朝 礼 訓 辞

平成24年7月2日

  2人の男が一緒に道を歩いていたら、突然2人の前に熊が現れました。一人は走って逃げ、木によじ登りました。一人は逃げ遅れ、道端で死んだふりをしました。熊は道端の男に近づきましたが、臭いを嗅いだだけで何か言ったようでしたが、そのまま行ってしまいました。
  木から下りた男が、熊はおまえに何か言っていたが、何を言ったのかと聞きました。「人が危ない時に見捨てるような人間とはもう旅はするな」と言ったよよと答えました。

 「君を愛しているよ、君が好きだよ。どんなことがあっても君を守るからね」と言った人が木に登ることがあり、「お前なんかいつ死んでもいいよ。誰が面倒なんか見るもんか」といつも冷たいことを言っていたのに、一生懸命に恋人を守って熊に襲われてしまうことがあります。

 親の介護をあなたがしてくれれば私は何もいらないと言った人が、遺産相続になると、眼の色が変わる人がいます。木に登った人と同じで事があると自滅するタイプの人です。つまりトラブルが自分の身に起きても誰からも助けをもらえないのです。自分では気づかないうちに人から恨みを買っているのです。

 道で死んだふりをした人は、現実を常に見据えて生きてきた人でしょう。事が起きたら、どうすべきかを知っています。落ち着いて毎日懸命に生き、心穏やかに行ききる人です。

 木に登った人は、すぐにうまい話に飛びつく人です。他人が払っている犠牲には気が付かないで、美味しいものにすぐ手を出す人です。
周りに世話になった目上の人がいるのに、ケーキがあると真っ先に食べようとする人です。
 
 そこで、いずれ誰からも信用されなくなり、人生の最後には孤独という大きなツケを払わされる事になります。
 人生には熊に襲われるようなトラブルがつきものです。
トラブルのない人、心配事のない人なんてこの世にはおりません。
熊にいつ襲われるかも知れないようなトラブルでも、長い目で見れば、冷静にもっと自分より困っている人もいるんだという事を考えてもっと頑張らねばと心に決め、トラブルを受け止める事です。
 
 今、トラブルが起きている人は「ああ、これは自分の幸せへの道の選択の一つだ」と思ってよいのです。
 大事なのは、そういう気持ちでトラブルを受け止めるということです。

 先月15日、新病院の起工式も終わりませいた。井戸も掘り終え、水がドンドン出るそうです。新しい風呂で患者さん達に喜んでもらいたいものです。来年3月末には完成の予定です。
いよいよ梅雨が上がると暑い夏がやってまいります。熱中症や食中毒に気を付けながら、今月も頑張りましょう。
医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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