硫黄島(鬼界ヶ島)紀行
 大自然の露天風呂満喫

硫黄島は薩摩半島南・東シナ海の約60キロ先の海上にある3つの島の真中に位置する。
視界の良いときは、南薩摩の海の見える所なら、その煙を吐いた島を見ることができる。


昨年夏、火山めぐりヨットレース「鹿児島カップ」に参加した。第3レースは竹島硫黄島を
まわるコース。残念ながら、このレースだけ不参加で、硫黄島方面に行けなかった。
そのあと、三島カップレースがある。参加者何百名かが、硫黄島の体育館に宿泊し、
東温泉を楽しむ人も多いとのことだ。
ヨット仲間から東温泉は最高・という賛辞を聞いていた。その念願の硫黄島行きが実現。
パンフレットやポスターで見る硫黄島の「東温泉」は、まさに最高だった。
そこに行ける。胸は高鳴っていた。

2001火山カップヨットレース 噴煙上げる硫黄岳・隣島竹島より


午前10時半、桟橋に着く。3月までは岸壁の無料駐車場が使えたが、今は近くの24時間
有料パーキングに停めなくてはならなくなった。
11時出港なので、弁当など買いこんでゆくつもりだったが、時間が無い。出港時間前まで
船内でお弁当の受けつけをしている。10個限定で、ぎりぎり確保できた。レストスペースで
カップ麺など販売はしている。うれしいことに、飲み物も自販機料金が市中と変わらない。

11時ジャスト、フェリー「三島」は汽笛を鳴らし桟橋を離れる。天気も良く、海も凪ぎのようだ。
荷物は2等客室に置いて、カメラだけ持って屋上デッキに出る。桜島が目の前に大きい。
昨日もいたけど、今日も潜水艦が、湾奥方面に向っている。
川崎―宮崎のフェリー何十回と、甑島航路の高速船も乗っているが、錦江湾を走るこの
「三島」の船足は20knot切る位の速力なのに、これが意外に早く感じる。

桜島と潜水艦・屋上デッキ 開聞岳とトッピー・山川港を回り込んだ所

先日、ヨットを山川から谷山まで回航した所・いつも船釣りをしている場所・それらを過ぎて
薩摩半島は切れてしまった。反対の大隅半島は、まだ目の前。途中で巡視船2艘に遭遇。
種子島・屋久島からの水中翼船「トッピー」ともすれ違う。ナブラの中に鳥が飛び込み、魚を
取っている風景にも出くわす。イルカも2ヶ所で見かけた。
一級の釣り場でもある神瀬のあたりで、昼食案内があり、食事をとる。ここまで1時間半。

食後も、デッキにあがる。もやった中に、進行方向右側に硫黄島・左に竹島が見えてくる。
いやに目がショボショボする。回りにいる人も目を細めたりこすったり。風は南西、火山灰だ。
それが竹島の港に入るまでついてくる。

午後2時前、竹島に到着。屋上デッキの汽笛は耳を劈く大音量。
車を降ろしたり、荷物や客の降り乗りのあと、硫黄島に向う。ひとりの乗船客のおばさんは、
60センチほどの長さの筍を、新聞紙にくるんで抱えていた。この島は、全島大名竹に覆われ、
その筍は、この島の名産品にもなっている。

ここから30分もかからず、硫黄島に到着する。途中は硫黄岳の噴煙や、流れ出した硫黄で
島の岸回りは白・黄色くなっている。港の中は茶色というか赤と言ってもよいくらいの色だ。
この硫黄は、船にこびりついて、取れなくなる。で、ヨット仲間も、なるべく自分の艇を使用
しない様にしている人もいるようだ。

風も強い。噴煙ダイレクト 煙は右へ 絶間無く噴煙を吐く 島の回りは硫黄で黄色


下船時、射すように警察官が覗きこむ。連れは失敬だと言う。他の港には警察官はいなかった。
真っ白の髭に深くかぶった野球帽。変装してるのじゃないかと?島の安全の為には仕方ない。
民宿の車に荷物を積んで、場所を教わって、歩いて行く。大きな声で、「失敬なオマワリ。」
「うん、車に釣り竿が積んであった。職務怠慢・」なんて話していたら、右手の目の前にその車が
止まっていて、おまわりさんが立っていた。掲示板の手配写真を見たら、似ているのがあった。
まだ、ホテトル嬢殺しでないだけで良かった・でもないけど。別の危ない人にも似てたのかなー。
そばの民宿に着く。他の荷物を積み込んだ民宿の車があとから追いついていた。我々は、小学校のアンケートに答えたり、ぶらぶらして時間をつぶしていたため。先に帰った民宿のおばさんは、まだ日中暑いから、夕方東温泉に行くほうがよいのじゃないかと言われる。

少しだけ部屋で休んだけど、勿体無いとばかり、カメラと手ぬぐいを持って東温泉に出かける。
店の横にランタナの花が咲いて、それに蝶が飛んできている。早速写真を撮り出した連れに、
おばさんから「裏にもっと沢山花が咲いて、ちょうちょもいっぱい飛んできている。」と言われ、
民宿の裏にまわる。いるいる、いっぱい。ツマグロヒョウモンの雄雌だけだが、10匹以上の
蝶が蜜を吸っている。

ランタナにツマグロヒョウモン ランタナにツマグロヒョウモン・閉羽が雌

そのまま裏から、教わった路に抜ける。道路は硫黄の匂いが漂っている。葉っぱも花も道も
白い火山灰が積もっている。ふたつの十字路を過ぎ林の中を見たら、動いている孔雀である。
あわてて、写真を撮るが、いかんせん、デジ亀。頭が切れてしまった。「何、孔雀はしっぽが
メインだから、尻尾が入ってればバッチシ」と。
その孔雀の尻尾・椿の林の中

道の脇は、どうも大名竹のようだ。椿のトンネルもある。硫黄岳に登るように道は傾斜している。
待合所や船で聞いてた東温泉まで20分はとっくに過ぎ、一時間近く経った。ようやく、下りに
なり、写真でおなじみの場所に出てきた。もう、ここまで路上の硫黄の匂いを吸いすぎ、硫黄泉に
たっぷり浸かった感じだ。

皆でスッポンポンになり、自然の中に溶け込む。まだ明るく、最後の3つ目が入れる温度だ。
ここは、42度位か。私は45度までは入れる。二つ目がかろうじて45度だろう。私は二つ入り
温泉を充分堪能する。温泉の色は緑色。硫黄泉は透明が多いが、この緑か白色もある。
昨日入った霧島の硫黄泉も白濁していた。黄緑色をしたのは助代温泉も。



車が近づいてきて、地元の人が入ってくる。いろいろ尋ねて、20分と言うのは裏道利用だろうと
言う。その人が上がるまで待っていたら、帰りは乗せてくれるという。もちろんそうさせてもらう。
またひとり、地元の人が来て、ふたり語っている。仕事が終わって、ここに来るのが楽しみ・
そして、かなりのゼイタクだろうとおっしゃる。。NTTの携帯は使えるらしく、ベルが鳴る。
目の前の海を、赤い船体に塗った釣り船が通る。南海丸だろうと言う。私「枕崎の?」
釣りをやるの?と逆に問われてしまう。少ない鹿児島の釣り船の名は、乗った事なくても、
名前は知っている私。
電話は、その枕崎の南海丸からだった。
 

帰りは車上から見るとかなりの下り道が続いている。逆に登ったのだからしんどいのも無理無い。
十字路では、砂埃のため何も見えないほど。あわてて、それの写真を撮ろうとビデオを取り出した
ヤツもいたくらいだ。民宿につき、夕食まで間があるようなので、付近を散策しようと外に出る。
ご赦免されずに残された俊寛像など見て、港に向う。突然足が痛くなり動けない。膝が曲がらない
どうしたことだろう。それでもどうにかビッコを引き引き、岸壁に辿り着いた。

おじいさんが釣りをしている。こんな真っ赤な色の港の中に・と思ったらシマアジの子供だろう、30cmほどを釣り上げた。その後もメアジとか
平アジの種類だろう・何種か次々と釣り上げている。赤い水の上に何度かへびらしいのが浮かぶ。
おじいさんは、まだ今年は早いけど、もう海へびが顔を出している。と言う。
暖海の黒潮洗う硫黄島の海は不思議だ。


午後7.00に民宿に戻り、島に仕事に来ている電話局の人達と一緒のテーブルにつく。
我々が、写真をいっぱい船上から撮っていたのを見ていた彼等も、同じ船でしたね、と言う。
釣りや写真、島や大名竹取りなどの話題は弾み、8時に部屋にもどる。
私は10時過ぎまで起きていたが、皆はそのままバタンキューの寝入りだ。


   
元○○○の名誉のためにも、頭のある孔雀を掲載。他、翌日の一部紹介
 初日終わり、二日目つづくは話題いっぱい