高橋留美子『犬夜叉』15巻 小学館 2000年

 鋼牙をめぐって,犬夜叉とケンカしたかごめは,実家に戻ってしまった。同級生に犬夜叉のことを愚痴る彼女だが・・・

 「乱暴で,わがままで,怒りっぽくて,ヤキモチ焼きで,二股かけてる」・・・ホント,犬夜叉って,サイテーですね(笑) ひさびさの「現代編」(というほど長くはありませんが)は,なんだかほのぼのしたラヴ・コメといったところです。それにしても,相変わらず北条くんは,さわやかな好青年ですね^^;;

 さて,そんなインターバルをはさんで,奈落が再登場,ふたたび犬夜叉一行に魔手が襲いかかります。とくに今回,新しいキャラクタの登場によって,ストーリィは一気に緊迫します。
 その新キャラの名は神楽「屍舞」なる,ゾンビ使いのおねーさんです。う〜む,いいですねぇ。第1巻で登場した「逆髪の結羅」と同様,にっこり笑って残酷に人を殺すという,いかにも妖怪妖怪したキャラクタであります。その彼女,鋼牙の手下たち妖狼族をおびき寄せ,惨殺,その死体を操って犬夜叉たちに仕掛けます。それを見て誤解した鋼牙が,犬夜叉に襲いかかる,という,いかにも奈落の分身らしい,憎々しいやり方です。やっぱりストレート一発勝負的な犬夜叉,鋼牙と,対照的に策に策を重ねて罠を仕掛ける奈落一派との攻防は,緊張感がありますね。
 しかし,この奈落と神楽。たしかに神楽は奈落から造られ,その生死を奈落によって握られているようなのですが,どうもしっくり行ってない気配があります。このふたりの確執が,これからの展開にどう絡んでくるのか,興味深いところです。
 でもって,終盤,もうひとり,神楽の姉という神無なるキャラも登場します。一見,おとなしめの幼女の姿をしていながら,手に持った鏡で人の魂を抜き取り,操るという妖怪のようです。直情径行,表情豊かな神楽に対して,無表情な神無,なんとも対照的な二人ではありますが,ともに「操り系妖怪」なわけです。奈落そのものが「操り系」と言えますから,まさにそのキャラクタを色濃く反映したキャラクタと言えましょう。

 ところで,本巻終盤,小春という少女が登場,かつて弥勒に,例によって(笑)求婚されたことのある少女です。その一途な姿を見て,どうも落ちつかないのが珊瑚であります。犬夜叉の「ピリピリしてねーか」の問いかけに,
「気のせいだろ。ぎろ,ずきゅーん,ごー,ばちばち」
というご返答(爆笑)。
 さてさて,どうなりますことやら・・・^^;;

00/05/11

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