薩摩郷句(その4)平成15年度用
鮫島爺児医 作 三條風雲児 選
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− 目 次 −



「新米」(にかこめ)   [平成15年12月号]
「秋刀魚」(さんま)   [平成15年11月号]
「枝豆」(えだまめ)   [平成15年10月号]
「昼寝」(ひんね)   [平成15年9月号]
「日傘」(ひがさ)   [平成15年8月号]
「帽子」(ぼし)   [平成15年7月号]
「梅干し」(うめぼし)   [平成15年6月号]
「粽、灰汁粽」(まっ、あっまつ)   [平成15年5月号]
「湯治」(とつ、とじ)   [平成15年4月号]
「目刺」(めざし、がらんつ)   [平成15年3月号]
「注射」(ちゅうしゃ)   [平成15年2月号]
「年賀状」(ねんがじょう)   [平成15年1月号]


平成15年12月号  吟題 「新米」(にかこめ)
(入選二席)
新米は 先き神棚い  供げち祖父
(にかこめは  さきかんだない  あげちとと)  
(唱)(感謝すいこつ 忘るんな言っ)
(かんしゃすいこつ  わするんなちゅっ)

新米い  箸も茶碗も 新けてしっ
(にかこめい  はしもちゅわんも  にけてしっ)
(唱)(まこて有難て 今夜んお膳)
(まこてあいがて  こんやんおぜん)  

新米も  冷飯しなれば  素っ気のし
(にかこめも ひやめしなれば  そっけのし)
(唱)(温めもせじ出す  倦怠期)
(ぬっめもせじだす  けんたいき)  

新米を  大切じ仕舞込ん  古けなげっ
(にかこめを てせじしめこん  ふるけなげっ)

新米ち  言っ聞かせっから  お代しっ
(にかこめち  いっかせっから  おかわりしっ)

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平成15年11月号  吟題 「秋刀魚」(さんま)
(入賞天位)
秋刀魚にな 大根おろしが 良か態合っ
(さんまにな でこんおろしが よかふおっ)  
(唱)(こいじゃこいじゃち 機嫌良か亭主)
(こいじゃこいじゃち きげんよかとと)

秋刀魚をば 狙ろちょい猫を 父親が追っ
(さんまをば ねろちょいねこを ととがうっ)
(唱)(油断ぬすっと 恵らん肴)
(ゆだんぬすっと のさらんしおけ)  

秋刀魚を焼っ 側を通ったや 腹が鳴っ
(さんまをやっ そばをとおったや はらがなっ)

日本食き 秋刀魚が出れば 欲し焼酎
(にほんしょき さんまがでれば ほししょうつ)

秋刀魚にな 骨が多かでち 童な食さじ
(さんまにな ほねがうかでち こなくをさじ)

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平成15年10月号  吟題 「枝豆」(えだまめ)
(入賞5席)
頼まんて 先っ枝豆が 出い飲ん屋
(たのまんて まっえだまめが でいのんや)  
(唱)(腹口ち溜まいよな 量じゃ無し)
(はらくちたまいよな りょうじゃのし)

枝豆も 安か見事か 輸入品
(えだまめも やすかみごっか ゆにゅうひん)
(唱)(日本の豆と 味じゃ違ご如有っ)
(にほんのまめと あじゃ ちごごたっ)  

焼酎にな 枝豆目刺が 良か態い合っ
(しょつにな まめとめざしが よかふいおっ)

枝豆迄い 無農薬かち 心配を焼っ
(だまめずい むのうやくかち せわをえっ)

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平成15年9月号  吟題 「昼寝」(ひんね)
(入賞5席)
疲れも飛っ 仕事ちゃ捌くい 昼寝後
(だれもつっ しごちゃさばくい ひんねあと)  
(唱)(短時間でん 効果はあがっ)
(たんじかんでん こうかはあがっ)

暑かれば 裸ん昼寝 風邪を引っ
(ぬっかれば はだかんひんね かぜをひっ)
(唱)(扇風機どん 使こたが 間違げ)
(せんぷうきどん つこたが まっげ)  

授業中 昼寝に鼾 起立されっ
(じゅぎょうちゅう ひんねにいびっ たたされっ)

好かん奴い 昼寝ん真似しっ 語らじ済ん
(すかんとい ひんねんまねしっ かたらじすん)

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平成15年8月号  吟題 「日傘」(ひがさ)
(入賞3席)
高価日傘 夕立ちな差さじ びっしょ濡れ
(たけひがさ さだちなささじ びっしょぬれ)  
(唱)(倹しもんじゃち 笑るちょい亭主)
(つましもんじゃち わるちょいとのじょ)

日傘をば 雨傘せも使こ ゴルフ場
(ひがさをば あまがせもつこ ごるふじょう)
(唱)(雷れなれば 危ねち逃げっ)
(かんなれなれば あんねちにげっ)  

祖母様も 日傘ん下でな 若こ見えっ
(ばばさまも ひがさんしたでな わこみえっ)

パラソルは 日除けとお洒落ん 二役しっ
(ぱらそるは ひよけとおしゃれん ふたやくしっ)

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平成15年7月号  吟題 「帽子」(ぼし)
(佳作)
触ってん  麦藁帽子すば  買気は無し
(かかってん  むっがらぼすば こきはのし)  
(唱)(渋か顔をばしておい 売い子)
(しぶかつらをばしておい ういこ)

如何ん帽子す 被ろが美人な 良う似会っ
(いけんぼす かぶろがシャンな ゆうによっ)
(唱)(生まれつっが 良か人は得っ)
(うんまれつっが よかひとはとっ)  

祖母様ん 帽子褒めたとに 踊い出けっ
(おばばさん ぼすほめたとに おどいでけっ)

カンカン照 帽子被れ言っ 孫を追っ
(かんかんでい ぼすかぶれちゆっ まごをうっ)

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平成15年6月号  吟題 「梅干し」(うめぼし、うんめぼし)
(入選 二席)
梅干しゃ O157 寄せつけじ
(うんめぼしゃ オーイッゴナナ よせつけじ)
( 唱 )家族中で 食っちょい 梅雨時
(けねじゅうで くっちょい ながしどっ)

(佳作)
握飯しな 梅干し紫蘇が 良か塩気
(にぎめしな うめぼししそが よかしおけ)  
(唱)(夫婦仲ん如っ ぴったいと合っ)
(みとなかんごっ ぴったいとおっ)

虫刺 良か案配効た 梅干
(むしさされ よかあんべきた うんめぼし)  

梅干 中ん実が欲しち 催促む孫
(うんめぼし なかんみがほしち せがんまご)

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平成15年5月号  吟題 「粽、灰汁粽」(まつ、あっまつ)
(入選 一席)
灰汁粽きな 唐芋飴が 良か態合っ
(あっまきな からいもあめが よかふおっ)
( 唱 )美味めどかいち 食たや妙だ味
(うめどかいち  くたやすだあっ)

(佳作)
灰汁粽で 子供の頃を 思め出せっ
(あっまつで ごどんのころを おめだせっ)  
(唱)(忘れがならん お母様の味)
(わすれがならん  おっかはんのあっ)

灰汁粽食っ 入れ歯が抜けたち 女房ん当たっ
(あっまつくっ いればがぬけたち かかんあたっ)  

苦げ粽 砂糖と黄粉で 甘も化なっ
(にげあっまつ さとときなこで あもしなっ)

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平成15年4月号  吟題 「湯治」(とつ、とじ)
(入賞 地位)
湯治が効っ 諦め居った 児が出来っ
(とつがきっ あきらめちょった こができっ)
( 唱 )もう名前ずい考げちょい夫婦 
(もうなまえずい かんげちょいみと)

(佳作)
難病ずい 田舎ん湯治が 治らけっ
(なんびょずい いなかんとつが なおらけっ)  
(唱)(医者もひったまがった効能)
(いしゃも ひったまがった こうのう)

湯治にも 若け美女が 増っ来っ
(とうじにも わけごゆさんが ふえっきっ)  

薩摩芋を 湯治ん浴けたや 美味煮っ
(からいもを とじんつけたや うんもにえっ)

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平成15年3月号  吟題 「目刺」(めざし、がらんつ)
(入選 4席)
がらんつが 太て顔しちょい 花見料理
(がらんつが ふてつらしちょい はなんじゅい)
( 唱 )卵焼よっか 美味かち言っ 
(こがやっよっか うんまかちゆっ)

(佳作)
酔くれぼは 目刺と苦瓜で 飯しゃ食わじ
(よくれぼは めざしとごいで めしゃくわじ)  
(唱)(体んためい 悪かどち 女房)
(からだんためい わいかどち かか)

日本食 目刺が二匹 威張っ居っ
(にほんしょき めざしがにひっ いばっちょつ)  

赤提灯 売っ乎名指ゃ オーイ目刺
(あかちょうちん うれっこなざしゃ おーいめざし)

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平成15年2月号  吟題 「注射」(ちゅうしゃ)
(入選 4席)
太て注射 美人がすれば 痛とは無し
(ふてちゅうしゃ びじんがすれば いとはのし)
( 唱 )気持っの持っ様じゃち独言 
(きもっのもっよじゃち ひといごっ)

(佳作)
弱虫 注射ち言たや 逃げっ帰っ
(やっせんぼ ちゅうしゃちゆたや にげっもどっ)  
(唱)(恥さらしじゃち面目ね親)
(はっさらしじゃちめんぶっねおや)

小児科医 注射は好かんち 我はせじ
(こどんいしゃ ちゅうしゃはすかんち わがはせじ)

痛て注射 中味を訊たや 痛ん止め
(いてちゅうしゃ なかみをきたや いたんどめ)

食わんでん 点滴注射で 満腹成っ
(くわんでん てんてっちゅうしゃで まんぷきなっ)

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平成15年1月号  吟題 「年賀状」(ねんがじょう)
(入選 5席)
思め出せん 顔が増えちょい 年賀状
(おめだせん つらがふえちょい ねんがじょう)
( 唱 )もう何年ち会たこっも無し 
(もうなんねんちおたこっものし)

(佳作)
嬉しこっ 籤も当たった 年賀状
(うれしこっ くじもあたった ねんがじょう)  
(唱)(切手じゃってん運が良ち思っ)
(きってじゃってんふがよかちおもっ)

(佳作)
年賀状  古か出会ゆば 思め出せっ
(ねんがじょう ふいかであゆば おめだせっ)  
(唱)(もう何年も会わん友達)
(もうなんねんもおわんともだっ)

年賀状 同い人に 二枚出せっ
(ねんがじょう おんないひとに にんめだせっ)

年賀状 中味が毎年 同じゅなっ
(ねんがじょう なかんがめいとし おなじゅなっ)

年賀状で 長げ御無沙汰を 解消んしっ
(ねんがじょう なげごぶさたを ちゃらんしっ)

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