会 場 本願寺鹿児島別院会議室
講 師 米衛政光 さん
(鹿児島大学非常勤講師・元鹿児島養護学校校長・子ども家庭支援センター「みらい」園長)
研修テーマ 気になる子どもの理解と支援
@LD(学習障がい),ADHD(注意欠陥多動性障がい),高機能自閉症の子どもたちの姿をDVD映像での視聴
ALD,ADHD,高機能自閉症とは何か
B発達障がい児の指導上のポイント
C保護者の支援
D学校等の関係機関との連携・接続
参加 40名(常楽寺保育園・清光保育園・明信寺保育園・櫻島保育園・谷山幼稚園より)
【保育所保育指針】第十一章 9障害のある子どもの保育 障害のある子どもに対する保育については、一人一人の子どもの発達や障害の状態を把握し、指導計画の中に位置づけて、適切な環境の下で他の子どもとの生活を通して、両者が共に健全な発達が図られるように努めること。 この際、保育の展開に当たっては、その子どもの発達の状況や日々の状態によっては指導計画にとらわれず、柔軟に保育することや職員の連携体制の中で個別の関わりが十分とれるようにすること。また、家庭との連携を密にし、親の思いを受け止め、必要に応じて専門機関からの助言を受けるなど適切に対応すること。
【幼稚園教育要領】第三章指導計画作成上の留意事項 2 特に留意する事項 (2) 障害のある幼児の指導に当たっては,家庭及び専門機関との連携を図りながら,集団の中で生活することを通して全体的な発達を促すとともに,障害の種類,程度に応じて適切に配慮すること。(3) 幼児の社会性や豊かな人間性をはぐくむため,地域や幼稚園の実態等により,盲学校,聾学校,養護学校等の障害のある幼児との交流の機会を積極的に設けるよう配慮すること。
障がい児の理解を深めるとともに、園内の体制を整えること、また家庭や関係機関との密な連携を持つことが求められています。
近年、どの園においても「気になる子ども」の存在がクローズアップされています。同時にその子どもたちの理解と支援の在り方についても研修・研究が各園でなされています。気になる子どもの中には、「発達障害」の子どもたちも少なからずいます。そこで今年度は。保育現場での障がい児の理解と援助のあり方、園内の体制をどのように作っていくかということ、家庭や関係機関とどのように連携したらよいのかなどを、長年特別支援教育にかかわってこられ、現在も障がい児の療育・支援に携わるとともに、教育養成機関で指導にあたっておられる米衛政光さんを講師にお招きして、ともに学ばせていただく機会としました。
はじめにLD(学習障がい),ADHD(注意欠陥多動性障がい),高機能自閉症の子どもたちの姿をDVD映像での視聴のあと、LD,ADHD,高機能自閉症とは何かについて詳細に説明をいただきました。次に、発達障がい児の指導上のポイントと保護者の支援について、事例に基づいてお話しいただきました。その中で特に「子どもに寄り添う」と言うことについて詳細にお話しいただきました。保育の現場では、よく子どもに寄り添うということが言われますが、それは子どもの内面世界に寄り添うことであり、子どもの内面世界に寄り添うとは、子どもに尋ねる気持ちになることです。ついつい子どもたちを指導するという力みから、子どもに尋ねるのでなく、保育者の思いを押し付けがちですが、保育とは、子どもの育ちを保障していくことですから、まず子どもの思い・気持ちに尋ねていく、そこから適切な支援を導きだしていくことが大切です。子どもの内面に寄り添うことは、障がいのある子どもはもちろん、すべての子どもたちへの関わりの原点です。最後に保護者の支援と学校等の関係機関との連携・接続についても具体的な事例や方法を提示していただきながらご指導いただきました。質疑においても保護者支援の在り方があげられました。障がいを持つ子どもに限った事ではありませんが、特に発達障がいを持つ子どもたちについては、その理解と支援について、これからも学習を重ね、子どもたちにとって園が大切な育ちの場になるようにを、保護者にとっても支援と育ちの場になるように勤めていかなければならないということを確認しました。
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