鹿児島県小児科医会設立30周年挨拶
皆さん今晩は、この度は設立30周年を記念して祝賀会を催しましたところ、公私ご多忙の中、このように沢山の方々にご臨席いただきまして本当に有難うございました。
本日は、会員でないお客様もお出で頂いて居りますので、鹿児島県の小児科医会の歴史を少し述べさせて頂きます。
昭和25年2月、鹿児島県立医科大学付属病院会議室で、公式には、第1回の小児科医の集まりがありました。出席者17名、会費100円、会の名称は童心会と称しました(わらべのこころの会と書きます)。その後も必要に応じて開催されておりますが、勤務医も開業医も参加し、毎回凡そ20名前後の出席があったことと、協議の主たるテーマが記載されています。
昭和49年9月26日、第38回例会をホテル鶴鳴館で行い、出席者22名と書いてあります。童心会としてはこれが最後でありますが、この童心会の経緯は会員であります有馬桂先生のお父様、有馬巌先生が鹿児島市医報に詳しく書いてあります。
鹿児島県小児科医会は昭和48年6月16日に童心会を発展的に解消し結成されております。当時は木庭 長先生が会長でありました。その後は総会兼学術講演会を年2回づつ続けておりますので、今回が30周年記念ということです。童心会から数えますと53年という事に成ります。日本小児科医会が発足20年でありますので、歳の上では我々が兄貴分と言えるかも知れません。
昭和54年8月、西健一郎前会長が中心になり、小児病院建設促進協議会を組織して、「小児病院の必要性を訴えて」関係機関や関連団体に陳情して廻りました。結果は、残念ながら、財政難を理由に却下されましたが、鹿児島市医師会病院建設に際しては、その代償として、多額の政策援助を頂きました。お陰で鹿児島市の小児医療は組織としてはうまく稼動していると認識しています。
平成12年5月には第11回日本小児科医会生涯教育セミナーを鹿児島市で開催させて頂き、全国から500名を超えるご参加があり、盛会裏に終了できました。天野先生には当時を振り返り、改めて厚くお礼申し上げます。
鹿児島県では、昭和48年、全国に先駆けて、医療費助成制度をスタートしました。6歳未満児の医療費を入院外来合わせて3000円を越えた分を助成するものであります。救急医療、乳児健診、各種予防接種は地域差はあるものの、行政には相応のご協力を頂いておりますので、そのことに対しましては厚くお礼申し上げます。しかし未だ意に満たない部分も多々ありますので、今後ともご支援ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
子育て支援、少子化防止は、日本経済を救う緊急の政策課題であります。子どもの数が増えなければ、日本丸の沈没は目に見えております。小児医療は今まさに曙の医学でなければならないのであります。
診療報酬の評価を変えれば小児医療はもっと良くなります。
今後とも子育て支援のために、そして小児科医会発展の為に、ご指導ご鞭撻をお願いしてご挨拶とさせていただきます。
ご来賓の先生方、本日はご多忙の中、ご臨席くださいまして、誠に有難うございました。厚く厚くお礼申し上げます。
平成15年4月20日
鹿児島県小児科医会会長 鮫島信一
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