あ 

アジア合鴨農民シンポジウム (あじああいがものうみんしんぽじうむ)

1992年全国合鴨水稲会の結成直後に14名で、台湾のアヒル放鳥水田、国立養鴨研究センター(宜蘭市)を訪問。香港経由で中国桂林市に行きアヒル放鳥の人民公社を視察。まだまだたくさんアヒル放鳥が行われていた。
「化学肥料、農薬が使われている日本から、何故時代遅れのアヒル農法を見学に来るのか」、と言われた。水俣病やベトナム戦争の枯葉剤などの例を出して説明した。近代化がもたらすひずみについて説明した。今の経済発展の前触れで果たしてわかってくれたかどうか。でも千里同風の掛け軸を頂いた先生はよく理解してくれました。その後広東省広州市の華南農業大学、中山大学を表敬訪問。
1994年、韓国を訪問。同国内ではその後急速に広がっていく。日本の後を追う近代化とそのひずみ。
1995年ベトナムを訪問。JVC日本国際ボランティアセンターが農村貧困撲滅運動の一環にアヒル合鴨農法を取り入れる。ベトナム戦争の後遺症で中部フエ市は最大の激戦地で枯葉剤(ダイオキシン入り除草剤)がもっとも多く使われ緑の森が失われていた。白砂地帯。
このような中で、アジアの農民が合鴨水稲同時作を通して農民同士が農業の置かれている現状を意見交換する場所として交流の場創設が進められる
1996年福岡桂川町でアジア合鴨農民シンポジウム第1回目を開催。ベトナム、韓国、フィリッピン、などから参加。
1997年第2回目を韓国忠清南道洪城市で開催、ベトナム、フィリピンからもやってくる。

1998年ベトナムで第3回目を開催。
その後政情不安、SARSなどで中断。
2004年中国江蘇省鎮江市で第4回を開催する。

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アゾラ (あぞら:azolla)

日本名:アカウキクサ。アオウキクサとは別種。以下渡邊先生のHPより引用(写真とも)



 アゾラ(Azolla)としてすでに名が通っているが、日本名はアカウキクサで、属の名前である。水田・小さな池や運河、潅漑路などの水面に浮いて生育している大きさ1ー3cmほどの 水生シダである。 日本産のものは中部地方より南に分布しているアカウキクサAzolla imbricataとこの種よりやや北のほうに分布している(北限は関東地方北部,北陸地方南部)オオアカウキクサ A. japonica  の二種である。 かってはかなり広く排水の悪い水田に分布していたが、排水の改良と除草剤の利用で分布はかなり稀になってしまった。それでも山間の湿田に見られることがある。
この水草は”水田のダイズ’ともいえる特徴をもっている。上下2枚重なった小葉の上の葉の下側にある小さな穴に空中の窒素ガスを同化できる窒素固定性らん藻(シアノバクテリア)が住んでいる。アゾラはらん藻から窒素同化産物であるアンモニアを受け取り、窒素栄養をまかなっている。 そのためアゾラは窒素栄養分の少ない水生環境でもよく生育することができる。大豆が根の根粒の中にいる細菌の窒素固定能力のせいで、窒素の供給能力のすくない土壌でも育つと同じこと。
 アゾラの窒素固定能力は条件のよいところで1日10アールあたり300-500グラムくらいになる。熱帯の記録では1年間に50-100キログラムにもなる。 条件良ければ、2ー3日で倍になる速度でどんどん増殖する。 水面をびっしりおおった時には、新鮮重は10アールあたり3ー8トン、乾物重で150ー400キログラム,窒素で5ー15キログラムに達する。アゾラは普通,栄養繁殖で増殖するが、系統によっては時には生殖繁殖をする。 共生らん藻はいつもアゾラに住みこんでいる。生殖繁殖するときも、共生らん藻は母親の大胞子のう果から次の世代へ移る。したっがってマメ科植物の共生根粒菌のように接種する必要はない。
またマメ科植物では根粒ができて,さかんに窒素固定を始めるまでに発芽から時間がかかるのに,アゾラにはいつも共生らん藻がいるので,いつでも窒素固定ができる。

アゾラ研究の第一人者「渡邊巌」さんのウェブサイトのアドレスです。
http://www.asahi-net.or.jp/~it6i-wtnb/azolla.html →アゾラのページ
 へジャンプ



この窒素固定の性質を利用して合鴨の水田にいれ、合鴨の餌と窒素肥料に利用しようとしている。但し、広がると田圃の水温が下がる、風でアゾラが流れて田植え直後の苗を倒すなどと一般農家からは嫌われ者である。導入するには他の田圃へ流出しないように管理が大切である。

岡山大学の岸田芳朗先生が「全国アゾラ・合鴨セミナー」を主宰。

合鴨水稲同時作

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一鳥万宝 (いっちょうばんぽう:one aigamo gives us a million treasures)

合鴨を田んぼに放すと、農作物をはじめとしたたくさんの宝物を与えてられること。無農薬米、合鴨肉、アゾラ、ドジョウ、消費者、汚染されない環境、田圃の見学者、世界中の賛同者、などなど。命名者は古野隆雄さん。(英語訳は福永大悟)一石二鳥をもじって使用。
この名前の合鴨米を使った日本酒がある。古野さんの合鴨米を使用している。 クリック→ 松本酒店・一鳥万宝

合鴨水稲同時作千里同風古野隆雄

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合鴨 (あいがも:crossbred duck/mallard/wild duck)

 野生の鴨とアヒルとの交雑種。羽色は真鴨と同じ。
野生が強いと小さくて活発な合鴨が、アヒルが強いと大型で少し動きののろい合鴨になる。薩摩鴨、青首種、カーキーキャンベル、バリケン、インディアンランナーなど世界中にいるアヒルの種類は総じて合鴨といえる。
 アヒル自体が、野生の鴨を人間が飼い慣らし、定住するようになった農耕の初期から家畜として改造してきたもの。

首が青いのは雄。合鴨も同じ。

野生の鴨の雌。合鴨も大体同じ。

合鴨農法合鴨水稲同時作

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合鴨フォーラム (あいがもふぉーらむ:aigamo forum)

1991年1月、福岡県桂川町で第一回を「合鴨サミット」として開催。サミットが「頂上」、「先進国サミット」「選ばれたもの」を想像させることから、農民のための集まりという意味で「フォーラム」を第2回鹿児島大会から使用。
合鴨農法に関心のある人なら誰でも参加できる。全国合鴨水稲会と地元の共催。
これまで、14回開催された。1回目から、福岡県、鹿児島県、熊本県、広島県、富山県、宮崎県、宮城県、岡山県、京都府、北海道、岩手県、香川県、兵庫県、青森県。
平成17年(2005)は愛知県で開催予定。

16年2月青森大会より

全国合鴨水稲会

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合鴨水稲同時作 (あいがもすいとうどうじさく)

1991年1月、福岡県嘉穂郡桂川町で第1回合鴨サミットを開催した時に、主催者の古野隆雄さんが初めて使用した。
 現在田圃では米しか作っていない。そこへ合鴨を入れると、主食の米+おかずの合鴨肉がとれる。さらに「アゾラ」という水草を入れると、これは窒素肥料の固定と合鴨の餌になる。肥料と餌のの節約になる。そこへ古野さんは1995年ごろから「ドジョウ」を入れだした。すると更におかずのドジョウが取れる。これは水産業である。農業と水産業の結合だ。
このように、稲を栽培している田圃で、同時に稲+合鴨+アゾラ+ドジョウを栽培することを「合鴨水稲同時作」と命名した。古野さんは「合鴨農法」「合鴨除草」という言葉を使わない。しっかりと目的を持つ「合鴨水稲同時作」という言葉を水田には使用するように言っている。

合鴨合鴨農法古野隆雄一鳥万宝萬田正治アゾラ全国合鴨米流通協議会

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合鴨農法 (あいがものうほう:aigamo agricultural method)

合鴨を使用して農業に使用する農法。水田や茶畑や果樹園に放して除草、駆虫などに利用する。水田に入れるものを特に「合鴨水稲同時作」(古野隆雄氏命名)と呼ぶ。

合鴨水稲同時作合鴨

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合鴨米 (あいがもまい)

「合鴨米」は、全国合鴨米流通協議会の登録商標です。(商標登録番号2627280)

1991年合鴨サミット(のちのフォーラム)が全国報道されたのを見て、新潟の商標マニアとおぼしき方が2月に特許庁に「合鴨米」の登録を申請したことが、半年後に判明する。このままでは全国の合鴨農家が「合鴨米」という名前でせっかく苦労した米が売れなくなるといけないと判断、全国合鴨水稲会がこの登録商標を買い取ることを決定。成功する。
 商社などがこの登録商標を手に入れると、我々弱小農家が使用した場合高額の賠償金を取られる怖れがあった。

但し、小さな農家が使用することについて全国合鴨米流通協議会は黙認しています。
が、大々的に販売している農家にはわかり次第警告発しています。これもそれも「合鴨米」を守るためです。ご理解のうえ会員になられることをお勧めします。
大手企業などが使用した場合、即刻提訴する、と同会は言っています。

全国合鴨米流通協議会

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置田敏雄 (おきたとしお)

故人(2000,12,12没享年72歳)富山県福光町在住の有機農家だった。
合鴨除草法を終戦後より継承していた。富山礪波地方で無農薬米の栽培グループを組織し、合鴨を使った除草法でやっていた。それまでは朝田んぼに連れていき、夕方連れて帰るのが一般的で、それも親を使っていた。その後古野隆雄さんとの交流の中で合鴨除草法を合鴨水稲同時作に転換する一役を担う。

古野隆雄

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 さ 

千里同風 (せんりどうふう:Feeling the same wind everywhere )

原意(広辞苑)=千里も離れた遠地も高くも同じ風が吹く意から、天下がよく治まっている太平の世。

1992年、1月鹿児島で開かれた第2回全国合鴨フォーラムで中国訪問が決定。5月訪問した中国桂林市の先生から「合鴨を通じて桂林にも日本にも同じ考えの人がいる」と掛け軸をもらった。合鴨農法の広がりを予感させた言葉。

同名の酒を福岡の合鴨農家進さん林酒造場に委託製造。→http://www.shokokai.ne.jp/hayashishuzou/

一鳥万宝

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全国合鴨水稲会 (ぜんこくあいがもすいとうかい:Japan Rice-Duck Farming Society)

1992年結成。会員約700名。年会費:個人3000円、団体10,000円。
代表世話人:萬田正治・古野隆雄
全国合鴨フォーラムを年一回開催。合鴨通信年3回発行
事務局:郵便番号899-6402
      鹿児島県姶良郡溝辺町竹子(たかぜ)1408−1
      萬田農園 気付
電話・ファクス 0995−59−2861(水稲会専用)
メール:  manda423@po.mct.ne.jp 萬田代表

ウェブサイト:http://carrot.memenet.or.jp/aigamo/

合鴨フォーラム古野隆雄萬田正治わが家でつくる合鴨料理

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全国合鴨米流通協議会 (ぜんこくあいがもまいりゅうつうきょうぎかい)

1991年合鴨サミット(のちのフォーラム)が全国報道されるのを受けて新潟の商標マニアとおぼしき方が2月に特許庁に「合鴨米」の登録を申請したことが、半年後に判明する。
全国合鴨水稲会が研究交流をメインとする会であり、合鴨水稲同時作で栽培された米の販売などに悩んでいた九州の農家を中心にして同年結成。上記の合鴨米の登録商標を買い取る。理念その他については下記のHPをご覧ください。

861-3500 熊本県上益城郡矢部町布田1971
全国合鴨米流通協議会会長  上田 博茂 気付
(TEL/FAX)  0967-72-2198

・全国合鴨米流通協議会のHPアドレス:http://www.sanchoku-seisansha.jp

・全国合鴨米流通協議会のメールアドレス(仮) : info@sanchoku-seisansha.jp

合鴨水稲同時作合鴨米

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 た 

土着菌 (どちゃくきん)

地域の土壌に済んでいる有用菌の総称。
農家が堆肥を作ったりする時に使用する菌は市販されている。(代表的なものに、EM菌、ラクトバチルス菌)効果のあるものもあるが、疑問なものもある。それにお金を出して買うのに抵抗があるし、中には1リットル1万円するものもある。
そこで、有機農業はなるべく手近なものを使うという意味で、地元の山の腐葉土を採取し足り、山に米ぬかや炊いたご飯を置いてそこの山に住む菌を米ぬかなどで培養して使用することが良いと、多くの農家や先達から技術が伝承されたもの。
身土不二、四里四方、などと言いますが、菌も地元のものが一番効果が上がります。

農文協>食農教育>2004年4月増刊号>に詳しく載っています。

合鴨農法でもこの堆肥と組み合わせる低コストで質の良い土作りが出来ます。

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 は 

古野隆雄 (ふるのたかお)

福岡県桂川町在住の専業農家。全国合鴨水稲会代表世話人。熊本大学工学部を卒業するもこれからは農業が大事だと九州大学農学部に入学し同修士課程農政経済学に進学するが、「農業は儲からないことがわかった」と退学し、実家の農業に従事する。有機農業を志し畑作では作物は大体順調に出来たが、米つくりの無農薬は至難の業だったという。草取りに苦労した中から、置田敏雄(富山県福光町)さんから合鴨除草法を学び、犬やイタチ、カラスなどの被害を受けながら、1990年なんとか合鴨水稲同時作を確立する。その後、アゾラ、どじょう、果樹と導入、水田は一鳥万宝と化している。英語訳の本もオーストラリアから刊行された。アジアアフリカと活動範囲は広がっている。

合鴨水稲同時作全国合鴨水稲会一鳥万宝置田敏雄

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 ま 

萬田正治 (まんだまさはる)

鹿児島大学名誉教授、農学博士、家畜管理学が専門、牛、ヤギ、合鴨など。現在鹿児島県溝辺町在住の専業農家。全国合鴨水稲会代表世話人。放送大学客員教授。
1990年九州のある農業関係の会で古野さんから「田圃に合鴨を入れている」という話を聞き見学に行く。「家畜専門家」として「何故、水鳥に気付かなかったのか」と猛省、「古野さんの実践を学問的に体系化する」とそれから合鴨水稲同時作にのめり込み研究を進める。4名の合鴨博士を誕生させる。退官後農家となり、周囲の農家と合鴨農法を実践中。

合鴨水稲同時作全国合鴨水稲会

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 わ 

わが家でつくる合鴨料理 (わがやでつくるあいがもりょうり)

わが家でつくる合鴨料理―おいしい・楽しい・ヘルシー 出版: ⇒農文協
全国合鴨水稲会が編集した究極の合鴨料理の本。¥1,500 (税込)



農文協のアドレスはこちら
http://www.ruralnet.or.jp/

全国合鴨水稲会

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Wordsworth - Version2.6.0 (C)1999-2002 濱地 弘樹(HAMACHI Hiroki)