その13


綱引き(横引き)  (thunahiki) 十五夜行事 
 知覧町・門之浦(かどのうら)
 
フンドシ姿の二才「にせ」対、子供達と女子の対抗試合になっている。太い綱を横に引き合う。
2003年十五夜「9月11日」

南薩摩の十五夜行事には、綱引きと相撲が、どこでも極普通の催しとなっている。
知覧町では、変った十五夜行事として有名な「ソラヨイ」と呼ばれる行事もあるが
ここ門之浦の綱引きも、ほかの所のものと、ちょっと違った形で行われている。
南薩摩の十五夜行事は、国と県の、無形民俗文化財に指定されている。


囃し言葉のおさらいが書いてある 集落長のあいさつ 子供達もお弁当

子供達がそろそろやろうと誘いに来る まだ早いと言って菓子など渡す。掛け合いが妙味 待つ二才。焼酎は欠かせないもの
そろそろ準備完了 公民館から外へ 並んで現場へ唄を歌いながら
時折満月も顔を出す 現場には清めの焼酎 報道・取材・カメラマンも


公民館に参加する集落の人達が集まる。挨拶などのあと、食事。夕方6.30頃
早くに食べ終わった子供達は、早くも褌姿になり「早くやろう」と催促に来る。
受けたニセは「まだ早い」と言って、お菓子をもたせて、また酒盛りを続ける。
3回ほど、これを繰り返して4度目8.00頃、やっとOKを出す。掛け合いは妙味
褌姿になった二才と子供達は、公民館を出て「愛宕参り」を歌い、会場に向う。

子供達をじらせるのもあるのか、本来は砂浜から潮が引くのを待つということのようだ。
二才「にせ」の酒盛り「薩摩ではショチュノン・ノンカタ」の時間を欲しいとの願いもあるのでは
・・と、個人的・独断と偏見で、思う。以前は海岸の砂浜で・今年は横の広場で・綱引き会場

縄は綺麗な円筒でない。引き合いを上から見ると竜がのたくって見える  二才が来る前、子供と女子は枝縄を持ち用意
二才が整列して、縄の横に並ぶ 合図と同時に引っ張り合う。二才の方は大綱直に持つ人が多い

3‐4回綱引きをして、「気分が乗ればもっと多いかも・・また、報道陣の為に余分なデモンストレーション回も・・」
その後、縄を丸くして土俵を作り、子供相撲が始まる。勝ったほうには、お菓子とか、文具が与えられる。
最近の子は相撲を見ないのか、し切りが・・ 大相撲に

この行事にも前夜祭というか、本番前に、綱綯い用・櫓作りのヤマタテ行事(9月6日)
綱綯い・綱カキ行事が(9月7日)に開催されました。(2003年十五夜9月11日)
素朴で、かつ勇壮。集落の人達も親切で素朴。しかも、継承者の小学生も多いので
この伝統行事が長く続いてゆくものと思う。砂浜が無くなったり、小子化が進んだり
少しづつ、形は変ってしまうものも出てくるだろうが・・・


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