西原理恵子&勝谷誠彦『鳥頭紀行 ジャングル編』スターツ出版 1998年

 さて,作者だけでなく,連載そのものが放浪するという,まさに名実とも(笑)トラベル・コミック『鳥頭紀行』の「ジャングル編」です。連載は,朝日新聞社の『uno!』で,本は,この作品が『uno!』の前に連載していた『オズ・マガジン』のスターツ出版が出すという,ちょっと変則的な形です。どうやら最初っから,そういう約束で始められた企画のようで,こういう風なやり方もあるんですね。
 で,「ジャングル」というの,ブラジルはアマゾンの大密林,そこで,「トクナレ」とかいう魚を釣るのが目的です。でもって,例によって,サイバラ一行,地球の裏側まで行って,乱暴狼藉の限りを尽くします(笑)。
 なにしろ初っぱなから,酒を積みすぎて,アマゾンを遡るチャーター船が1艘では足りず,急遽「酒船」を,もう1艘追加し,
「取材費とはこのように使うものよー!」
と絶叫します。ちなみに取材費は朝日新聞社が出してます(そ〜か,わたしの購読料は,こ〜ゆ〜ふ〜に使われているのか・・・・・(°°))。

 さらには,ヴィデオカメラをバットに,子ワニをボールにして,ワニ野球はするわ,アマゾンの川面に,森林がシンメトリカルに映った美しい光景に向かって,
「このテイドのおきれいで私の黒い心を洗い流せると思っておるのかー。アマゾン,ぬるしーと,ペットボトルを投げつけるわ・・・・(おいおい・・・@o@;;)

 でも,本書を読んで一番驚いたのは,
魚を釣りに行った鳥が,鴨に釣られた
ことでしょう。
 『鳥頭紀行ぜんぶ』で,今回アマゾンに同行したヴィデオ・カメラマンの鴨志田氏のことを,
「最近,我家に急にあがりこんできて,どんなにぶったたいても出てかない鴨」
と紹介していて,『まあじゃんほうろうき』のときみたいに,また不良中年にまとわりつかれているのかなぁ,と思っていたのですが,このふたり,アマゾンから帰ってきてから,結婚したんですね! 子どももできたみたいです。
 いやぁ,たまげました。サイバラの作品,とくに無頼系エッセイ・コミックを読んでいると,とても結婚するタイプには見えなかったのですが・・・。う〜む,世の中,まだまだ不思議がいっぱい!ですね(<失礼なやつ!^^;;)。

 ちなみに,サイバラさんの公式サイト「鳥頭の城」(笑)はこちらです。

98/05/26

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