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 1.なぜ微分が必要か

  この講座では、高校の微分の初歩から偏微分や全微分までを解説します。し

 かし、なぜ測量技術者に微分の知識が必要なのでしょうか。そこがよく分かっ

 ていないと、いまさら微分を勉強するなんて無駄なことになりかねません。



  測量の仕事は、ただ単に距離や角度を測定するだけではありませんね。そう

 です。そのデータに数学的処理をほどこして、地球上の位置や高さを求めるの

 です。ここでいう数学的処理の中に誤差学(最小二乗法)が出てきます。最小

 二乗法の理論も微分からなっていますが、それよりも、なによりも、測量では

 誤差そのものを微分のdx、dyにあてはめるのです。たとえば、誤差1mm

 というのを、dx=1mmのように扱うのです。だから、微分の知識が必要な

 のです。



  わけも分からず標準偏差を求めたり、観測方程式がどうのこうのと考えるの

 は苦痛ですよね。この講座で微分の基礎をしっかりマスターして、頭の中をす

 っきりさせていただきたいと思います。



  この講座の受講者を募集したところ、これまでに10名の申し込みがありま

 した。ありがとうございました。質問コーナーを設けますので、どしどし質問

 してください。      1998年1月5日(2001年04月改)良寛

                          
                          
                              


 2.平均変化率

  y=x のグラフは次の図のようになります。

図2.1

図2.1

  この図において、x=1からx=1+Δxまで変化したとき

図2.2

図2.2

 式2−1

 となります。このΔy/Δxのことを平均変化率といいます。


 (参考)

  Δxはデルタエックスと読みます。一つの文字です。Δにxを掛けたも

 のではありません。


 次回は、微分係数です。

 これでおわります。             


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