外国人に対する服薬指導マニュアル
まえがき
近年、薬剤科に求められている新しい業務は、TDM、病棟活動、薬歴管理、患者指向
の服薬指導等がある。服薬指導の目的は、処方された薬剤を医師の指示どおりに患者が
服用するように導くことにあり、ノンコンプライアンスの問題が取り上げられている昨今、
薬剤師の重要な一業務として位置づけられている。数年前より、中国への残留孤児の帰国
後や、日本にいる韓国人をはじめ、国際化の波の中で、外国人の患者に対して服薬指導を
行う機会が多くなりつつある。
近年、日本人に対する服薬指導マニュアルは、多く出版されているが、外国人に対して
のそれは数えるしかないのが現状である。それに加え薬剤師が外国語に対して不慣れのため
とも思われる。
今回、近隣病院勤務薬剤師の学習会『臨薬会』で、外国語の服薬指導マニュアルを作成
することになり、近隣の病院に通院する外国人は、英語圏、中国語圏、韓国語圏、の順に多
く、以上の三カ国語を対象に、一般的な説明指導が可能なマニュアルを作成した。
本マニュアルは新たな試みのため、さらに改良すべき点が残されていると思われる。
本マニュアルを利用していただいた先生方からの率直なご意見をいただき、より密な服薬
指導ができるように内容を充実させ、完成度の高いマニュアルを作成していく予定である。
終わりに、作成にあたり翻訳等多大なご協力をくださった、鹿児島女子大学文学部助教授
小城義也氏、同大学講師 李娜仁高性氏、鹿児島市日本中国友好協会事務局長 大山高司氏、
林秀輝氏、国立大阪病院放射線科医師 崔秀美氏、MBC学園韓国語講師 新村恵子氏に
感謝の意を表します。(尚、各氏の所属は当時のものです。)
昭和62年3月

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