薩摩郷句(その5)平成16年度用
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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− 目 次 −

 
「湯冷め」(ゆざめ)   [平成16年12月号]
「七五三」(しちごさん)   [平成16年11月号]
「鮎」(あい、あゆ)   [平成16年10月号]
「甘藷」(からいも、かいも)   [平成16年9月号]
「中元」(ちゅうげん)   [平成16年8月号]
「雷」(かんなれ)   [平成16年7月号]
「闇」(やん)   [平成16年6月号]
「矢」(や)   [平成16年5月号]
「花粉症」(かふんしょ)   [平成16年4月号]
「鶴」(つい)   [平成16年3月号]
「入試」(にゅうし)   [平成16年2月号]
「初日」(はつひ)   [平成16年1月号]

[平成17年1月号]は「寒稽古」(かんげいこ)です。
フレイムが変わります。平成17年作はこちらです












平成16年12月号  兼題 「湯冷め(ゆざめ)

(入選 2席)
温り風呂い 孫と長ご入っ 湯冷めしっ
(ぬりふろい  まごとなごいっ  ゆざめしっ)  
(唱)(相手しも堪さん 厄介な玩具)
(えてしものさん やっけなおもちゃ)

風呂上い  寝巻も着らじ  湯冷めしっ
(ふろあ゛い  ねまっもきらじ  ゆざめしっ ) 

湯冷めよち  養生を甘もみっ  肺炎になっ
(ゆざめよち  よぞをあもみっ  はいえんになっ) 

温泉で  一杯飲ん寝たや  湯冷めしっ
(おんせんで  いっぺのんねたや  ゆざめしっ) 

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平成16年11月号  兼題 「七五三(しちごさん)

(入賞 人位)
何時の世も 子供ま宝ち 七五三
(いっのよも こどまたからち しちごさん)  
(唱)(しかぎいのこつ してやろち言っ)
(しかぎいのこつ してやろちゆっ)

お下がゆば 着らんち妹ちゃ ごねでけっ
(おさがゆば きらんちいもちゃ ごねでけっ )  
(唱)(新け品をば 買っきたとじゃち嘘)
(にけしなをば こっきたとじゃちうそ)

子供よっか 母親が念が要っ 七五三
(こどんよっか かかがねんがいっ しちごさん) 

親子とも 着物が良似合う 七五三
(おやことも きもんがゆにおう しちごさん) 

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平成16年10月号  兼題 「鮎」(あい、あゆ)

(入選 4席)
鮎釣いな 大雨警報は 他所んこっ
(あいついな うあめけいほは よそんこっ)  
(唱)(油断ぬすっと 恐ろしか事故)
(ゆだんぬすっと おそろしかじこ)

名人の 側べ寄っみてん 鮎や釣れじ
(めいじんの そべよっみてん あやつれじ )  
(唱)(馬鹿けされたよな 気分の素人)
(ばけされたよな きぶんのしろと)

釣った鮎 料理しっ焼酎飲ん 歌ずい出っ
(つったあゆ ずいしっしょつのん うたずいでっ) 

釣ったはずん 鮎ん袋い 値札が付ちょっ
(つったはずん あゆんふくろい ねがちちょっ) 

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平成16年9月号  兼題 「甘藷」(からいも、かいも)

(入選 2席)
甘藷飴 伸ばす気合が 味ず変えっ
(かいもあめ  のばすきあいが  あずかえっ)  
(唱)(引けば引くしこ  美味もない味)
(ひけばひっひこ  うんもないあっ)

甘藷飴め  十銭店が  懐かしゅし
(かいもあめ  じっせんみせが  なっかしゅし )  
(唱)(楽しゅんじゃった  神社ん祭い)
(たのしゅんじゃった  じんしゃんまつい)

甘藷に  長生く貰ろた  七十代
(からいもに  ながいくもろた  ななじゅうだい) 

甘藷と  麹しと根性ょで  焼酎を造くっ
(からいもと  こしとこんじょで  しょつをつくっ) 

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平成16年8月号  兼題 「中元」(ちゅうげん)

(入選 1席)
中元な 貰ろも贈っとも 気を遣こっ
(ちゅうげんな もろもやっとも きをつこっ)  
(唱)(義理張や 堪さんもんじゃち吐息)
(ぎいはや のさんもんじゃちういっ)

中元が 来んはっが無ち 心配を焼っ
(ちゅぅげんが こんはっがねち せわをえっ )  
(唱)(病れちょやせんか してみい電話)
(だれちょやせんか してみいでんわ)

中元に 添えた手紙が 縁ぬ結っ
(ちゅうげんに そえたてがんが えんぬむすっ) 

中元を 奮発したどん 据え置かれっ
(ちゅうげんを ふんぱつしたどん すえおかれっ) 

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平成16年7月号  吟題 「雷」(かんなれ)

(入賞 人位)
雷が 引 落れた後見っ 後塞がしっ
(かんなれが ひっちょれたあとみっ あとぜっがしっ)  
(唱)(近き居らじ 命つば拾っ)
(ちかきおらじ いのつばひるっ)

ゴルフ狂 雷雨にゃ びびっちょっ
(ごるふきょう かんなれあめにゃ びびっちょっ )  
(唱)(雨宿ゆすい場所も無芝生)
(あまやどゆすいばしょもね しばふ)

雷は 逃ぐっでち古いか 蚊帳を張っ
(かんなれは にぐっでちふいか かやをはっ) 

雷は 臍ん落っどち 腹巻しっ
(かんなれは へそんおつっどち はらまくしっ) 

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平成16年6月号  吟題 「闇」(やん)

(入選 5席)
闇の夜い 眩いライトで 花見酒
(やんのよい めばいライトで はなんざけ)  
(唱)(夜桜なんだ 目どみな入らじ)
(よざくらなんだ めどみないらじ)

暗闇に 提灯ぬ頼っ 行た昔
(くらやんに ちょうちんぬたよっ いたむかし)  
(唱)(今ん若け衆は 想像もつかじ)
(いまんわけしだ そうぞもつかじ)

闇の夜な 煩せ鼾も 頼いしっ
(やんのよな うるせいびっも たよいしつ) 

終戦後 闇米んお陰で 命ゅ繋っ
(しゅうせんご やんこめんおかげで いのちゅつねっ) 

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平成16年5月号  吟題 「矢」(や)

(入選 3席)
矢は的ん 当てたて御神籤じゃ 凶ち出っ
(やはまとん あてたてくじゃ きょうちでっ)  
(唱)(どっちを しんようすいか 不安)
(どっちを しんようすいか ふあん)

たかか矢も 歴史館でな 床間め在っ
(たかがやも れきしかんでな とこめあっ)  
(唱)(誰が持っちょったかで 違ご値打)
(だがもっちょったかで ちごねうっ)

ロケットん 血筋ず探ったや 矢が元祖
(ロケットン ちすずさぐったや やががんそ) 

吃驚た 矢をば追越せた 新幹線
(たまがった やをばうこせた きしゃポッポ) 

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平成16年4月号  吟題 「花粉症」(かふんしょ)

(入選 5席)
花粉症 掃除が悪りでち 妻を叱っ
(かふんしょう そうじがわりでち かかをがっ)  
(唱)(塵の沙汰でな ごあはん病気)
(ごんのさたでな ごあはんやんめ)

花粉症い 犬も罹ったよな くしゃんぬしっ
(かふんしょい いんもかかったよな くしゃんぬしっ)  
(唱)(御馳走どんくうて 弱ぇ身体でしなっ)
(ごっそどんくて よえからでしなっ)

広告見っ 花粉症じやっち 診断っ来っ
(こうこくみっ かふんしょじゃっち きめっきっ) 

暖くなれば 風向が心配し 花粉症
(ぬくなれば かざむっがせわし かふんしょう) 

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平成16年3月号  吟題 「鶴」(つい)

(入賞 人位)
鶴や 俺ゆ真似ちょっち 笑る案山子
(つんのとや おゆまねちょっち わるかかし)  
(唱)(一本足で 立っちょいが言っ)
(いっぽんあしで たっちょぃがちゆっ)

万羽鶴 観光客くば 連れっ来っ
(まんばづい かんこうきゃくば つれっきっ)  
(唱)(無事じ帰れよち 送い北帰行)
(ぶじもどれよち おくいほっきこ)

綺麗な鶴 肥満あひるが 真似っ飛ん
(しゃんなつい だんべあひるが まねっとん) 

出水の鶴 病気も知らじ 飛ん帰っ
(いずんのつい やんめもしらじ とんもどっ) 

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平成16年2月号  吟題 「入試」(にゅうし)

(入選2席)
入試ミス 何歳ちなってん  思め出せっ
(にゅうしみす いくちなってん おめだせっ)  
(唱)(簡単し問題ゆ 間違ごたち後悔)
(もやしもんだだゆ まっごたちくけ)

入試でな 先き名を書けち 祖父どま心配
(にゅうしでな さきなをかけち じどませわ)  
(唱)(婆さんなんだ 茶断っずいしっ)
(ばあさんなんだ ちゃだっずいしっ)

入試ずい 親が付て行っ 可愛親子
(にゅうしずい おやがちていっ もぜおやこ) 

天満宮 入試前にな 大騒渋滞
(てんまんぐう にゅうししまえにな わぜじゅうたい) 

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平成16年1月号  吟題 「初日」(はつひ)

(入選1席)
寒むも無か 初日ん下で 泳っ初め
(さむもねか はつひんしたで およっぞめ)  
(唱)(見ておい人が ぶるぶる震っ)
(みておいひとが ぶるぶるふるっ)

(入選5席)
初日をば 開聞岳で 見た昔
(はつひをば かいもんだけで みたむかし)  
(唱)(若けかった日を 懐かしゅ思っ)
(わけかったひを なつかしゅおもっ)

初日の出 雲で見えんが 拝んじょっ
(はつひので くもでみえんが おがんじょっ)
(唱)(そいが済まんにゃ 飲まれんお屠蘇)
(そいがすまんにゃ のまれんおとそ)  

初日にな  古参力士も 硬しなっ
(しょちにな こさんりきしも かとしなっ) 

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