鹿  その34


 ダゴ祭り (dagomaturi) 

志布志町 田之浦山宮神社 しぶし・たのうらやまみやじんしゃ 

県指定の無形民俗文化財

大隅の早い春を告げる、毎年2月1日の春祭りは「ダゴ祭り」と言われ、12の氏子集落から1本づつ
孟宗竹の頭に荒縄を巻き、そこに割り竹に刺した紅白の餅を花のように飾ったものが奉納されます。
神事が終わると最後に参拝者にこのダゴが配られるが、人々は争ってこれを貰いうける。焼かずに
食べたり、床の間などに五穀豊饒を祈願飾ったりする。残った竹はもぐらや虫除けになると、田圃の
水口に差したりするそうだ。お祭は現在2月の第一日曜日に行われる。神事が30分ほどあって、
その後、神舞が1―2時間奉納される。神舞は33段あったそうで、現在24段が復活伝承している。


大隅には山宮神社が幾つかあり、志布志町田之浦山宮神社と言わないと他所の山宮神社と間違って
しまう可能性があります。社伝によると、和同2「709」年、天智天皇の廟を御在所岳山頂に立て、
山裾に大友皇子を祭ったのが始まり。大同2「807」年6月に山頂の山宮大明神を、山裾に移した。
同年8月に大友皇子の山口大明神が安楽に移されて他の五社と合祀、山口六社大明神と称した

参拝者に配られる直前のだご花


拝殿に入りきらない人は舞台で神事を受ける 神事のあと奉納の神舞

神舞が続き、当日は6段が奉納 神舞12人剣舞

                    取材2005.2・6




春祭 (harumaturi)  はるまつり

志布志町・山宮神社、安楽神社  しぶし・やすらじんじゃ

県指定の無形民俗文化財

山宮神社春祭に伴なう芸能「カギヒキ・正月踊なと」は県指定の無形文化財ですが、ここ志布志と
串良町の山宮神社のそれがあります。この安楽「あんらく」の山宮神社は、お祭の時、安楽「やすら」
神社に神輿が下り、安楽神社でも、打植祭の田打ち・カギヒキ等や、正月踊民俗芸能が行われます。
安楽の山宮神社は、田之浦「ダゴ祭」の山宮神社から、御心霊を向える浜下りの行事もあります。


山宮神社の春祭は2月の第2土曜日に行われ、翌日曜日に御神輿が安楽「やすら」神社に下り、
打植祭が行われる。山宮神社では御田植行事・正月踊、田之浦山宮神社の御心霊を迎える浜下り等。
安楽神社では境内を田に見たてて、耕す田打、牛が引く牛使い、種蒔、そして、豊饒を願い引き合う
カギヒキ、拝殿で神職の舞う田植舞、田の神夫婦との滑稽やりとり、境内で正月踊などが行われる。
安楽(あんらく)の山宮神社 安良の安楽やすら神社

 木製の鍬で耕す「田打」  牛の面を被って鋤を引く「牛使い」

 拝殿で神職の舞う御田植舞  豊漁豊作を占うカギヒキ

 田の神夫婦との滑稽なやりとり問答 田の神参拝  正月踊り

                                                                                   2005.2.13日取材                

行事場所地図リンク ヤフー・マッピオン



春祭 (harumaturi)  はるまつり

串良町・山宮神社  くしらちょう・やまみやじんじゃ

県指定の無形民俗文化財

山宮神社春祭に伴なう芸能「カギヒキ・伝統芸能など」は県指定の無形文化財ですが、ここ串良町と
志布志町の山宮神社のそれがあります。ここのカギヒキは、落葉樹を2本そのまま切ってきて、枝の
ついたまま、大勢の人で引き合います。雄とメスの樹があり、勝敗によってその年の豊作を占います。



串良・細山田、山宮神社

神職による種まき 太郎や次郎による牛使い・鹿児島弁による即興劇
御高祖頭巾で、棒踊り カギヒキは樹のままで引き合う

                                           取材2005.2月20日


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