信祥」のおしゃべりコーナー (その2)

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− 目 次 −
第11回セミナーを終えて
学校医に専門家を
セミナー挨拶
一年を振り返って
保険診療一口メモ
第66回南日本赤ちゃん健康相談会
子育て支援
山下小創立百二十年
前えいオープン・ゴルフ
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    第11回日本小児科医会生涯教育セミナを終えて

日本小児科医会生涯教育セミナーは、日本小児科学会が春秋2回開催していた春のセミナーを、平成2年から日本小児科医会が受け持つようになり、今回で11回を迎えました。
その企画は開催地の医会に任されており、今回は鹿児島県小児科医会が担当しました。
丁度20世紀の最後で、丸が3つも並ぶ、記念すべき新しいミレニアムの年にあたるので、メインテーマを「輝け21世紀! −小児科医は今−」と掲げ、特別講演1題、教育講演3題、と「子育て支援」のシンポジウムを行うことと致しました。
最近、子どもの体位体格は立派に発育しているものの、社会性や心の発達は未熟な子どもが増えており、いじめ、不登校、疑いたくなるような殺傷事件が発生しております。
原因については個別に色々ありますが、心の乱れについて学校が悪い、親が悪い、いやそれを見て見ぬ振りをする社会が悪い等と責任の逃避があるように思えてなりません。
そこで、小児科医に縁の深い、文部省大臣官房政策課課長の寺脇 研氏に「いま 日本の教育を考える−子どもたちに21世紀を託すために−」と題して特別講演をお願い致しました。
寺脇課長のお話は分かり易くて熱血溢れる講演であったので、会場はシーンと静まり返って聞き入っていました。終わっての拍手は演者と聴衆が一体となった感動と同意の表現でありました。
教育講演は「環境汚染と子どもの健康」、「予防接種法の見直しと今後のあり方」、「乳幼児期の食物アレルギー患者への対応−除去食療法のメリット・デメリット−」の3題でしたが、講師は専門的立場から、分かり易く丁寧に講演して頂きました。明日からの医療に直ぐにも役立つような良いお話だったと思います。
公開シンポジウムは、「みんなで考えよう子育て支援」をテーマに、小児科医、母親、父親、地域、子どもと夫々の立場から5名のシンポジストに講演をして頂き、その後みんなで討論すると言う形式をとりました。
夫々与えられたテーマにそって良いお話をして頂きました。なかでも、日本で二人目の女性知事となられた、潮谷義子熊本県知事の講演は内容も話し方も素晴らしく、さすがは熊本県の最高位の椅子が似合う人だと感心しました。
ポスターセッションは自由演題で募集しました。感染症、予防接種、医薬分業、救急医療等25題の応募があり、全題掲示し、4題の指定講演も活況でした。
この会はセミナーとは言っても、全理事会、代議員会、総会、懇親会をも開かねばならず、責任を痛感しておりました。2年前に鹿児島開催が正式に決まり、直ぐ準備委員会を作り、色々協議はしても、具体的段取りの経験に乏しく、暗中模索の末、県医師会に相談し、医師共同組合の協力が得られました。
お陰で準備は順調に進み、当日は会員495名、一般参加304名と予想より沢山の参加がありました。
地方都市の医会セミナーとしては上出来であったと自負しています。
これまでにお寄せ下さった関係各位の御支援、御協力に心からお礼申し上げます。有り難うございました。

第11回日本小児科医会生涯教育セミナー会頭 鹿児島県小児科医会 会長 鮫島信一

学校医に専門家を (平成12年7月20日)

何時も考えていることではあるが、日医ニュース第933号に掲載されましたので紹介します。

学校医に専門家を

地域医療の中で、校医活動は極めて重要な役割を果たしている。しかし校医の資格については統一した基準は無く、学校近くの開業医が委嘱され、学校側の要請に応じて出向しているのが実情であろう。
校医の専門科、年齢、熱意、環境等によって活動内容は千変満化、かなりの差があるように思う。
学校現場では、最近、子どもの心は乱れ、不登校、学校嫌い、いじめ、校内暴力など、社会性の未熟や心の未熟性が表面化してきている。更に「家に帰りたくない」と訴える被虐待予備軍の子どもの存在も見逃せません。
これらの徴候は親が子どもを連れてくることが普通となっている現在の医療システムの中では、病医院の外来ではキャッチ出来ない。むしろ学校などで、感性豊かな養護教諭や関心の高い校医が居て、お互いに密接な連係や情報交換があって始めてチェック出来るのではなかろうかと思う。
学校でチエックすべき器質的病気も心臓病、腎臓病、肥満、糖尿病等と数は多くないものの、時として高度な専門的対応が必要なこともあり、資格基準の無い現状で、全ての対応を校医に任せるには冷や汗ものであろう。
現在の校医制を続けるのであれば、学校相談医(学校医専門家)を養成して、全国に配置したら如何であろうか。各県に数名の学校医専門家が居て学校病全般について、大所高所から指導助言が気安く得られれば、校医も気安く依頼出来、また引き受け易くなるのではなかろうかと思う。

追記
最近、学校医大会などに出ると、学校病のすそ野が広がってきたので、精神科の専門医、婦人科の専門医、スポーツ医学に関連して整形外科の専門医、皮膚科の専門医等と臓器別専門医を校医に求める声が強いように思う。
しかし各々の専門家の話を聞けば、確かに肯ける内容のお話が聞けるが、それではお願いしますと言うにはいささか抵抗を感じている。
それは対象が小児であると言う視点が薄いからではなかろうかと思う。
精神病にしても、皮膚病にしても、病気への対処はうまく行えても、説明やフオローに不安を感ずることがある。
子どもの病気は、やはり小児科医がアプローチした方が妥当な対応が出来るのではないかと思う。
他科の医師に小児科的発想を教育・養成するより、小児科医を臓器専門医として養成し、学校医専門家として働いて頂いた方が良いのではなかろうか。
小児科認定医と同様な校医認定制を創設し、校長並みの権限を与え、待遇も優遇すれば、希望者もあるものと予想します。専門家でない地域の校医にも力強い味方となり、学校職員や養護教諭も気楽に相談出来、学校保健に絡む予算の削減にも効果があるのではなかろうかと思う次第です。

セミナー挨拶 (平成12年5月13日)

第11回日本小児科医会生涯教育セミナーは全国の小児科専門医が500名参加して、鹿児島市市民文化ホールで盛会裏に終了しました。私にとっては人生最大の催しであったと思いますので、記念して、懇親会での挨拶文を掲載致します。

懇親会挨拶

鹿児島県小児科医会の鮫島でございます。
第11回日本小児科医会生涯教育セミナーを、鹿児島市で開催致しておりますが、西暦、2000年と言う、丸が3つも並ぶ、記念すべき、新しいミレニアムの年に開催出来ましたことを光栄に存ずると同時に、責任の重さを痛感致しております。
2年前に、鹿児島開催が決まりましたが、これまでに、日本小児科医会会長の天野 曄先生はじめ、職員の方々、学術部の岡先生、総務部の牛山先生、経理部の保科先生、広報部の滝田先生、更に中四国九州ブロック代表副会長の、田中 一先生、九州小児科医会会長豊原清臣先生や各県の会長さんには、物心両面から多大の御支援御協力を頂きました。
そして、会場の皆さん、この度は全国各地からこんなに沢山、遠路、鹿児島までお越し下さいまして、誠に有り難うございました。又ご来賓の先生方には、公務ご多忙の中、御臨席頂きまして本当に有り難うございました。殊に、この度4月16日の熊本県知事選挙で、見事当選なさいました潮谷義子先生 、本当におめでとうございます。先生にはシンポジストとして、副知事時代の1年前からお願いはしてありましたが、知事当選のニュースは嬉しさと同時に、知事就任によるご多忙の中、お出で頂けるかと心配しておりました。5月2日に頂いた「懇親会にも出席頂ける」とのお返事は、私どもに100倍の勇気と遣る気を漲らせてくれました。心から感謝し、歓迎申し上げる次第でございます。
さて会場の皆さん、昭和20年8月、今から55年前になりますが、我が国は大東亜戦争に負けました。敗戦によって、社会秩序は混乱し、食うや食わずのどん底経済を経験致しました。この事を糧として、その後の日本経済は回復し、日本国民の努力により、日本経済は繁栄に繁栄を重ね、今では、世界一の債権国であります。お陰で、各種衛生指数は、平均寿命もそうですが、殆どが世界一に発展しました。
しかし一方で、年々子どもの数は少なくなり、少子化による人口構成の歪みが顕著となって参りました。少子社会は単に未来の労働力が衰弱し、経済の活性化が損なわれるだけでなく、子どもたち自身にとっても、良いことは何もありません。
政治家やマスコミも、今ごろになって、ようやくそのことに気づき「少子社会対策議員連盟」が誕生して、色々の議案を検討中であります。新聞等では「少子化」、「子育て」の記事を頻回に目にするようになりました。
先ほど文化ホールでお聞きしたとおり、天野会長は「21世紀日本の構想」懇談会の委員に選ばれておられます。先生は「医会の法人化」のことや「子どもの心相談医制」を推進しながら、医政活動にも活発に取り組んでおられますし、小児科医自身の働き易い環境作りにも頑張って頂いているところであります。 先ほどの代議員会、総会で次期会長をお願いすることになりましたが、我々日本小児科医会は一致団結して天野会長を支え、更に頑張って頂きたいと願っております。
この会は、日本小児科医会生涯教育セミナーと謳ってありますが、内容は総会でもあり、学術講演会でもあります。勿論そのことも大事でありますが、何よりも小児科医が小児科医同志、同じテーブルについて、「遠慮無く物を言い、うっぷんを晴らし、明日への希望を話し合える」そう言う懇談の場を提供したいと考えてこの懇親会を企画致しました。
慣れないことゆえ、運営の面では、いろいろ不行届きのことやご不満もあることと思いますが、小児科医同志と言うことで、ご寛容頂きまして、時間のゆるすかぎり、ごゆっくりとご歓談下さい。
本日は、ご出席下さいまして、本当に有り難うございました。

鹿児島県小児科医会1999年
一年を振り返って
(平成11年12月17日)
鹿児島県小児科医会の「一年を振り返って」を思い付くままに述べてみました。
1.母子保健事業功労者県知事表彰
母子保健事業には、産婦人科医会と連携して、その向上発展に努力してきたところでありますが、当会監事の上前琢磨先生が県知事表彰を受けられました。先生は鹿児島県医師会の理事や小児科医会の理事、副会長を歴任され、現在は監事をお願いしてご活躍中です。
2.予防接種のすすめ「ポスター」
感染症の撲滅には、予防接種の効果を否定する意見はありません。予防接種が義務から勧奨へ、更に集団から個別へ移行したことにより、接種率が低下しております。日本小児科医会ではこの事を憂い、予防接種をすすめるポスターを作成し、会員や保育園、幼稚園等に送付しました。接種率の高まりを期待しております。
3.少子化対策基本法案(議員立法)
我が国にとって、少子化は決して好ましい事ではありません。日本の将来を憂える国会議員が党派を超えて議員立法の方向で動いています。 最近、新聞やマスコミの報道の中で「少子化」「子育て支援」の掲載のない日はないくらい、世論やマスコミは小児科医会へフォローの風を送っています。
4.子供の心相談医
最近の子どもは体位・体格は立派になり、足も長くカッコ良い体型の子どもが増えている一方で、登校拒否、いじめ、更に殺傷事件など報道され、子どものたちの心はゆれております。子どもたちの心の問題と真剣に取り組み実践するために、日本小児科医会では相談医になるための講習会を企画しました。一回目は定員の500名を越えての盛会でした。毎年2回行われますので、受講をお勧め致します。(2回受講して認定されます)
5.会員増強
日本小児科医会では、組織の法人化に向けて努力しておりますが、なかなか認可されません。小児科医は一万五千と推計され、現在会員数五千代では、組織率の低さがネックです。少なくとも七千五百は必要とのことです。小児科専門医の大挙入会を願っております。 6.学術講演会
第52回は4月19日チサンホテルにて、福島県立医科大学医学部小児科学教授鈴木 仁先生の「小児科医からみたウイルス感染と腎障害」。 第53回は10月16日サンロイヤルホテルにて、大阪府立公衆衛生研究所ウイルス課 課長 奥野良信先生の「最近のインフルエンザの問題点と今後の課題」をご講演頂き、時宜を得たすばらしい講演であったと、多くの会員に喜んで頂きました。
7.鹿児島県小児科医会会報第4号
今回も編集委員長の荒田弘道先生始め編集委員の方々のご努力により立派な会報を発刊出来ました。ご寄稿下さった方々に厚くお礼を申し上げます。会報は身近な仲間が書いたものです。興味をもってページを捲って下さい。身近な情報誌でもあります。
8.鹿児島大学医学部付属病院長に宮田晃一郎先生ご就任
鹿児島大学医学部小児科学教授、宮田晃一郎先生は、鹿児島大学医学部付属病院長にご就任なさいました。鹿児島県における、二大病院の院長、武 弘道先生(鹿児島市立病院)共々小児科医です。難儀も多い事でしょうが、小児科医会の誇りでもあります。頑張って頂けますよう絶大な声援を贈ります。
9.第11回日本小児科医会生涯教育セミナー
第11回日本小児科医会生涯教育セミナーを、来年5月13日(土)、14日(日)の2日間、鹿児島市民文化ホールで開催します。この会は日本小児科医会全理事会、代議員会、総会、各種委員会が同時開催されますので、全国各地から複数の小児科医会代表が集まるビッグイベントであります。本会では準備委員会、実行委員会を結成し、集まって下さった全国の小児科医に喜んで頂けるよう、目下一生懸命頑張っております。先輩諸兄のアドバイスやご意見をお待ち致しております。
終わりに
まだまだ、いろいろありますが、1999年と9が3つ並んだ珍しい年の締めくくりなのでタイトルも9で終わります。
どうぞ20世紀最後の、0(まる)が3つも並ぶ素晴らしい2000年をお迎え下さい。
     (この原稿は鹿児島県医師会報、1999年12月号に掲載されました。)

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保険診療一口メモ

提出前に自己審査を!

長年の臨床経験や勉学の粋を駆使して、精根込めて診療し、その内容を正確に明細書に記載し、保険請求したのに、減点査定されて、憤懣やるかた無い思いをした経験をお持ちの方がおられると思うので、老婆心ながら気付いたことなど書いてみた。

1.保険者からの再審査請求は増えている
経済不況の厳しい状況下では、支払い者も財政的に厳しく、支払額を少しでも減らせないか英知を絞って、削り屋と称する点検業者を雇い、チェック体制を強化している。更に一月の請求書だけでなく、経時的に何ヶ月分でもみれる立場にあるので、疑問があれば、点数の多寡に関係なくルール違反でないかと査定を要求してくる。
2.小児科審査で気付くこと
社保で審査医を2年経験したので、注意して欲しい事柄を思い付くままにあげてみた。
(1)尿沈渣染色顕微鏡検査
尿中一般物質定性半定量検査において何らかの異常が認められ...となっているので、発熱性疾患では熱性蛋白が予想されるが、蛋白+とか該当病名が必要です。単に気管支炎だけでは適応はありません。
(2)実日数1日で感受性検査
感染症の原因菌を調べ、感受性のある抗生物質を使うのは望ましいのですが、菌の検出が無ければ感受性検査は出来ません。診療実日数1日で培養と感受性検査をすれば、同時にオーダーしたものとみなされます。月の途中であれば、再診はなかったが病原菌が確認された事と感受性検査の必要性を記入する必要があります(再診無しで可)。月末であれば翌月廻しで診療実日数0で請求出来ます。
(3)経皮的動脈血酸素飽和度測定
呼吸不全もしくは循環不全又は術後の患者であって、酸素吸入を現に行っているもの又は酸素吸入を行う必要があるものとなっております。酸素吸入の無い喘息の病名だけでは適応となりません。
(4)便培養で嫌気性培養の併用は理由の注記が必要です。キャンピロバクターは嫌気性培養ではありません。
(5)小児のバセドウ病は多くはないが、甲状腺機能高進症の病名で、T3、T4、FT3、FT4と検査が併用されると
   重複と判定されます。
(6)トロンボテストとヘパプラスチンテストの併用は重複検査とみなされます。
(7)抗核抗体精密と抗DNA精密の同時検査は重複とみなされます。
(8)フルクトサミンとHbA1cの併用は糖尿病初診時かインスリン使用中以外は重複とみなされます。
(9)初診1.から次の初診2.までは病名にもよるが、上気道炎の場合、前傷病治癒日より7日以上あれば認めら
   れます。しかし傾向的にならぬよう注意して下さい。
(10)小児は感染症が多く、急変しやすいので、時間外や休日の再診も多くなりますが、腹痛、高熱など簡単なコメ
   ントをつけて下さい。病名欄に中耳炎、熱性けいれん、腸重積症の疑い病名をつけるのも一策です。しかし傾
   向的にならないよう青本(点数表の解釈)をよく読んで下さい。
(11)高熱があれば、食欲もなくなり、脱水症になり易いのですが、気管支炎で点滴補液をする場合は一言コメ
   ントがあればよさそうです。
(12) 薬剤使用量について
抗生物質や抗癌剤等の使用量は能書の使用基準を 守って下さい。越して使用する場合は必要性を注記すべきです。
(13)水痘でゾビラックス与薬の5日を越えるものは重症水痘等の注記が必要です。
(14) 同じ薬効の併用について
抗生物質、抗癌剤、抗アレルギー剤等の使用に際し、同種併用の場合は注記が望まれます。傾向的使用は避けて下さい。
3.終わりに
最近は公的医療機関や大病院の診療内容に厳しいチェックが目立ちます。重症が多く点数が高くなるからなのでしょうが、提出前に、自分が払う側になった気持ちで、厳しく自己審査して、不安があったら必ず説明の注記をお願いいたします。 患者さんの不注意による資格関係以外は返戻や査定減点ゼロであって欲しいと願っております。
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第66回南日本赤ちゃん健康相談会
すこやか写真展表彰式での挨拶
(平成11年7月4日)
この南日本赤ちゃん健康相談会は、大正15年に「鹿児島コドモ博覧会優良児審査会」として発足以来今回で66回を迎えました。戦時中一時中断したこともありましたが、大正、昭和、平成と続いているわけでありまして、企画運営されている関係者の皆さん方に、厚くお礼を申し上げます。
さて、会場の皆さん、似たような月齢の赤ちゃんを、沢山一緒にご覧になり、如何お感じになられたでしょうか?
太った赤ちゃんや、痩せ気味の赤ちゃん、髪の毛の薄い赤ちゃんや、ふさふさした毛の濃い赤ちゃんなど色々のタイプの赤ちゃんが居てびっくりなさったのではないでしょうか?
これは赤ちゃんにも夫々の個性がある事の認識であったと思います。
勿論、心臓に雑音があるとか病気の赤ちゃんもありましたが、それらに付いては、当日相談医から個々の例に付いて説明と今後の対応の仕方のお話があったものと思います。
ところで、本屋さんに参りますと、育児書は沢山あってどれを読めばよいのか迷われる方も多いかと思います。育児とは教科書的に決まった事柄を行うのではなく、夫々の個性に応じた育児が大事だと言う事から育児書の種類も増えることになる訳です。
一昔前は、おぢいちゃんおばあちゃん、おぢさんおばさん等一緒に生活する大家族制が中心でありましたが、今は夫婦と子ども一人か二人という核家族が大部分であります。
従って育児についての経験のある先輩に相談する機会が非常に少なくなり、育児不安や育児ノイローゼに近いお母さん方が増えております。
子育てが、はじめての親は「子育ては大変だ、もう子どもは一人でよい」などと育児の難儀さを訴えておりますが、二人三人と子育てを経験された親は、「子育ては楽しい、もっと産みたい」と応えております。子育ての経験が子育ての自信に繋がったと言えそうです。
7月1日の新聞報道によりますと「出生率の市町村別ランキングで、鹿児島県の和泊町が日本全国のトップで、更に鹿児島県の離島勢が上位5に入った」と伝えておりました。離島では人口の移動が少なく、島ぐるみ、親戚知人のようなわけで、育児に困ったことがあれば、気軽に相談出来る環境が幸いしているのだろうと思います。
今回の相談会には、お母さんだけでなく、お父さんやご家族の方も一緒に相談に来て下さった方が多かったのは非常にうれしい事でした。
この相談会は鹿児島県では、毎年、春と秋の2回行われております。このような相談会を利用して、分からないこと、困ったことを相談して頂きながら、育児に自信が付くことを願っておりところでございます。
私ども小児科の相談医は、沢山の赤ちゃんを診、ご両親や周りの方々から、色々の子育ての相談を受けております。子育て支援の専門家だと自負しておりますので、分からないこと困ったことなどございましたら、遠慮なくご相談下さい。この相談会が長続きしながら発展することを期待しております。
さわやか赤ちゃん写真コンテストに入選されたみなさん。本当におめでとうございます。
写真は思い出の一齣として大切であります。
本日入選されなかった写真も思い出としては非常に貴重なものです。20年、30年後、自分の赤ちゃんを抱っこしながら、自分の赤ちゃんの時の写真が見れる事は嬉しいことです。一家団らん家庭の幸せの原点ではないかと思います。
写真の写しかたには、上手下手があるかも知れませんが、今日の写真を大事に保存しておいて下さい。
今後とも心身ともに、健やかに成育されるようご祈念申し上げご挨拶と致します。
有り難うございました。
(相談会副委員長・鹿児島県小児科医会会長 鮫島信一)
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子育て支援 (平成11年8月13日)
我が国ではベビーブームの昭和42年、1年間に230万人の赤ちゃんが生まれましたが、30年後の平成9年には118万人に半減しました。更に50年後の平成62年にはその半分の69万人になるとの予測があります。
子どもが少なくなれば、生産人口は減少し、最も生活に密着した一次産業の農業、林業、水産業や、体力や人手を必要とする職種は敬遠されて、人手不足が深刻になり、人口の過疎過密化が更に広がることが予想されます。
その解決には、人口構成を今のいびつな瓢箪型からピラミッド型へ移行する必要があり、そのためにも少子化防止、子育て支援は、国家的重要課題であります。
子どもは成人して一人前の社会人になれば、納税者となり、少なくとも経済的には、親に対するより遥かに大きく社会のために尽くすようになるのです。「子は人の子、社会の子」と言われる所以でありますが、このように大切な社会の宝を育てるには20年の歳月を要し、教育費、医療費、生活費、など育児費用が高くつくのも事実です。子育てのためには親個人だけでなく、社会全体で大幅な支援策を急いで欲しいと思います。
出産適齢期の女性に「子どもは何人欲しいですか?」と質問しました。未婚の女性は「3〜4人」と答えたのに対し、子育て中の女性は「1〜2人」との答えが多かったそうです。子育てには難儀苦労が多い事を物語っているように思います。
少子化の原因には、女性の職場進出、晩婚、核家族化、子育て意識の変化などもありますが、政治的、社会的に解決できる要因、つまり育児費や教育費の増大、住宅事情、育児不安などが複雑微妙にからんでの結果と思われます。
人に頼まれたり、社会のためにと考えて子どもを産む人は居ないでしょう。しかし「産みたい」「産んでもよい」と考えている人が、育児が大変だ、教育費や生活費が高いという問題のために、子どもを産まなくなったとすれば、それはその人だけでなく社会全体にとっても、もったいない、悲しいことだと思います。
子どもを産みたいという人のために、物心両面から暖かく援助してさしあげることが、少子化防止や子育て支援に役立つのではないでしょうか。
(平成11年8月11日 鹿児島西ロータリーでの講話要旨)
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鹿児島市山下小学校創立百二十周年記念
鹿児島市の中央地区にある山下小学校では、この度創立百二十年記念事業が滞りなく終了しました。
小生は昭和59年4月1日から校医として委嘱されております。当時の校長は玉井孝雄先生で、既に15年も経過しました。校長は殆ど2年毎に交代します。次の26代校長は竹田 昭先生、27代小城寛治先生、28代石神正明先生、29代田實健一先生、30代福山幸一先生、31代金子末房先生と七人の校長に仕えた訳です。事務員の上村さんが20年勤務で一番の長勤者です。
山下小の校訓は「*負けるな、*うそを言うな*弱いものをいじめるな」です。毎朝裸足で始業前に校庭を走る「渦巻き運動」は裸足で歩く場所の少なくなった中央地区では、学校の校庭でなければ実行出来ません。この渦巻き運動と放課後の校庭の使用推奨は校医就任以来のお願い事項であり、継続は力なりと発破をかけております。
40年前は一学年7クラスで生徒数2千名を越えたマンモス校も今は一学年40名前後で、一クラスが二学年もある過疎地に変身しました。
それでも鹿児島県の代表校であり、歴史と伝統は輝いています。山下小に栄あれ!です。
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「前えいオープン・ゴルフ」
プロのゴルファーなら、世界のビッグトーナメントの一つ「全英オープン」に参加するのが夢であろう。
揖宿郡頴娃町のゴルフ愛好家達は、10年程前から「全頴娃オープン」を、毎年7月20日「海の日」に行っています。
鹿児島在住の頴娃町人会もこぞって参加していましたが、ネーミングが良い為か参加者が多過ぎて、日没になることがありました。
そこで在麑頴娃町人会では以前頴娃町に住んでいた居たと言うことで、憬れのネーミングを取り入れて、「前えいオープン」を企画した次第です。
こちらは年2回開催しておりますが、今回は4月18日、小雨の中、南国カンツリークラブで「第7回ゼンエイオープン」を開催し、9組の参加がありました。
「『ゼンエイオープン』へご参加の皆さんは、フロント前の練習場へお集まり下さい」とのアナウンスがありますと、ちよっとしたどよめきが起こり、得意のエイゴで賑やかになります。
参加資格はエイゴが話せるか、理解出来るかです。ゴルフの技量が余り問われないところが、「全英」との 僅かな違いです。参加ご希望の方は小生がエイゴのテストを致します。多数ご参加下さい。
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楽しい交信を期待しております。

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