阿部和重『インディヴィジュアル・プロジェクション』新潮社・1997年 |
特異な、そしてなんだか笑える過去をもつ映写技師(見習い)の日記形式で綴られる本書。おそらく順番としては「テーマ」→「タイトル」→「主人公の現在の職業」と決まっていったのだろうけど、残念ながら(もしあるのだとすれば)本書の言いたかったことがなんなのか僕にはよくわからなかった(僕が何も感じなかったというべきだろうか)。 設定がめちゃくちゃで、それでも途中まで都会の若者の生活を描写するような平たい感じで話は進んでいくのだけど、終盤突如として崩れてくる(ように感じた)。積み上げたものが一気に崩される感じ。 あと、装丁に言及しないわけにはいかないだろう(笑)。かなりグッと来る! 2001/11/25 ちなみに装丁の写真は常磐響による。その写真は『Sloppy Girls』(新潮社・1999年)に含まれる。不思議とこっちはグッと来ない。 2002/9/23 |
・発行年等は手許にある本の表記に従ってあります。 |