朝 礼 訓 辞
平成25年11月1日
先月10月3日、西之表市営グランドで市民体育祭が開催されましたが、午後2時過ぎ、テントの中で突然、心肺停止になった男性に、古田小養護教諭の宮城先生と、たまたま来島していたご主人の志布志消防署救急隊長そして田上病院の看護師の山之内君の3人が連携し、心肺マッサージなどを行い、救急車が到着する前に回復させ、心肺停止のその後の経過は良好だそうです。この出来事は昨日の南日本新聞に掲載されました。 せいざん病院の職員の活躍もありました。昨年の9月9日救急の日、旧せいざん病院の頃ですが、アッポーランドのサッカー少年の親御さんが、心肺停止を起こし、居合わせた看護師の遠藤君とOTの田中君がAEDを使用し、蘇生させ救命し、西之表市長から表彰されたことがあります。 その後、しばらくして、二病棟師長の副島君も旧榕城中の校庭で、グランドゴルフ中に心肺停止になられた方を心肺マッサージなどで蘇生させました。この時は、明るみには出ませんでしたが、隠された人命救助の尊い行為がありました。 私事で恐縮ですが、一度だけ経験があります。アメリカでの学会の帰りニューヨークから成田への飛行機の中で、「具合の悪くなられた乗客がおられます。どなたかドクターかナースはいらっしゃいませんか」という機内放送があり、そのすぐ後ろの席がガヤガヤ騒がしいので見たら、年配の方が真っ青になり、冷や汗をかいておられました。 咄嗟に私はスチュワーデスさんに医師であることを告げ、救急セットを持ってきて貰い、血圧を測ったり、奥さまが持っておられたニトロールを投与し、点滴も何もありませんので、酸素吸入を続けながらただ汗をふいたり、言葉で励ましたりして、数時間、手を握り、どうにか成田に無事に到着できました。救急車が飛行機に横付けされ運ばれるまで祈るような気持ちでありました。 後日、全日空からお礼の手紙とお菓子箱が届いたことがあります。 私達、医療人は、病院の中だけでなく、山でも海でも街の中でもいつでもどこでも人のために役立つことのできる大切な使命を与えられています。 その使命を忘れることなく、日頃から勉強し、講演会や講習会にも積極的に参加し、研鑽を積んで参りましょう。 だんだん寒くなって参りますので、体に注意して今月も頑張りましょう。 早めにインフルエンザの予防注射も済ませてください。 |
医療法人純青会 せいざん病院 理事長 田上 容正 |