
川崎病
Q: 先生の育児相談、とても参考にさせていただいております。
現在1歳6ヶ月と2ヶ月の娘がいます。
2ヶ月の娘が生後2ヶ月と4日で川崎病になりました。
最初は原因不明の発熱で受診したのですが、抗生剤も効かず、 熱発4日目で四肢に発疹が現れ、口唇の赤み、目の充血も目立ちました。
すぐ川崎病を疑い、γグロブリンを大量投与しました。
その時点で冠動脈に拡張などの異常は見られず、熱も上がり下がりしながら 下がっていきました。機嫌もだいぶよくなって、入院中の心エコーは 合計3回しましたがやはり拡張など見られませんでした。
結局2週間ほどで退院しました。 現在もアスピリンの内服をしています。 退院2週間後に心エコーの検査が入っています。
急性期、または入院中に冠動脈に何も異常が見られなかった場合、 今後冠動脈に何か起こる…ということはあるのでしょうか?
定期的に心エコーの検査をこれからも受けていくことはわかります。
でも突然異常が見られたり心筋梗塞など起こしてしまう恐れはないのでしょうか?
また2ヶ月児という小ささでの川崎病でこれから先、危険はないのでしょうか?
そして心エコーを定期的に受ける以外になにか日常生活で気をつけることなどは ないのでしょうか?
なんだかいろいろと心配で質問ばかりになってしまいました。
教えていただければうれしいです。よろしくお願いします。A:川崎病は、日赤中央病院に勤務の川崎富作先生が発見された、世界的に有名な病気です。
原因ははっきり分かってはいませんが、溶連菌のスーパー抗原が関与しているとの学説が有力です。
口唇の赤み、目の充血と同じように心臓の冠動脈にも拡張が起こり、動脈瘤を作り易い怖い病気であります。
治癒してもしばらくはエコー等の検査を受けて下さい。
現在異常が無いので、日常生活は普通で良いのですが、3ヶ月過ぎる頃から色々の病気をし易くなりますので、主治医を決めておかれるようお勧めします。
川崎先生の第1例は昭和36年2月、私も鹿児島大学病院勤務中、昭和36年7月に症例を経験しました。
それ以前には記載がないものの、既にそれ以前からあったことが最近になって分かってきました。
40歳以上の方の動脈瘤で、原因が川崎病によると思われる症例が見つかりだしたからです。
平成12年4月15日
