ロバート・A・ハインライン『夏への扉』(ハヤカワ文庫SF・1979年) |
モチーフとなるのは「タイムトラベル」。小説だけでなく、映画などでもよく見る題材で、それほど目新しさはない。だから、途中でこの物語が落ち着く先がわかってしまう。別にひねりがあるわけでもない。 でも、おもしろい。安心して読める娯楽作品。不幸で不運な主人公ダンが試行錯誤して、ハッピーエンドを迎える話。うーん、それだけなんだけど、スリルっていうか、ハラハラ感があって最後まで読み通せる。ページをめくりたい衝動に読みのスピードがついていかない感じ。ラスト近くで冷凍睡眠から覚めたダンが恋人を迎えに行ったときの、ダンとラムゼイ博士との会話がグッと来る、いい話。 2002/2/11
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