朝 礼 訓 辞

平成25年2月1日

   1日中で一番寒さの厳しい2月がやって参りました。
だけど、庭先には梅や桃がほころび始め、桜も蕾をつけ春が来るのを静々と待っています。

 わたしたちのせいざん病院にも、もうじき春が来ます。今月の末には病院が完成の予定です。
 3月に入ると引越が大変だろうと想像されますが、職員の皆さんや患者様の家族、その他、いろんな人に協力していただき、無事これを成し遂げなければなりません。
何卒よろしくお願い申し上げます。

 さて、年賀状も整理して、また来年に備える2月に入りました。私は約750枚の賀状を送り、頂くのは800枚ぐらいでしょうか。
 今年頂いた800枚の中で、私の心に、ぐさっと突き刺さるような1枚がありました。
 それは、以前、せいざん病院で2年間くらいパートで働いて下さった吉嶺孝和先生(現在、県立姶良病院)からのものでした。
  原文のまま読みますと、「ご無沙汰ばかりです。先生のご氏名は限りなく続きます。健康にご留意下さい。」
 この一枚の賀状に、どんなにか勇気づけられ、励まされたことか。
  皆さんも喜んだり、驚いたりの賀状にきっと出会わされた経験が、きっとおありではないでしょうか。

  今年は1月に入り、アフリカのアルジェリアでテロが発生しました。
  日揮(日本揮発油)という石油プラントの工場が襲われ、10名の日本人が亡くなりました。
  その中の一人、伊藤文博さんは、宮城県南三陸町の出身で震災に遭い、残された母親を仮設住宅に残したままでした。年老いた母親はたった一人、寒い仮設住宅の中で、あの子のお箸一本も鉛筆一本も津波にやられ、何も残っていないのですとテレビのインタビューに気丈に話されてました。

  お母さんを残して先に死ぬことはないからと遠いアフリカに赴き、それでも生きて行かなければならないからと頑張ってお母さんへのお土産などを心に描きながら悲暑の中で、働いておられたと思います。

  こんな不条理なことがあって良いのでしょうか。
本当に神様はおられるのだろうかと、お母さんは悲嘆のどん底におられると思います。

  人間はただ元気で働いていられるだけで幸せであると思わなければなりません。
  新しいスタッフを迎えた異変心強く思います。今月も皆さんと一緒に頑張りたいと思います。
  ノロが終わり、インフルエンザの季節です。体に気を付けて働いて下さい。
医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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