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 10.偏微分・全微分

  これまでは、変数が1個の場合の微分を勉強してきました。しかし、測量計

 算では、変数が2個あるいは3個になる場合があります。

  たとえば、距離Sと方向角αからX座標を求めるには、

     X=Scosα

 という式で計算しますね。つまり、この場合、関数Xは2つの変数Sとαの値

 がわかれば定まります。このとき大事なのは2つの変数Sとαに何も関係がな

 いことです。いま、もしSとαの間に S=2α+3 のような関係があれば、

     X=(2α+3)cosα

 となり、Xはαのみの関数となります。



  さて、このような関数の微分には次の2通りがあります。


   1.2つの変数のどちらかが一定で、1つの変数のみ変化する場合。

    このときの微分を、偏微分といいます。

   2.どちらも変化する場合。

    このときの微分を、全微分といいます。



 10.1 偏微分

  X=Scosα において、Sを一定とした場合の微分は、

    

 となります。はラウンドエックス、ラウンドアルファ、あるいはディー

 エックス、ディーアルファと読みます。前者が一般的な読み方です。

 Sは一定ですからcosαだけを微分します。 cosα’=−sinα 

 でしたね。



  z=f(x,y)において、x=x0(一定)の場合、∂z/∂yの図は次の

 ようになります。



図8.1 ∂z/∂y





  すこし、練習してみましょう。

  (1)z=3x+5y のとき、 ∂z/∂x,∂z/∂y を求めよ。

       ∂z/∂x=6x (yを一定と考える)

       ∂z/∂y=15y (xを  〃   )


  (2)y=Ssinα のとき、∂y/∂α,∂y/∂S を求めよ。

       ∂y/∂α=Scosα (Sを一定と考える)

       ∂y/∂S=sinα (αを  〃   )




  りょうかん:どうですか?簡単でしょう?

  :∂y/∂αを見た時、難しそうに感じましたが、簡単ですね。

  りょうかん:何でも積み重ねですね。

  宮脇:先生、今日の授業はよく解りましたが、ずいぶん休講が多かったです

     ね?

  りょうかん:ごめん、ごめん。今ね、CGIの研究が忙しくてね。すごいよ、

     CGIは。みんなも、どうだい?

  学生:?????


 次回は、全微分です。

 これでおわります。             


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