保 育 計 画

真宗保育確立のために〜保育主題の展開を通して〜

.保育の質

@ はじめに

  保育研修の場では、しばしば保育の質ということが取り上げられています。ところが、この言葉は抽象的な表現であるためか、なかなかそのことの意味が保育現場の人々に理解されているとは言い難いような印象を与えているようです。
  この「保育の質」をめぐる議論がもっとも進んでいるのはアメリカ合衆国だそうですが、以前から保育の質を決める要素は何かという問題についての研究が進められており、その結果三つの要素に分けて考えるあり方が一般的になっているようです。
第一の要素はカリキュラム、栄養と食事、安全管理といった「中身の質」。
第二の要素は、保育者の配置、施設整備・環境といった「条件の質」。
第三の要素は、保育者の賃金や離職率といった「保育者処遇の質」。
 この内、第二・第三の要素は指導監査の対象となる事項で、どちらかと言えば管理者の側に属する問題なので、一般に研修の場で問題にされているのは「第一の要素」になります。そこでここでは、第一の要素・中身の質について考えていくことにします。

A 保育の質とは何か

  では、改めて「保育の質」とは何かというと、それは
・おそらく、その園でどの保育者が保育を担当しても、あるいは保育者の退職・採用等による入れ替わりがあっても、毎年一定の水準の保育が継続的に行われていること
・また、園児・保護者への対応等がどの保育者においても同様に適切になされていることだと言えます。 したがって、保育者個々の技量や資質によって、その園の保育内容や保育者に対する評価が年度によって上下しないようにするためには、何よりも保育者の誰もが容易に理解・共有出来る保育目標・指導計画、並びにそれを実施していくための方法論が構築されていることが、「保育の質」を維持するための前提条件になると思われます。
 例えば、各園で給食を作る際には、当然のことですがはじめに「献立」があり、必ずそれについての手順が作成されています。具体的には、一人分の材料の分量・調理の手順・火加減・盛りつけ方など、あらゆることが細かく示されています。
そのため、その作成手順通りに作れば、誰が携わってもある程度の料理を作ることが可能です。もちろん、出来具合は個々の技量によって多少の差は出てしまいますが、単に献立名だけを頼りに、それぞれが思い思いに作るのとでは、結果の違いは歴然であることはいうまでもありません。

B 標準化の試み

 このことから、その園の一定の「保育の質」を維持・継続、さらには改善して行くためには、先ず園の保育目標が明確に示されると共に、それを達成するための一貫性と継続性を持った詳細な保育計画が作成され、さらに保育実践の後には常に評価と改善が行われる、いわゆる「PDCA」の営みが標準化されていることが重要になります。このように「保育の質」が保たれることによって、その園においては恒常的に安定した保育を提供することが可能になると考えられます。
 この場合、保育者一人ひとりが不断の努力を積み重ねて行かなければならないのは自明のことですが、それと両輪のごとく保育者に対して明確で理解可能な保育目標、そしてそれを達成するための方針・計画等が示されていなければ、その実現は極めて困難なことと思われます。
  このことに関して非常に興味深いのは、この不況下に独自の発想で市場に果敢に挑戦し、22期連続で増収増益を続ける一部上場企業の会社社長の次のような言葉です。

『そもそも「売れる営業」「成績の良い販売員」に着目することに、どれほど意味があるのでしょうか。雑誌に素晴しい接客技術を持つ方が登場しますが、それが企業にとって本質的なことかどうかを考えなければなりません。なぜなら、その人の神業的な技術によって、一店や二店なら繁昌店にすることはできるでしょう。しかし、その技術を標準化しチェーン化することは不可能です。個々の店員の技量は会社を伸ばすためには、本質的なことではないのです、もちろん、接客態度が優れているのは好ましいことですが、それはあくまでもプラス・アルファの部分だということを忘れてはいけないと思います。』

  譬えとしては適切でないかもしれませんが、まことの保育の加盟園をこの全国チェーン店に模すると、「まことの保育」においても、保育者個々の技量に期待するのではなく、「標準化」を図る試みが必要かと思われます。なぜなら、縁あって「まことの保育」を掲げる園に通いながら、それぞれの園によって受ける保育内容に格差があるようでは…、つまり園によって当たりハズレがあるようでは、子ども達やその保護者の方々に対して大変申し訳ない気がするからです。
したがって、全国どこの加盟園でご縁があっても、等質の「まことの保育」を受けることが出来るようなあり方を確立する必要があると言えます。

.保育現場の現状

@ まことの保育とは

浄土真宗本願寺派保育連盟の加盟園において、日々行われている保育のことを「まことの保育」とよんでいるのですが、保育者の中には「まことの保育とはどのような保育のことなのか、うまく言葉では説明出来ない」という人が少なからず見られます。
  端的に言うならば、『歎異抄』は親鸞聖人が「ただ念仏のみぞまこと…」と語られたことを伝え、また親鸞聖人ご自身は『教行信証』において「念仏は即ちこれ南無阿弥陀仏なり」と示しておられますので、「まことの保育」とは「私の思いではなく、阿弥陀仏の教えをよりどころとする保育(真実を宗とする保育=真宗保育)」であることが窺い知られます。
  『正信偈』において親鸞聖人が「惑染の凡夫」と述べられるように、私達は時々迷うのではなく、常に迷いそのものに染まり切った存在です。そのような迷いに満ち満ちた自己中心的な私の思いをよりどころにしたのでは、独善的保育に陥ってしまいます。そこで、常に自身を真実なる仏さまの教えに照らし、その教えをよりどころにしながら、子ども達と共に自らも育ち合うことを願う保育の在り方を「まことの保育」と称しています。

A 保育現場の状況

ところが、「まことの保育」を進めて行くにあたって、これまでに保育連盟からいろいろな資料・テキスト等が制作・提示され、あるいは繰り返し研修が催されてはいるものの、依然として保育現場からは「はっきりとはよく分からない…」という声が聞こえてくるのが現状です。
  また、保育の現場においては、毎月の「保育主題」を月案に取り入れてはいるものの、それを日々の保育の中でどのように具体化的していけば良いのか。
具体的な事例や、いわゆる指針となる保育計画等が作成・提示されていないために、保育者によっては「仏教行事」=「まことの保育」といった限定的・短絡的理解に陥っていたり、園によってはそれぞれの仏法に対する「お味わい」に任せるような在り方に留まっていたりすることがしばしば見られます。
  けれども、これではどれほど「まことの保育」の理念を高らかに掲げても、その具体的な実践及びその成果の獲得と評価は、各園あるいは各保育者ごとの裁量に委ねる他はなく、最終的には個々の保育者の資質に頼らざるを得ないのが保育現場の実状かと推察されます。

.保育主題

@ 保育主題の構成

「まことの保育」においては、その願いを実現していくために保育理念・保育方針・保育信条が定められています。そして、既に述べたように、毎月保育の主題がおかれ、それを月案に盛り込んで日々まことの保育が実践されていくように示されています。

  保育主題とは、幼児がこのように育ってほしいと願う理想と、経験する内容を抽象的に表現したもので、各園においてはこの主題に基づいて毎月の保育計画が作成され、実際に実施されることが期待されています。この毎月の保育主題は、
・ み仏の誓いを信じ 尊いみ名を称えつつ 強く明るく生き抜きます
・ み仏の光を仰ぎ 常に我が身をかえりみて 感謝のうちに励みます
・ み仏の教えにしたがい 正しい道を聞き分けて まことのみ法をひろめます
・ み仏の恵みを喜び 互いに敬い助け合い 社会のために尽くします
という「浄土真宗の生活信条」をもとに
・ あみださまをおがむ子ども
・ ありがとうの言える子ども

・ お話をよく聞く子ども
・ なかよくする子ども

という四つの柱を保育目標として掲げ、保育所保育指針や幼稚園教育要領に示された事項の内面に醸成される、宗教的な「心情・意欲・態度」を宗教的経験の系統的な深まりを考慮しながら、順に配列したものです。また、一つの主題は同時に他の主題とも重なる部分がありますので、保育内容における各領域がいくつも重なり合っている場合は、その重点となるものが掲げられています。
 したがって、日々の保育実践をしていく上では、各月の主題に掲げられている事柄を重ね合わせながら、総合的に展開・達成していくことが求められています。

A 現行・保育主題について

ところが、保育の現場においては、なかなかそれが具体的に実践されているとは言い得ない状況にあるとの感を否めないのが現状です。
  その理由として考えられるのが「主題」が仏教語であるため保育者にはすぐには理解し難いこと。またその意味を物語る言葉が、保育者に十分伝わっていないことなどです。
 具体的には、4月は「信順:おがみます」、5月は「讃嘆:たたえます」、6月は「歓喜:つよくのびます」と、それぞれに子どもの行動面で示してあるのですが、7月の「照育:おそだて」、8月の「反省:すみません」、9月の「報謝:ありがとう」、11月の「領解:こころがけ」、1月の「報恩:ごおん」、3月の「奉仕:おてつだい」などは、主題を説明する言葉が子どもの行動面で示されていないので、保育者に「わかりにくい」、さらには主題そのものが、「全体的な統一感を欠く」といったような印象を与えているようです。
  そこで、保育主題の表現はそのままに、それを説明する言葉を、もとになっている「浄土真宗の生活信条」に趣意を求め、それぞれ子どもの行動面で示すように改めると、いくぶん分かりやすくなるような気がします。具体的には、
  7月は「照育:あおぎます」、8月は「反省:かえりみます」、9月は「報謝:はげみます」、11月は「領解:こころがけます」、1月は「報恩:よろこびます」、3月は「奉仕:てつだいます」というように、他の月と同様に子どもの行動面で表すと良いのではないでしょうか。
 7月の「あおぎます」は何をあおぐのかというと、生活信条の「み仏の光をあおぎ…」を根拠にしていますので、これは「み仏の光をあおぐ」ことだと説明ができますし整合性もとれます。同様に8月の「かえりみます」は「常に我が身をかえりみて…」、9月の「はげみます」は「感謝のうちに励みます」を根拠にしていますので、同じく整合性がとれます。これは1月の「報恩」を物語る「よろこびます」も「み仏の恵を喜び…」を根拠にしていますので、何を喜ぶのかというと「み仏のめぐみ」を喜ぶことだと説明が出来ます。
  とは言え、主題そのものは仏教語ですから、それをいくら子どもの行動面で表したとしても、保育者や子ども達がその意味をすぐに理解するという訳にはいかないでしょうが、それでも主題全体の統一感は出ますし、またその意味については保育計画のねらいや配慮事項に示すことで、その意図を保育者が理解し、子ども達に伝えて行くことは十分に期待できます。

.保育主題の展開

@ 保育目標・計画の表現の仕方について

保育の現場では、保育目標を定め、それを実現するために年間・月間指導計画等を作成しています。そこで、先ずは園の願いとする保育目標を定め、さらに年間・月間指導計画の中に主題のねらいと留意事項を具体的に示すようにしています。
 指導計画を立てる場合、連続性と一貫性を持った内容とすることが大切なのですが、現行の保育主題は「月の主題」となっているため、これと合致しません。主題の内容は、その月だけ意識すればよい訳ではなく、いずれも年間を通して計画的に保育していくべき事柄です。
 ただし、主題を指導計画に盛り込んだとしても、それが日々の保育の中で生かされなければ、言い換えると「現場で使える保育計画」でなければ作った意味がありません。また指導計画を作成する際には、ただ記載するだけでなく、何よりも日々の保育の中で展開していくことを念頭においたものを作るよう心掛けることが大切です。
 そこで、園の保育目標をたてる際にも、保育主題を意識して作成することや、あるいは月案の中にもそれを明確に示すことに留意したいものです。
  ところで、この度の保育指針・教育要領の改定に際して、保育(教育)課程・保育指導計画の作成が義務付けられ、しかもその作成にあたっては保育指針・教育要領をもとに計画していくことになりました。そのため、ともすれば従来の表現のままこれらを園の保育目標に掲げたり、指導計画に盛り込もうとすることは整合性を欠く面があり、一部表現の見直しをすることを検討する必要があるように思われます。
  例えば、園の保育目標に掲げる際は「お話をよく聞く子ども」「なかよくする子ども」はそのままに、残る二つは「あみださまをおがむ子ども」を「まことに生きる子ども」、そして「ありがとうの言える子ども」は表現としては分かりやすいのですが、しかしながらもう少し保育内容の範囲を広げて「思いやりのある子ども」という表現に改めるといったあり方です。
 なお、なぜ「あみださまをおがむ子ども」を「まことに生きる子ども」とするのかというと、「おがむ」は「礼拝」ですが、「まことに生きる」は「帰命」といえます。
「まことの保育」は「真宗保育」、つまり「真実を宗とする保育」のことなのですから、どちらの表現がより適切であるかは、あえて説明の必要はないと思います。
  また、現在学校では「生きる力を育む」ことに意が注がれています。そこでこれを受けて、例えば「生きる力の基礎を育む」ために「生かされているいのちを喜ぶ子どもを育てる」ということを園の保育目標に掲げたとします。そして、さらに表現を改めた四つの柱をもとに、毎月の主題をさらに展開して

◎ まことに生きる子
* 心から頭を下げることのできる「まこと」があることを知る
* 他人の良い点を、素直にほめることが出来るようになる
* 嬉しい・楽しいという体験を通して、生きる喜びを得る

◎ 思いやりのある子
* いつでもどこでも、自分を照らし、見守るはたらきがあることを知る
* 間違えた時は、次からどうすればよいか、考える力を身につける

* 世の中には「無駄」なものは一つもないことを知り「もったいない」の心を身につける

◎ お話をよく聞く子
* 話は、相手の目を見て頷きながら聞き、よく内容を理解する
* 「きまり」を守ることの大切さを知り、自らを律する心を身につける
* 目標に向かって、努力を続ける力を身につける

◎ みんなと仲良くする子
* 多くのいのちやのはたらきのお蔭によって、生かされていることを喜ぶ
* 自分が、言われたりされたくないことは、友だちに対して慎む
* 自分が、誰かの役に立つ存在であることを喜ぶ

というような表現をすると、指導計画もたてやすくなると思われます。
 この場合、
毎月の指導計画の作成に当たっては、常に月の主題が最終的には「保育目標」に繋がることを意識することが大切です。
  さらに、保育主題を子ども達の中に定着させるひとつのあり方として、「保育主題」を子ども達の言葉に言い換えて、仏参の中でそれを「月目標」として言わせたり、毎月仏参の折りの法話で、その月目標の意味するところを子ども達に分かりやすく語り聞かせることも考えられます。
  今後「真宗保育(まことの保育)」を確立・実践していくためには、計画性・一貫性・継続性を持った保育への取り組み方が標準化されることが必須かと思われます。そのことが実現すれば、均等な質の「まことの保育」が個々の加盟園内並びに保育者において、そして全国の加盟園において維持・実践されるようになることが期待されます。
 加えて、保育現場の先生方に、より「まことの保育に携わっていること」を実感して頂くとするならば、具体的な実践例を「保育資料」に掲載していくことも一つの在り方として考えられます。


 参考資料  


   保 育 目 標

生かされている いのちを喜ぶ 子どもを育てる




まことに生きる子


・心から、頭を下げることのできる「まこと」があることを知る

・他人の良い点を、素直にほめることが出来るようになる

・嬉しい・楽しいという体験を通して、生きることの喜びを得る

思いやりのある子


いつでもどこでも、自分を照らし、見守るはたらきがあることを知る

・間違えた時は、次からどうすればよいか、考える力を身につける

・自分が何らかの恩恵を受けていることを知り、感謝の思いを表す

お話をよく聞く子

 
・話手の目を見て頷きながら聞き、よく内容を理解出来るようになる

・「きまり」を守ることの大切さを知り、いつも心掛けるようになる


・目標に向かって、努力し続ける力を身につける

みんなと仲良くする子


・多くのいのちやはたらきのお蔭によって、生かされていることを喜ぶ

・自分が言われたり、されたくないことは周囲の人に対して慎む

・自分が、誰かの役に立つ存在であることを喜ぶ

 3歳児保育指導計画への展

 4歳児保育指導計画への展開

 
5歳児保育指導計画への展開

 保育理念  親鸞聖人の生き方に学び、生かされているいのちにめざめ、ともに育ちあう
 保育方針  豊かな宗教的情操教育の中で、心身の調和的な発達を図り、ひとりひとりの幼児が幸せな生活のできるいしずえを築く
 保育信条  尊いみ教えを聞いて 仏の子を育てます
保 育 主 題 の 構 成
 み仏の誓いを信じ  まことに生きる子 信 順  おがみます
 尊いみ名を称えつつ 讃 嘆  たたえます
 強く明るく生きぬきます 歓 喜  つよくのびます
 み仏の光を仰ぎ  思いやりのある子 照 育  あおぎます
 常に我が身をかえりみて 反 省  かえりみます
 感謝のうちに励みます 報 謝  はげみます
 み仏の教えにしたがい  お話をよく聞く子 聞 法  よくききます
 正しい道を聞きわけて 領 解  こころがけます
 まことのみ法をひろめます  精 進  つとめます
 み仏の恵を喜び  みんなと仲よくする子 報 恩  よろこびます
 互いに敬い助け合い 和 合  なかよくします
 互いに敬い助け合い 奉 仕  てつだいます
園児の月目標
4月 信順 おがみます  私たちは、仏さまを拝むこどもになります
5月 讃嘆 たたえます  私たちは、仏さまをほめる子どもになります
6月 歓喜 つよくのびます  私たちは、強くのびる子どもになります
7月 照育 あおぎます  私たちは、仏さまのお育てを感じる子どもになります
8月 反省 かえりみます  私たちは、「ごめんなさい」と言える子どもになります
9月 報謝 はげみます  私たちは、「ありがとう」と言える子どもになります
10月 聞法 よくききます  私たちは、よく聞く子どもになります
11月 領解 こころがけます  私たちは、きまりを守るこどもになります
12月 精進 つとめます  私たちは、頑張る子どもになります
1月 報恩 よろこびます  私たちは、「ごおん」を喜ぶ子どもになります
2月 和合 なかよくします  私たちは、仲よくする子どもになります
3月 奉仕 てつだいます  私たちは、お手伝いをする子どもになります

 年齢別保育指導計画   

3歳児「まことの保育」 指導計画
主題 ね  ら  い 留 意 事 項
4 信順 仏さまを拝むことは、「仏さまを拝めば、自分に何らかの利益をもたらしてくれる」といったような、取り引きのためではない。損か得かではなく、たとえ自分の目には見えなくても、本当に心から頭を下げることの出来る真実(まこと)のはたらきがあるということを知らせる。 ・お参りの時、念珠は通常左手に持ち、床に置いたりせず、大切に扱うことを教える。
・合掌の時はしずかに手を合わせ、パチンと音をさせないことを教える。
・仏教讃歌は、歌詞の意味をよく理解して、元気よく歌うように声かけする。
5 讃嘆 自己中心性の強い幼児期には、他をほめるということはなかなか難しいもの。日頃口にしている「ナモアミダブツ」が仏さまをほめる尊い行為であることを伝え、それが何よりも素晴らしいことだと教えることで、他を認めそれを素直にほめることの出来る心を育む。 ・「ナモアミダブツ」と、きちんと声に出して称えることを教える。
・「ナモアミダブツ」と呼ぶと、その声の中に仏さまがいることを教える。
・友だちが良いことをした時には、みんで一緒にほめるようにする。
6 歓喜 「歓喜」とは心身で共に味わう喜びのこと。「根を養えば樹は自ら育つ」といわれるように、強く伸びるためには、幼児期に生きる喜びを心身で感じることの出来る体験が大切。また、一人ひとりの持ち味を十分に認めながら、自らをあるがままに表現できる環境を設定して自立心を育む。 ・遊びの中で、楽しい・嬉しいという「喜び」の体験を多く持てるようにする。
・善いことと悪いことの判断が正しく出来るように教える。
・身の回りのことがきちんと自分で出来るように援助する。
7 照育 光は、動植物だけではなく、人間にとっても成長していく課程で大切なはたらきをする。しかし、心が育つためには、心の闇を照らす真実の光がなくてはならない。子どもがのびのびと自分を表現できる場を与えて、個性のままに輝きを増して、自ら育って行けるよう待つことを心がける。 ・生き物はどのようにして育つか、周囲の環境をよく観察したり、みんなで一緒に考えさせる。
・子ども一人ひとりが、自分の思いを表現出来るような機会を多く与える。
・どんな人も、物も光の力によって育てられていることを教える。
8 反省 子どもは注意を受けても、叱られると間違いはそれで帳消しになると思いがち。言葉で謝っただけで「済み」になる訳ではないので「済みません」というが、他人に迷惑をかけた時には素直に謝罪の言葉を口にすることを教え、次から間違えないためにはどうするか考えることを習慣化する。 ・間違えた時には、その理由を明らかにしてわかりやすく教える。
・「すみません」「ごめんなさい」という言葉を素直にいえるようにする。
・「いいよ」と言って、他人の過ちを許せる寛容な心を育む。
9 報謝 「有り難う」という言葉は、それらのものや行為を受ける自分ではないことを反省した中からわきあがる感謝の気持ちを表したもの。人に対してだけでなく、あらゆるものに対しても心を通わせ、感謝の思いを抱き、素直に「ありがとう」と口に出来るような豊かな心を育む。 ・親切にしてもらった時には、必ず「ありがとう」と言うことを教える。
・人だけではなく、多くのものからもお世話になっていることに気付かせる。
・世の中には「無駄なもの」は一つもないことを教える。。
10 聞法 「聞く」ということは、具体的には「聞いて理解する」ということ。話を聞いたといっても、その聞いた話の内容を自分の言葉で語れなければ、それは聞かなかったのと同じである。「耳は二つ、口は一つ」と言われるが、話すことにもまして聞くことの大切さが身につくようにする。 ・話す前には、指遊び・手遊びなどをして集中力を高めるような配慮を行う。
・話を聞く時には話す人の眼を見て、頷きながら聞くように教える。
・話が終わったあとは、もう一度話の内容の概略を話して、聞いた内容を確認させる。
11 領解 集団生活の中で、自分勝手な行動は周囲の人々に迷惑をかけてしまう。そこで、集団においては、誰もが必ず守るべき「きまり」が設けられている。自己中心性の強い幼児にとって、いろいろなきまりを守ることは窮屈かもしれないが、きまりを守ることを通して忍耐の必要性を学ばせる。 ・社会生活を送る上では、いろいろな「きまり」を守ることの大切さを教える。
・園には、どのような「きまり」があるのかを繰り返し教える。
・いろいろな「きまり」を守らせることによって、自律心を育む。
12 精進 幼児期は、物事への興味が次々と移っていくことが多いので、一つのことに集中してそれを継続させるような配慮が大切。また、はじめはたとえ困難に見えるようなことでも、一見つまらないような身近な努力の積み重ねにより、やがて必ず実現することを、体験を通して実感させる。 ・すぐには出来なくても、毎日の積み重ねが大切であることを教える。
・それぞれの子どもの持ち味に応じて、集団の中で集中して遊べるような配慮をする。
・努めているときには必ずそのことを評価して一緒に喜ぶ。
1 報恩 日頃、何気なく目にしているものや事柄には、それが成り立つまでに、自分達の目にはみえない多くの支えやはたらきがある。また、それが当たり前ではないことを教え、自分が多くのいのちやはたらきによって、さまざまな恩を受けていることに気付かせる。 ・自分のいのちは自分ひとりだけのものではないことを教える。
・絵本や物語などを通して、いのちの尊さに気付くことが出来るように配慮する。
・目には見えなくても、いのちをささえるはたらき(おかげさま)があることを教える。
2 和合 「争い」は常に善と善とのぶつかりあいによって生じる。したがって「けんか」は奨励すべきものではないが、起こった時には、お互いの立場になって考えたり、どのようにすれば仲よく出来たのかを子ども達自身に述べさせて、敬い合い支え合うことの大切さに気付かせる。 ・自分だけがいつも正しい訳ではないことを教える。
・相手の立場になってものごとを考えることを教える。
・自分が言われたりされたくないことは、友だちもイヤなのだということを教える。
3 奉仕 「お手伝い」は、見返りを期待しない無償の行為であると同時に、子どもにとっては興味のある遊びの一つであり、社会性を広げる貴重な体験の機会である。身近な行為の中に手伝いがあることを教え、他人から信頼され一人前と認められたことに喜びを感じることで、自分の存在意義をもてるように導く。 ・「お手伝い」は、とても良い行為だということを教える。
・手伝いをした時には、必ずほめてその意欲を育てる。
・自分が「役に立った」という喜びを体験できるような機会を与える。

4月〜6月 7月〜9月 10月〜12月 1月〜3月
信順 お参りの時、念珠は床に置いたりせず、大切に扱うことを知る。 合掌の時はしずかに手を合わせ、パチンと音をさせたり、念珠で遊ばないようになる。 仏教讃歌は、歌詞の意味をよく理解して、元気よく歌えるようになる。 目には見えなくても、仏さまはいつでもどこでもそばにいて下さることを知る。
讃嘆 「ナモアミダブツ」と、きちんと声に出して称えることができるようになる。 自分から進んで元気よくあいさつをすることは、相手をほめることと等しいことを知る。 友だちが良いことをした時には、自分かに進んでそのことをほめることが出来るようになる。 友だちの良い点を素直にほめることが出来るようになる。
歓喜 身の回りのことが、きちんと自分でできるようになる。 遊びの中で、楽しい・嬉しいと感じる体験を多く持つ。 善いことと悪いことの判断が正しく出来るようになる。 嬉しい・楽しいと感じたことを言葉や身体を使って表現できるようになる。
照育 生き物はどのようにして育つか、周囲の環境をよく観察しながら、友達と一緒に考えられるようになる。 人や、物は光の力によって育てられていることを知る。 季節の移り変わるさまを見て、いのちの不思議さに目覚める。 のびのびと自分を表現する楽しさを知る。
反省 間違えた時には「すみません」「ごめんなさい」という言葉を素直にいえるようになる。 他人の過ちを、「いいよ」と言って許せる寛容な心が持てるようになる。 自分が間違えた時には、その理由を理解することができるようになる。 自分が間違えた時は、次からどうすれば良いか、考える力を身に付ける。
報謝 親切にしてもらった時には、必ず「ありがとう」と言えるようになる。 人だけではなく、周囲の多くのものからもお世話になっていることを知る。 世の中には「無駄なもの」など一つもないことを知る。 ものを大切にする「もったいない」の心を身に付ける。
聞法 話を聞く時には、話す人の目を見て聞けるようになる。 話を聞く時には話す人の目を見て、頷きながら聞くようになる。 話を聞く時は、おしゃべりをしないで最後まできちんと耳を傾けるようになる。 話を聞き終えた後は、話の内容を自分の言葉で言えるようになる。
領解 園には、どのような「きまり」があるのかを知る。 いろいろな「きまり」は、自分たちのためにあるのだということを知る。 誰も見ていなくても、「きまり」を守ることが出来るようになる。 いろいろな「きまり」を守ることを通して、自分勝手な行いを慎むようになる。
精進 集団の中で、集中して遊ぶことが出来るようになる。 すぐには出来なくても、毎日の積み重ねが大切であることを知る。 すぐに諦めないで、最後まで続けることの大切さを知る。 目標に向かって、継続できる力を身に付ける。
報恩 ものごとには、かならず原因があることを知る。 絵本や物語などを通して、自分のいのちが支えられ助けられていることを知る。 自分のいのちは自分ひとりだけのものではないことを知る。 目には見えなくても、いのちをささえるはたらき(おかげさま)があることを知る。
和合 自分だけが、いつも正しい訳ではないことを知る。 自分が言われたりされたくないことは、友だちも嫌だということを知る。 相手の立場になってものごとを考えることが出来るようになる。 自分が言われたり、されたくないことは、友だちに対して慎むようになる。
奉仕 「お手伝い」は、他の人に喜ばれるとても良い行いであることを知る。 「お手伝い」を通して、自分が他の人の役に立つ存在であるということを喜ぶ。 身近な行為の中に「お手伝い」があることを知る。 自分が誰かの役に立つ存在であることを喜ぶ。

4歳児「まことの保育」 指導計画
主題 ね  ら  い 留 意 事 項
4 信順 仏さまを拝むことは、「仏さまを拝めば、自分に何らかの利益をもたらしてくれる」といったような、取り引きのためではない。損か得かではなく、たとえ自分の目には見えなくても、本当に心から頭を下げることの出来る真実(まこと)のはたらきがあるということを知らせる。 ・お念珠で手遊びをしたり、友だちをたたいたりしないことを教える。
・お参りの間は、きちんと正座をして、姿勢を正すことを教える。
・仏教讃歌は、元気よく、歌詞をはっきりと歌うことを教える。
5 讃嘆 自己中心性の強い幼児期には、他をほめるということはなかなか難しいもの。日頃口にしている「ナモアミダブツ」が仏さまをほめる尊い行為であることを伝え、それが何よりも素晴らしいことだと教えることで、他を認めそれを素直にほめることの出来る心を育む。 ・「ナモアミダブツ」と称えることは、仏さまをほめる行為だということを教える。
・「ナモアミダブツ」と称えるその声の中に、仏さまがいて下さることを教える。
・お互いの良い点に気付いたら、そのことを素直にほめることの大切さを教える。
6 歓喜 「歓喜」とは心身で共に味わう喜びのこと。「根を養えば樹は自ら育つ」といわれるように、強く伸びるためには、幼児期に生きる喜びを心身で感じることの出来る体験が大切。また、一人ひとりの持ち味を十分に認めながら、自らをあるがままに表現できる環境を設定して自立心を育む。 ・遊びの中で、楽しい・嬉しいという「喜び」の体験を多く持てるようにする。
・健康、安全など生活に必要な基本的な生活習慣や態度を身につけさせる。
・雨が降って外で遊べなくても、雨の日には雨の日の遊び方があることを教える。
7 照育 光は、動植物だけではなく、人間にとっても成長していく課程で大切なはたらきをする。しかし、心が育つためには、心の闇を照らす真実の光がなくてはならない。子どもがのびのびと自分を表現できる場を与えて、個性のままに輝きを増して、自ら育って行けるよう待つことを心がける。 ・花や草木の育つ様子を見て、「いのち」は光によって育つことを教える。
・男女の性差別をするような言葉かけや保育をしないよう心掛ける。
・子どものイメージがわき出るような素材、玩具などを用意して、のびのびと表現させる。
8 反省 子どもは注意を受けても、叱られると間違いはそれで帳消しになると思いがち。言葉で謝っただけで「済み」になる訳ではないので「済みません」というが、他人に迷惑をかけた時には素直に謝罪の言葉を口にすることを教え、次から間違えないためにはどうするか考えることを習慣化する。 ・いつも自分だけが正しい訳ではないことを教える。
・自分の間違いに気付いたら、「すみません」「ごめんなさい」と素直にいえるように教える。
・他人の過ちを「いいよ」と言って許せる、寛容な心を育む。
9 報謝 「有り難う」という言葉は、それらのものや行為を受ける自分ではないことを反省した中からわきあがる感謝の気持ちを表したもの。人に対してだけでなく、あらゆるものに対しても心を通わせ、感謝の思いを抱き、素直に「ありがとう」と口に出来るような豊かな心を育む。 ・親切にしてもらった時には、必ず「ありがとう」の言葉を口にすることを習慣化する。
・人だけでもなく、多くのものからも、いつもお世話になっていることに気付かせる。
・世の中には「無駄なもの」は一つもないことを教え、「もったいない」の心を育む。
10 聞法 「聞く」ということは、具体的には「聞いて理解する」ということ。話を聞いたといっても、その聞いた話の内容を自分の言葉で語れなければ、それは聞かなかったのと同じである。「耳は二つ、口は一つ」と言われるが、話すことにもまして聞くことの大切さが身につくようにする。 ・子どもたちの興味や関心のある話や物語を用意して、集中して聞けるように配慮する。。
・話を聞く時には話す人の眼を見て、頷きながら聞くことを習慣化する。
・話が終わったあとは、理解できているか子どもたちに質問して、理解度を確認をする。
11 領解 集団生活の中で、自分勝手な行動は周囲の人々に迷惑をかけてしまう。そこで、集団においては、誰もが必ず守るべき「きまり」が設けられている。自己中心性の強い幼児にとって、いろいろなきまりを守ることは窮屈かもしれないが、きまりを守ることを通して忍耐の必要性を学ばせる。 ・社会生活を送る上では「きまりを守ること」が大切であることを教える。
・「きまり」は、自分達のためにあるのだということに気付かせる。
・いろいろな「きまり」を守らせることによって、自律心を育む。
12 精進 幼児期は、物事への興味が次々と移っていくことが多いので、一つのことに集中してそれを継続させるような配慮が大切。また、はじめはたとえ困難に見えるようなことでも、一見つまらないような身近な努力の積み重ねにより、やがて必ず実現することを、体験を通して実感させる。 ・すぐには出来なくても、毎日の練習を重ねることで上達することを教える。
・それぞれの子どもの持ち味に応じて、集団の中で楽しく遊べるような配慮をする。
・努めているときには必ずそのことを評価して励ます。
1 報恩 日頃、何気なく目にしているものや事柄には、それが成り立つまでに、自分達の目にはみえない多くの支えやはたらきがある。また、それが当たり前ではないことを教え、自分が多くのいのちやはたらきによって、さまざまな恩を受けていることに気付かせる。 ・自分のいのちは、自分ひとりだけのものではないことを教える。
・絵本や物語などを通して、いのちの尊さに気付くことが出来るように配慮する。
・目には見えなくても、いのちをささえるはたらき(おかげさま)があることを教える。
2 和合 「争い」は常に善と善とのぶつかりあいによって生じる。したがって「けんか」は奨励すべきものではないが、起こった時には、お互いの立場になって考えたり、どのようにすれば仲よく出来たのかを子ども達自身に述べさせて、敬い合い支え合うことの大切さに気付かせる。 ・自分がいつも正しい訳ではないことに気付かせる。
・相手の立場になって考えることの大切さを教える。
・自分が言われたりされたくないことは、友だちにも言ったりしたりしないことを教える。
3 奉仕 「お手伝い」は、見返りを期待しない無償の行為であると同時に、子どもにとっては興味のある遊びの一つであり、社会性を広げる貴重な体験の機会である。身近な行為の中に手伝いがあることを教え、他人から信頼され一人前と認められたことに喜びを感じることで、自分の存在意義をもてるように導く。 ・「迷惑をかけないこと」もお手伝いであることを教える。
・手伝わせることで、自分の存在意義をもてるような声かけをする。
・園や家庭で、どのようなお手伝いが出来るか考えさせる。

4月〜6月 7月〜9月 10月〜12月 1月〜3月
信順 仏教讃歌は、元気よく、歌詞をはっきりと歌えるようになる。 お参りの間は、きちんと正座をしてお念珠で遊んだりしないようになる。 お参りの間は、正しい姿勢を保つことが出来るようになる。 仏さまは、いつでもどこでも見守っていて下さることを知る。
讃嘆 朝夕の「あいさつ」は、自分から進んで元気よく出来るようになる。 友だちの良い点に気付いたら、そのことを素直にほめることが出来るようになる。 友だちの良い点を認め、それをほめることの大切さを知る。 「ナモアミダブツ」と称えることは、仏さまをほめる尊い行為だということを知る。
歓喜 健康・安全など生活に必要な基本的生活習慣を身に付ける。 友だちと一緒に遊ぶ中で、仲間と喜びを共にすることの楽しさを知る。 遊びの中で目標を設定し、それを達成することの喜びを味わう。 友だちとの関わりの中で、嬉しい・楽しいという体験を多く持つ。
照育 花や草木の育つ様子を見て、「いのち」は光によって育つことを知る。 お互いの違いを認め合い、それぞれの持ち味を大切に出来るになる。 自分の思っていることを、伸び伸びと表現する楽しさを知る。 イメージしたことを言葉や身体を使って表現する力を身に付ける。
反省 いつも自分だけが正しい訳ではないことを知る。 自分の間違いに気付いたら、「すみません」「ごめんなさい」と素直に言えるようになる。 他人の過ちを「いいよ」と言って許せる、寛大な心を育む。 間違えた時は次からどうすれば良いか、考える力を身に付ける。
報謝 親切にしてもらった時には、必ず「ありがとう」と言えるようになる。 人だけでなく、多くのものからも、いつもお世話になっていることに気付く。 人や周囲のあらゆるものに対しても「ありがとう」と素直に言えるようになる。 世の中には、無駄なものは一つもないことを知り「もったいない」の心を身に付ける。
聞法 話を聞く時には、話している人の目を見て聞く習慣を身に付ける。 話を聞く時には、話している人の目をみて、頷きながら聞くようになる。 話の内容が分かったか、分からなかったか、意思表示が出来るようになる。 話は相手の目を見て頷きながら聞き、よく内容を理解する。
領解 「きまり」を守らないと、人に迷惑をかけてしまうことを知る。 「きまり」は、自分たちのためにあることに気づく。 善悪の判断は自分で出来るようなる。 「きまり」を守ることの大切さを知り、自らを律する心を身につける。
精進 集団の中で楽しく遊ぶことを通して、集中して取り組む力を身に付ける。 すぐにはできなくても、毎日の努力を重ねることで上達することを知る。 掲げた目標向かって諦めずに進み続ける力を身に付ける。 目標に向かって努力を続ける力を身に付ける。
報恩 絵本や物語などを通して、自分が受けたこと(恩)に報いることの尊さを知る。 自分のいのちは、自分ひとりだけのものではないことを知る 目には見えなくても、いのちをささえるはたらき(おかげさま)があることを知る。 多くのいのちやはたらきのお蔭によって、生かされていることを喜ぶ。
和合 いつも自分だけが正しい訳ではないことを知る。 相手の立場になって考えることの大切さを知る。 自分が言われたりされたくないことは、友だたも言われたりされたくないということを理解する。 自分が言われたり、されたくないことは、友だちに対して慎む。
奉仕 当番活動やお手伝いに、自ら積極的に取り組むようになる。 他人に迷惑をかけないこともお手伝いの一つであることを知る。 園や家庭で、自分にはどのようなお手伝いができるか考える。 自分が誰かの役に立つ存在であることを喜ぶ。

5歳児「まことの保育」 指導計画
主題 ね  ら  い 留 意 事 項
4 信順 仏さまを拝むことは、「仏さまを拝めば、自分に何らかの利益をもたらしてくれる」といったような、取り引きのためではない。損か得かではなく、たとえ自分の目には見えなくても、本当に心から頭を下げることの出来る真実(まこと)のはたらきがあるということを知らせる。 ・お参りの時、合掌は45度の角度で手を合わせ、礼拝も45度の角度で行うことを教える。
・いつでも、どこでも、仏さまに見守られていることを教える。
・仏教讃歌は、歌詞の意味をよく理解して、元気よく丁寧に歌うことを教える。
5 讃嘆 自己中心性の強い幼児期には、他をほめるということはなかなか難しいもの。日頃口にしている「ナモアミダブツ」が仏さまをほめる尊い行為であることを伝え、それが何よりも素晴らしいことだと教えることで、他を認めそれを素直にほめることの出来る心を育む。 ・「ナモアミダブツ」を称えることは、仏さまをほめることであることを教える。
・「ナモアミダブツ」は、同時に仏さまが自分を呼んでいる声だということを教える。
・他をほめることは、とても素晴らしい行為だということを教える。
6 歓喜 「歓喜」とは心身で共に味わう喜びのこと。「根を養えば樹は自ら育つ」といわれるように、強く伸びるためには、幼児期に生きる喜びを心身で感じることの出来る体験が大切。また、一人ひとりの持ち味を十分に認めながら、自らをあるがままに表現できる環境を設定して自立心を育む。 ・遊びの中で、楽しい・嬉しいという「喜び」の体験を多く持てるようにする。
・他人の目を基準にするのではなく、自ら善悪の判断を行うことの大切さを教える。
・自分の体を大切にしようとする気持ちを育む。
7 照育 光は、動植物だけではなく、人間にとっても成長していく課程で大切なはたらきをする。しかし、心が育つためには、心の闇を照らす真実の光がなくてはならない。子どもがのびのびと自分を表現できる場を与えて、個性のままに輝きを増して、自ら育って行けるよう待つことを心がける。 ・アサガオの観察などを通して、「いのち」は光によって育つことを教える。
・ひとりひとりの「持ち味(個性)」を認め、自分らしさを表現できるような配慮をする。
・いつでもどこでも仏さまの光に照らされていることを教える。
8 反省 子どもは注意を受けても、叱られると間違いはそれで帳消しになると思いがち。言葉で謝っただけで「済み」になる訳ではないので「済みません」というが、他人に迷惑をかけた時には素直に謝罪の言葉を口にすることを教え、次から間違えないためにはどうするか考えることを習慣化する。 ・間違えた時には、その理由を明らかにして次からどうすればよいか考えさせる。
・自分が間違えていることに気付いたら、「すみません」「ごめんなさい」といわせる。
・誰にでも間違いがあることを教え、他人の過ちを許せる寛容な心を育む。
9 報謝 「有り難う」という言葉は、それらのものや行為を受ける自分ではないことを反省した中からわきあがる感謝の気持ちを表したもの。人に対してだけでなく、あらゆるものに対しても心を通わせ、感謝の思いを抱き、素直に「ありがとう」と口に出来るような豊かな心を育む。 ・親切にしてもらった時には、必ず「ありがとう」の言葉を口にすることを定着させる。
・人やものから、いつもお世話になっていることに気付かせ、ものにも感謝することを教える。
・世の中には「無駄なもの」は一つもないことを教え、「もったいない」の心を育む。
10 聞法 「聞く」ということは、具体的には「聞いて理解する」ということ。話を聞いたといっても、その聞いた話の内容を自分の言葉で語れなければ、それは聞かなかったのと同じである。「耳は二つ、口は一つ」と言われるが、話すことにもまして聞くことの大切さが身につくようにする。 ・くつろいだ雰囲気の中で、興味や関心のある話や物語を用意してゆっくりと話す。
・対話形式を多く用い、子どもたちに質問をして、理解度を確認しながら話を進める。
・話を聞き終わった後は、どのような話だったか感想をまじえて述べさせる。
11 領解 集団生活の中で、自分勝手な行動は周囲の人々に迷惑をかけてしまう。そこで、集団においては、誰もが必ず守るべき「きまり」が設けられている。自己中心性の強い幼児にとって、いろいろなきまりを守ることは窮屈かもしれないが、きまりを守ることを通して忍耐の必要性を学ばせる。 ・社会生活を送る上では「きまりを守ること」が大切であることを理解させる。
・「きまり」は、自分達のためにあるのだということに気付かせる。
・いろいろな「きまり」を守らせることによって、自律心を育む。
12 精進 幼児期は、物事への興味が次々と移っていくことが多いので、一つのことに集中してそれを継続させるような配慮が大切。また、はじめはたとえ困難に見えるようなことでも、一見つまらないような身近な努力の積み重ねにより、やがて必ず実現することを、体験を通して実感させる。 ・すぐには出来なくても、ものごとは毎日の積み重ねによって実現することを教える。
・それぞれの子どもの持ち味に応じて、集団の中で集中して遊べるような配慮をする。
・努めているときには必ずそのことを評価して励ます。
1 報恩 日頃、何気なく目にしているものや事柄には、それが成り立つまでに、自分達の目にはみえない多くの支えやはたらきがある。また、それが当たり前ではないことを教え、自分が多くのいのちやはたらきによって、さまざまな恩を受けていることに気付かせる。 ・自分のいのちは、いつも多くのいのちに願われていることを教える。
・絵本や物語などを通して、いのちを大切にすることを教える。
・目には見えなくても、いのちをささえるはたらき(おかげさま)があることを教える。
2 和合 「争い」は常に善と善とのぶつかりあいによって生じる。したがって「けんか」は奨励すべきものではないが、起こった時には、お互いの立場になって考えたり、どのようにすれば仲よく出来たのかを子ども達自身に述べさせて、敬い合い支え合うことの大切さに気付かせる。 ・自分の考えとは、違う考え方があることを教える。
・争いが生じた時には、どのようにすれば仲良く出来たのかを一緒に考える。
・自分が言われたりされたくないことは、友だちにも言ったり、したりしないことを教える。
3 奉仕 「お手伝い」は、見返りを期待しない無償の行為であると同時に、子どもにとっては興味のある遊びの一つであり、社会性を広げる貴重な体験の機会である。身近な行為の中に手伝いがあることを教え、他人から信頼され一人前と認められたことに喜びを感じることで、自分の存在意義をもてるように導く。 ・「思いやりのある言葉」「「やさしい微笑み」などもお手伝いであることを教える。
・手伝ったことで相手が喜んだとき、その喜びを共にすることの大切さを教える。
・「他の人のために、自分は何が出来るのか?」ということを考えさせる。

4月〜6月 7月〜9月 10月〜12月 1月〜3月
信順 お参りの時、合掌は45度の角度で手を合わせ、礼拝も45度の角度で行うことが出来るようになる。 仏教讃歌は、歌詞の意味をよく理解して元気よく丁寧に歌えるようになる。 いつでも、どこでも、仏さまに見守られていることを知る。 心から頭を下げることのできる「まこと」があることを知る。
讃嘆 「なもあみだぶつ」を称えることは、仏さまをほめることであることを知る。 他をほめることは、とても素晴らしい行為だということを知る。 他をほめることは、とても素晴らしい行為だということに気づく。 他人の良い点を素直にほめることが出来るようになる。
歓喜 遊びや生活の中で、楽しい・嬉しいという「喜び」の体験を多く持つ。 自ら、善悪の判断を行うことの大切さを知る。 自分の身体を大切にしようとする気持ちを持てるようになる。 嬉しい・楽しいという体験を通して、生きる喜びを知る。
照育 アサガオやピーマンなどの観察などを通して「いのち」は光によって育つことを知る。 他の人の「持ち味(個性)」を認め、自分らしさを表現できるようになる。 いつでもどこでも仏さまの光に照らされていることを知る。 いつでもどこでも自分を照らし、見守るはたらきがあることを知る。
反省 自分が間違えていることに気づいたら「すみません」「ごめんなさい」といえるようになる。 間違えた時には、次からどうすればよいか考えられるようになる。 誰にでも間違いがあることに気付き、他人の過ちを許せるような心が持てるようになる 間違えた時は次からどうすれば良いか、考える力を身に付ける。
報謝 ものを貰った時だけが「ありがとう」ではないことに気付く。 親切にしてもらった時には、必ず「ありがとう」の言葉が言えるようになる。 人やものから、いつもお世話になっていることに気付き感謝できるようになる。 世の中には、無駄なものは一つもないことを知り「もったいない」の心を身に付ける。
聞法 話しを聞く時は、話す人の目を見て集中して聞けるようになる。 話を聞く時は、理解出来た時は頷くことを習慣化する。 聞いた内容を理解し、どのような話だったか自分の言葉で言えるようになる。 話は相手の目を見て頷きながら聞き、よく内容を理解する。
領解 自分勝手な行動は、周囲の人に迷惑をかけること知る。 「きまり」は、自分たちのためにあるのだということに気付く。 社会生活を送る上では「きまりを守ること」が大切であることを理解する。 「きまり」を守ることの大切さを知り、自らを律する心を身につける。
精進 ひとつの遊びに、集中して取り組むことができるようになる。 自分が目標に掲げたことは、すぐには出来なくても諦めない心を持つ。 たとえすぐには出来なくても、ものごとは毎日の積み重ねによって実現することを知る。 目標に向かって努力を続ける力を身に付ける。
報恩 絵本や物語などを通して、いのちの大切さを知る。 自分のいのちは、多くのいのちに願われ支えられていることを知る。 目に見えなくても、いのちをささえるはたらき(おかげさま)があることを知る。 多くのいのちやはたらきのお蔭によって、生かされていることを喜ぶ。
和合 世の中には、自分の考えとは違う考え方があることを知る。 争いが生じたとき、相手の立場になって考えることが出来るようになる。 争いが起こった時、どのようにすれば仲よく出来たのかを考えることができるようになる。 自分が言われたり、されたくないことは、友だちに対して慎む。
奉仕 当番活動を通して、お手伝いの楽しさを味わう。 手伝うことで、他の誰かが喜んでくれることを知る。 「他の人のために自分は何が出来るか」ということを考えられるようになる。 自分が誰かの役に立つ存在であることを喜ぶ。