良かどん) (くっげんかどで すめばよかどん)

厳し姑 アマメ一匹き 騒動をしっ  (いみしかか アマメいっぴき そどをしっ)
 (唱)(強え姑どんに 有っ弱点) (つえかかどんに あっよえとこい)

首び下げた 眼鏡が無かち 大騒動しっ   (くびさげた めがねがなかち うそどしっ )
 (自唱)(老化すすめば 日常茶飯) (ろおかすすめば にちじょうさはん)

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平成29年10月号  兼題 「仕事」 (しごっ)
(地位) 良か仕事つ した割い軽りち 給料が小言 (よかしごつ したわいかりち はれがぐぜ)   
(唱)(時給どしこじゃ 張り合いが無し) (じきゅうどしこじゃ はりあいがのし)

古女房あ 三食作っ 仕事上手  (ふるかかは さんしょくつくっ しごっじょし)    
(唱)(毎日感謝で 五十年添っ) (めにっかんしゃで ごじゅうねんそっ)

年齢し相応っ 仕事も減がめ 娑婆べ感謝  (としにおっ しごっもへがめ しゃべかんしゃ)
 (自唱)(頼っ来い患者に 元気を貰っ) (たよっくいしに げんきをもろっ)

道楽も 一流いなれば 仕事ちなっ   (どうらっも いちりゅいなれば しごちなっ )
 (自唱)(ゴルフ野球は 何億く稼っ) (ゴルフやきゅうは うんおくかせっ)

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平成29年9月号  兼題 「叫っ」 (おらっ)
(天位) 叫っ売い 地声で叫れっ 客く寄せっ (おらっうい じごえでおれっ きゃくよせっ)   
(唱)(面白と可笑しゅ 売っ啖呵売い) (おもしとおかしゅ うったんかうい)

蝙蝠で セコムが叫れっ 大騒動でなっ  (こおもいで セコムがおれっ うそでなっ)    
(唱)(夜の最中い 歯痒いか誤報) (よんのすなかい はがいかごほう)

サイレンが 昼食ち叫れた 戦時中  (サイレンが ちゅはんちおれた せんじちゅう)
 (自唱)(一致団結 教えたモータ) (いっちだんけつ おしえたモータ)

火の用心 叫れっ廻った 郷中ん子供   (ひのゆじん おれっまわった ごじゅんこど )
 (自唱)(郷中ん仲間は 兄弟と同等じゃっ) (ごじゅんなかまは きょでとぐわぃじゃっ)

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平成29年8月号  兼題 「理由」 (わけ)
(地位) 欠席の 理由が病気じゃ 叱やならじ (けっせっの わけがあんべじゃ がやならじ)   
(唱)(ばればれじゃって常時使こ仮病) (ばればれじゃって ねんじゅつこけびょ)

鼠取い 理由をば言てん 耳み入れじ  (ねずんとい わけをばゆてん みみいれじ)    
(唱)(軽る聞っ流て 書かせた調書) (かるきっなげて かかせたちょうしょ)

虐め奴 理由ん分からん 理屈つ言っ  (いじめわろ わけんわからん りくつゆっ)
 (自唱)(あいがこいがち 我がをば弁護) (あいがこいがち わがをばべんご)

高価け弾丸を 海み捨て威張い 理由は何   (たけたまを うみすていばる わけはなに )
 (自唱)(喰えん弾丸より 食物が欲しか) (くえんたまより くもんがほしか)

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平成29年7月号  兼題 「兄弟」 (きょで)
(人位) 兄弟喧嘩 終われば仲は 元て戻っ (きょでげんか おわればなかは もてもどっ)   
(唱)(後はけろっち 二人で勉強) (あとはけろっち ふたいでべんきょ)

少子化で 兄弟が居らん子 増えでけっ  (しょうしかで きょでがおらんこ ふえでけっ)    
(唱)(従兄弟再従兄弟ん 味も知たんじ) (いとこはとこん あっもしたんじ)

兄弟じゃっで 同じ時間に 奪合こ便所  (きょでじゃっで おなじじかんに ばこまなか)
 (自唱)(量は違ごどん 同時き食っ) (りょうはちごどん いっどきたもっ)

兄弟も無し スマホと遊っ お留守番   (きょでものし スマホとあそっ おるすばん )
 (自唱)(泣き声も無し ニコニコ笑っ) (なっごえものし にこにこわるっ)

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平成29年6月号  兼題 「運」 (ふ)
(天位) 八十歳迄 良か運い恵っ 娑婆べ感謝 (はっじゅずい よかふいのさっ しゃべかんしゃ)   
(唱)(天職じゃっち 必死め頑張っ) (てんしょっじゃっち けしんめきばっ)

茶柱で 運を占のちょい 老夫婦  (ちゃばしたで ふをうらねちょい おんじょみと)    
(唱)(手揉ん茶じゃっで 凄い数立っ) (てもんちゃじゃっで わざいしこたっ)

運の良旅 汽車も遅れっ 間に合っ  (ふのえたっ きしゃもおくれっ かけいおっ)
 (唱)(危ねかったち け座っ安堵) (あっねかったち けすわっあんど)

親ん年齢しょ 越えっ生きたち 運い感謝   (おやんとしょ こえっいきたち ふいかんしゃ )
 (自唱)(運い感謝せにゃ いっき逃ぐっで) (ふいかんしゃせにゃ いっきにぐっで)

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平成29年5月号  兼題 「真似」 (まね)
(人位) 郷中ん寄い 呆けた真似しっ 役く逃げっ (ごじゅんよい ぼけたまねしっ やくにげっ)   
(唱)(本当じゃろそな一芝居) (ほんのこっじゃろ そなひとしばい)

猫ん声 真似っ鼠ぬ 恐怖らせっ  (ねこんこえ まねっねずんぬ びびらせっ)    
(唱)(そっくい叫っ 暇人親父) (そっくいおらっ ひまじんおやっ)

横着奴 病気ん真似で 狡る休ん  (おちゃっごろ びょうきんまねで ずるやすん)
 (自唱)(仮病がばれっ 太て灸つ貰っ) (けびょうがばれっ ふてえつもろっ)

芸の道 師匠をば真似っ 上手じ育っ   (げいのみっ ししょをばまねっ じょじそだっ )
 (自唱)(師匠も真似しっ 今があっ) (ししょもまねしっ いまがあっ)

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平成29年4月号  兼題 「顔」 (つら)
(地位) 飲兵衛は 乾杯の頃れ 顔を出っ (のんごろは かんぱいのこれ つらをでっ)   
(唱)(飲んとが大事で 会議は遅刻) (のんとがでしで かいぎはちこっ)

良か郷句 顔を思め出っ にかっなっ  (よかきょうく つらをおめでっ にかっなっ)    
(唱)(あん内気者が 凄ぜ変な句) (あんいめじんが わぜそっせなく)

顔ん毛が 頭て生えれば 言事ちゃ無し  (つらんけが びんてはえれば ゆこちゃのし)
 (自唱)(DNAは 弄やならんめ) (ディエヌエーは いじやならんめ)

小児ん病気 良う見っ聞けば 顔れ書ちゃっ   (こんやんめ ゆうみっきけば つれけちゃっ )
 (自唱)(あいもこいもち 検査は不要) (あいもこいもち けんさはいらん)

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平成29年3月号  兼題 「流行」 (はやい)
(人位) 流行い医者 診断も良かが 愛想もよし (はやいいしゃ みたてもよかが えそもよし)   
(唱)(名医じゃっどち 凄ぜ繁昌) (めいいじゃっどち わぜはんじょ)

ミニ流行い 脇見をしたや 転倒けっ  (ミニはやい そらみをしたや はんとけっ)    
(唱)(娘達の足し 驚った爺) (おごたっのあし たまがったじじ)

名前いも 流行が有って 出番無爺  (なまえいも はやいがあって でばんねじ)
 (唱)(時代遅れで センスが合わじ) (じだいおくれで センスがあわじ)

風邪流行い 医者は繁栄っが 喜べじ   (かぜはやい いしゃははやっが よろこべじ )
 (自唱)(商売じゃ無かで 厳し顔しっ) (あっねじゃなかで きびしつらしっ)

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平成29年2月号  兼題 「後悔」 (くけ)
(天位) 長ご生きた 娑婆にゃ感謝で 後悔は無し (なごいきた しゃばにゃかんしゃで くけはなし)   
(唱)(すっ事ちゃ全部 したでち悟っ) (すっこちゃずるっ したでちさとっ)

売ったなあ 直き上がった 株い後悔  (うったなあ いっきあがった かぶいくけ)    
(唱)(本当っじゃっ 短気は損気) (ほんのこっじゃっ たんきはそんき)

切符をば 切られっ後悔ん 飛ばし過ぎ  (きっぷをば きられっくけく とばしすぎ)
 (唱)(直き凹しゃっ ルンルン気分) (いっきへっしゃっ ルンルンきぶん)

出掛け前 じっくい診らじ 後悔をしっ   (でかけまえ じっくいみらじ くけをしっ )
 (自唱)(仕事の都合ち 言えば済んとに) (しごっのつごち ゆえばすんとに)

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平成29年1月号  兼題 「挨拶」 (えさっ)
(天位) 乾杯の 挨拶が長ごし 料理が小言(かんぱいの えさっがなごし じゅいがぐぜ)   
(唱)(温か吸物も大概ひっ冷めっ) (ぬっかすもんも てげひっさめっ)

陛下様 疲れたの挨拶ち け吃驚  (へいかさあ だれたのえさち けたまがっ)    
(唱)(お歳ごあんで よっぽどなこっ) (おとしごあんで よっぽどなこっ)

御無沙汰を 賀状ん挨拶で お詫びしっ  (ごぶさたを がじょんえさっで おわびしっ)
 (唱)(年に一度ん消息をば交換) (ねんにいっどん そをばこうかん)

三歳児が 可愛ぜ着物を着っ 上手し挨拶   (みっつごが もぜべべをきっ じょしえさっ )
 (自唱)(祝ん袋も 持たせ居い母親) (ゆえんふくろも もたせちょいかか)

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