母乳の成分と下痢

 : 2ヶ月になる男の子の母親です。
 10日ほど水便がつずいています。
完全母乳で、体重の増えも2700gで産まれ、現在4700gでした。機嫌もいいです。
小児科の先生には特に問題はないと言われましたが、ミルクは与えないようにといわれました。
下痢や便秘は母乳の成分に関係あるのでしょうか?私はかなり偏食するので、そのせいでしょうか?
ちなみに、生野菜をすごくたべてました。ご飯はほとんど食べてませんでした。
そのせいで、下痢してしまった気がします。
また、同じ食品だけ偏ってたべるほうなので、母乳の成分が悪いのではないかと心配です。
昔は食べ物がなく、母乳よりミルクという運動もあったそうですが、私も成分が悪そうで心配です。偏食は、なかなか正せず、 自己嫌悪の毎日です。
このようなバカな母親の質問で申し訳ありません。

:60日で2000gの体重増加は、一日平均33gの体重増加になります。発育としては普通です。
母乳には、便を柔らかくする作用があり、便が柔らかくなることは心配要りません。
食べ物はいったん消化吸収されてから、新たに母乳を合成しますので、お母さんが過度の偏食をしない限り、母乳の成分は変わらないと考えて下さい。
お母さんも偏食の事を余り気にしないで、好きなものを好きなように食べて結構だと思います。
不足の栄養素があれば、その栄養素の入った食物が食べたくなるものです。

「母乳よりミルクと言った」のは食糧難の時代に、栄養失調のお母さんを慰めるための言葉です。
小児科医は母乳がベストと昔から考えています。
ATLキャリアの母乳断絶論に対して、鹿児島大学の研究グループは3ヶ月以内の早期授乳は「移行抗体の効果を証明して」危険率の低いことを実証し、「早期授乳は可」の理論を発表し、世界的評価を得ております。
「母乳よりミルク」理論に毅然として「待った」を掛けた訳です。
私も研究グループの一人として、今でも誇りに感じているところです。
平成12年6月20日

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