思春期外来

<思春期外来を訪ねる、その理由は>

思春期は、第二次性徴に伴う時期で、ほぼ8歳頃より18歳頃です。特に13〜18歳の受診が多い傾向にあります。

思春期外来を訪れる一般的な理由(主訴)は表1のようで、当院に来院した理由も月経に伴う症状が多く(無月経、 月経異常、不正出血、月経痛等)、外陰部症状(帯下の異常、かゆみ、痛み)、乳房症状(痛み、腫瘤、腫大)、避妊(緊急避妊も含む)などです。

疾患名としては、続発性無月経、稀発月経、頻発月経、機能性子宮出血、月経困難症が多く、それと同様にクラミジア頸管炎などのSTD、カンジダ膣炎などです。(表2)

<将来の妊娠、出産が心配になる無月経症状も>

続発性無月経でみると妊娠が最も多く、ほとんどは望まない妊娠です。それ以外では、ストレスなどによる第1度無月経や体重減少に伴う無月経を多く認めます。
ストレスなどによる無月経は、ストレスを改善することやプロゲストロン投与で(図1)、月経も再来し、長引くことは少ないのですが、長周の無月経や体重減少性のもので、特に摂食障害を伴うものは心療内科と連携し、長期的な関与が必要になります。

骨塩量の低下なども認め、将来妊娠・出産することを考えると、栄養面、そして生活面まで注意する必要があります。まれに卵巣性無月経のことがあり、早発閉経の可能性が高くなり、カウフマン療法などの治療を継続して、早期に妊娠、出産をすることを、親御さんも含めて、説明していくことが大変重要になってきます。



<思春期の異常が将来につながる・・・>

月経異常の中に多のう胞性卵巣症候群の方が多くおられ、一時的に改善しても、初経からの月経異常が多く、期間や重症度に差はあるものの異常を繰り返します。

また本疾患は糖尿病、子宮内膜癌、脳血管疾患などの危険因子となり、長期的なフォローが必要です。将来排卵障害で、不妊で悩み、排卵誘発剤を使用したり、インスリン抵抗性で治療を要し、妊娠、分娩まで携わることが多くあります。
月経困難症に関しては、機能性のものが多く、生活習慣の改善や漢方、NSAID(非ステロイド性消炎鎮痛剤)や低用量ピルなどの内服で改善します。
セックスの経験がない子でもカンジダ膣炎があり、稀ですが、糖尿病などの可能性を考え、十分説明し、再発を繰り返すことがあるので、きちんと治療することを勧めています。STDも多く、十分な性教育への必要性を感じます。
またクラミジア感染は卵管性不妊を引き起こす可能性があり、しっかり治療する必要があります。逆に避妊ピルの相談が増えたのも最近の特徴といえます。
敷居を低くする努力をしているので、悩みを抱える女子は産婦人科を是非受診して、かかりつけ医を見つけて欲しいと思います。

    ページTOPへ