朝 礼 訓 辞
平成24年10月1日
先程、表彰された遠藤君と田中君のこと(9月16日に、「あっぽーランド」で行われたサッカー大会での人命救助)は、その日のうちに私の耳に届きました。 泡を吹いて倒れ、心肺停止状態にあった人が、人工呼吸、AEDの処置により、息を吹き返し、救急車で病院に運ばれ、救命された。救命処置を行ったのは、せいざん病院のスタッフだったそうだと、市民の間から賞賛と感謝の声が起こりました。 病院の外で、このような救命活動が行え、人命の救助という尊い仕事、職業に就いていることに皆さんと一緒に感謝し、社会に奉仕できることを喜びましょう。 新しい病院を建設している途中で、このような出来事が起こったことは、せいざん病院の将来を象徴しているようで、私は大変うれしく思っています。 これからもせいざん病院が、地域社会の医療、介護、福祉にどんなことでもよい、どんな小さなことでもよい、役に立つことが出来るように、皆さんと一緒に頑張ってまいりましょう。 福島の原発事故の直後のことですが、放射能汚染の恐怖が広がる中で、自分の身の危険を顧みず、復旧作業を申し出た東電や協力会社の社員がいたそうです。 その中に、島根県の電力会社に勤務する男性は、定年を半年後に控えながら、志願して福島へ向かったといいます。 9月に定年退職する予定だったそうですが、「今の対応で原発の未来が変わる。使命感を持って行きたい」と家族に告げ、福島に向かいました。 話を告げられた娘さんは、「普段は役に立たないだけの父親だと思っていたけど、今は父を誇りに思っている。」と涙を流しながら語ったそうです。 福島第一原発で、復旧作業を続ける作業員達は、福島50と呼ばれ、国際社会が驚嘆し、その勇姿にエールを送っています。 また、余震と被爆のリスクの中で、いち早く現地に乗り込み医療活動に従事した医師や看護師のボランティアが数多くありました。 人は誰もが、ことの大小の違いはあるでしょうけど、人生において似たような生命の危険や艱難に遭うはずです。 そのような時に私達医療関係者は、どう行動すればよいか、咄嗟の判断を迫られることでしょう。 自分のためだけの考えを捨て、他の人のために尽くすことに心掛けましょう。 |
医療法人純青会 せいざん病院 理事長 田上 容正 |