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赤 潮 警 報
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鹿児島県水産試験場
平成14年8月21日
八 代 海 No.1
[1] 8月20日の調査結果
 (1) 赤潮生物の出現状況
  今回鹿児島水試による調査により,八代海南部中央付近を中心にコックロディニウム ポ
リクリ コイデスによる着色域(最高521cells/ml,表層)が確認されました。
  顕著な着色域の南限は,脇崎沖約2Km付近でしたが,脇崎漁場でも本種によるものと思
われる海 水の変色(最高119cells/ml,表層)が確認されました。
  その他,幣串,柏栗,獅子島沖,出水市沖,黒瀬戸では着色及び変色域は確認されませ
んでした。
  なお,獅子島と御所浦島境付近から水俣沖にかけては,他海域に比べ若干珪藻類が多い
傾向にあ りました。
 (2) 海 況
  表層水温は八代海全域で26.6〜27.7でほぼ平年並みですが,塩分は32.6〜33.3で平年の
同時期に 比べ高めとなっています。
  また,透明度は平年並みです。

   水 温:表層平均 27.2 (27.2)℃
   塩 分:表層平均 32.8 (31.4)
   透明度:平均 7.5 (7.8)m ( )内は,同時期におけるH1〜H13年までの平均値
 
[2] 今後の赤潮発生の予想 
  現在八代海南部の水質環境はコックロディニウム ポリクリコイデスの最適水温・塩分にあ
るう え,競合生物である珪藻類も少ないことなどから,今後さらに増殖の可能性があります。
  過去の発生例から,本種は数千cells/mlでへい死事例がありますので,今後,特に風下
にあたる 海域においては,検鏡による細胞数の動向を把握(表層〜中層)するとともに,海
水の変色等,異 常を感じたら直ちに餌止めをするとともに,変色域が生け簀等に接近するよ
うな場合は,粘土散布, 生け簀避難等の十分な対策が必要です。

細胞数分布図


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