歌
歌題「道」
酒井 忠明様
曲水の宴の道を今に傳ふ 薩摩の國の春あたゝかし
(きょくすいのうたげのみちをいまにつたふ さつまのくにのはるあたたかし)
阿部 正紘様
西海の道を守りし益荒男の 遠き功を偲びまつらむ
(さいかいのみちをまもりしますらおの とをきいさををしのびまつらむ)
島津 久昭様
遙かなる海上の道辿り来て 窯の火伝へし陶工おもふ
(はるかなるかいじょうのみちたどりきて かまのひつたへしとうこうおもふ)
黒川 達爾雄様
粛々と歩み来たれば磯庭の 道開けたり桜岳仰ぐ
(しゅくしゅくとあゆみきたればいそにわのみちひらけたりおうがくあおぐ)
脇坂 季久様
朝ぼらけ道にたたずみ日の出まち 衆にまぎらば和らむものか
(あさぼらけみちにたたずみひのでまち しゅうにまぎらばなごらむものか)
森 しづ子様
はるかなる史景たたえる庭園の 道はつづきて未来を照らす
(はるかなるしけいたたえるていえんの みちはつづきてみらいをてらす)
小田 司様
一年をまたひとゝせを重ね来て 書の道ひたに今日も辿らむ
(ひととせをまたひととせをかさねきて しょのみちひたにけふもたどらむ)
梅島 麻子様
仙巌園に薫る牡丹は紅を 影に落して道を彩る
(せんがんえんにかおるぼたんはくれなゐを かげにおとしてみちをいろどる)