ゆうきまさみ『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』25巻 小学館 2000年

 ストライク・イーグルのウィニング・ランで幕を閉じた有馬記念。そして新しい年を迎えて,駿平&ひびき御入籍であります。
 このふたりの結婚記念写真,いいですね。初々しい感じがしますし,ひびきちゃんの,前髪をちょっとアップした髪型が,じつによく似合っていて,わたし好きです(<なにか,こ〜ゆ〜髪型に思い出があるらしい・・・(^^ゞ)。で,このあと,彼女,髪を伸ばすというか,単に切らないというか,少しずつ髪の毛のヴォリュームが増えていきますが,ここらへんの描写の細かさは,やはりこの作者の持ち味といえましょう。

 さて,入籍後,渡会家マスオさん状態(死語)とあいなった駿平ですが,ようやく一緒に住めるようになったとはいえ,相変わらず住環境には改善の気配が見られず,あまりイチャイチャできません(ひびきのセーターに頭を突っ込んだ駿平,情けないけど,気持ちはよくわかるぞ(笑))。
 おりから(「ご都合主義」ともいう)あぶみが当てた懸賞で,新婚旅行に出ます。しかし,なんとも運命の皮肉か(「作者の陰謀」ともいう),あの,かつての駿平のガールフレンド二階堂真理子が再登場! びびりまくる駿平・・・となるわけです。彼女が出てきたときは,「ををっと,これはシャレにならない修羅場か!」と期待(笑)しましたが,さすがにそれはありませんでしたね。駿平が,ひびきから,しっかり「あなどられている」ことがわかった程度でした^^;; それにしても,露天風呂でのふたりの会話,
駿平「日本一,幸せだぁ,オレ」
ひびき「世界一でないの?」
って,ここまでストレートにのろけられちゃうと,もうなにも言えません(=^^=)

 後半はというと,ひびきと駿平がくっついたので,その「フォロウ」といったところでしょうか。まずはたづなちゃんに思いを寄せる同級生中路くんが登場します。たづなちゃんの目が悪くなっていることに,本人よりも早く気づいているというところは,表現が巧いですよね。それだけ彼がたづなちゃんを見つめていた,ってことでしょうね(眼鏡屋の息子というわけでもないでしょう(^^ゞ)。もっとも,たづなちゃんは真面目少女で,おまけに,ちと鈍いところもあるので,せっかくの中路くんのモーション(死語)も不発に終わってしまいます(笑)。
 もうひとりは,ですが,こちらは,もうすでにあぶみさんとの「ほにゃららら」が匂わされています。といっても,あぶみさんには,すでに縁談が進んでいる猪口のボンがいますから,一筋縄ではいきません。なにやら「自分がうまくいってから」(笑)強気の駿平がけしかけますが,めっぽう父親と兄貴に弱い悟は,すっかり「自重」気味。さて,どうなるやら・・・というところで,悟が事故を起こした! 飛び出したあぶみは・・・という展開は,典型的な「雨降って地固まる」といったところでしょうか。明日の北海道経済を賭けた恋の行方は如何?

 本巻で一番笑ったのが,指輪の抜けなくなったあぶみさんへのひびきちゃんのリアクション,
「なしてそんな指輪,うかつにはめたのさ〜〜〜っ!?」
ですね。ほとんど,徳間書店版『夢幻紳士』(冒険活劇編の方です)に出てくる魔美也のお母さんみたい(笑)

00/09/21

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