鹿  その31


 坊ほぜどん (bouhozedon) 

坊津町  ぼうのつ 

鹿児島では、秋祭りをほぜと呼ぶ。坊津の鎮守八坂神社の例大祭「新嘗祭」が坊ほぜどんと呼ばれる。
八坂神社は古い時代は祇園社と言われ、この祭りは祇園祭か御霊会から、始まっていると思われる。
垂「しで」を持った子供が加わっていることから、古い御霊会の形が残っている祭ではあるまいかと・

祭りは2日に渡って行われ、本祭の前夜、満潮時に始まる。旧暦の10月14日。現在は10月の第3土曜日に変更。
御神幸も昔は船主の家だったが、今は各集落の公民館を持ち回っている。小子化や人口流失、学校の授業等の
関係で、船止めも、旧暦の潮汐も無視し、子供や人の集りやすい日に変更され、祭りが執り行われる様になった。

うっ「内・丑」のまつり
本祭り前夜、10月の第3土曜日、午後7時から神事がはじまる。行列して御旅所の
公民館に御神幸。ここで神事のあと、神官、供奉「ぐぶ」の人達で徹夜でお守り。

本祭り
第3日曜日、御旅所「公民館」で神事が始まる。前日の行列に十二冠女などが加わり
行列は200mにもなる。以前は300mにも及び、十二冠女の垂を取り合って、魔よけに
していたほど、信仰は深かったという。公民館から八坂神社まで行列して戻る。途中で
十二冠女の頭のタルや、賽銭箱にお賽銭を投げ入れる見物人が多い。お祭りのため
都会から戻って来たり、坊以外の親戚が来たりと、この時は坊津もにぎやかになる。

本祭
御旅所での神事 旗・大鉾など先頭で、行列がゆく 頭に賽銭箱を載せた十二冠女。左に赤面


十二冠女・じゅうにかんめ・ 坊の坂道を下る 下浜付近の古い家並みを抜けて
獅子「ししめん」 Uターン・曲り角などに座って行列の整理などする。
面 赤・黒「めんどん」明治時代初めはなかったという。猿田彦と言う
                                                          取材2004.10.17




大木場山神祭 (ookoba yamankan maturi) おおこばやまんかんまつり

大浦町  おおうら

大木場には平家落人伝説がある。集落に入る峠道に十畳ほどの大草履を置いたところ、源氏の
追手は恐れをなして逃げ帰ったという。祭りは片足約30キロ・直径2mもある藁草履を奉納する。

祭りは、大浦町大木場の大山祇神社で行われる。大山祇神社「おおやまずみじんしゃ」には
地域の内神様「うっがん」も奉られ、祭りの主催は平家伝説の宗家金子家が取り仕切っている。
二人の氏子が、神社鳥居から階段を降り、拝殿まで草履を奉納する。この年も地域の住民より
報道・アマチュアカメラマンの方が多いように感じるくらい、たくさんカメラが構えられていた。

片足30キロの草履が階段を降りる 神社拝殿に奉納。まわりはカメラマンだらけ
草履奉納後、赤飯がふるまわれる ヤツデの葉っぱに赤飯を貰う お汁粉や焼き餅もふるまわれる
子供が乗るとこんなに大きい 集落の入口まで。ぞいふん草履踏み 主催家で草履踏みの若者のねぎらい


 2004.12.19日取材                

行事場所の詳細地図リンク ヤフー・マッピオン

 表紙          次頁32