Cochlodinium polykrikoides

コックロディニウム ポリクリコイデス
赤潮生物種:Cochlodinium polykrikoides MARGALEF.
渦鞭毛藻鋼ギムノディニウム目ギムノディニウム科

 単独遊泳状態の細胞は楕円状態で,長さ30〜40μm,幅20〜30μm,背腹長 18〜24μm
である。連鎖群体中の各細胞は上錐か下錐のどちらか一方,あるいは両方の形成が不完全
なため,単独細胞に比べて細胞長が小さい。連鎖は通常8個以下(まれに16個)の細胞から
なる。横溝は深く,細胞の外縁を1.8〜1.9周する。横溝の始端と末端は上錐頂端部からそれぞ
れ細胞長の0.25および0.85倍ほどの位置にある。したがって両端の段差は細胞長の約0.6倍に
達する。縦溝は非常に狭くて浅い溝であり,横溝始端に発し,背面を経て右側面に至るまでの
間は横溝下方に沿って進が,その後急に下降して横溝末端と会合した後,さらに進んで下錐
の後端に達する。細胞後端の腹面観は左右が非対称となり,右側は左側より狭くてやや突出
している。しかしながら,横溝の旋回の程度には,前述したように若干の変異があるため,横
溝と縦溝の後部会合点が中央(貫頂軸)に近ければ,この非対称性はより不明瞭になる。上
錐溝は横溝上唇部から除々に離れながら右側面を経て頂端を取り囲むように背面に及ぶ。核
は細胞の上半部に位置する。色素体は黄褐色で棒状,楕円状のものが多く,核域を除く細胞
内に濃密に分布する。上錐の背面側には赤色のstigmaが1個認められる。
 本種はプエルトリコ南岸から発見,命名され,米国大西洋岸のBamegat湾にも発生。
日本では瀬戸内海(播磨灘),九州西岸域でしばしば魚類斃死をともなう有害赤潮を形成す
る。中部〜西日本沿岸域に広く分布するものと見られ,今後の発生状況に引き続き注意をは
らう必要がある。

顕微鏡写真


トップへ
トップへ
戻る
戻る