あろひろし『ふたば君チェンジ』8巻 集英社 1997年

 興奮したり,緊張したりすると,性別が変わってしまうという,例によってあろひろし特有の荒唐無稽の設定のこのマンガも,ついに最終巻を迎えました。結局,オチは,宇宙に求められ,また主人公は最後の最後まで優柔不断でした。このあたり,あろ作品の定型のような気がします。

 あろひろしの作品は好きで,新刊が出るたびにこまめに買って読んでいますが,この作品は,正直なところ,かなり惰性で買っていたことは否めません。設定はあいかわらず荒唐無稽ですが,どうも話の展開が,中途半端のような印象があります。結局「性別変化」という単独のネタにこだわりすぎたのではないか,とひそかに思っています。また,絵のタッチも変わってきたようで,とくにSD化するところが,みょうにおもちゃじみていて,いまいちなじめませんでした。まあ,ファンになったときのイメージが残っていて,「変わっちゃいや」という,わがままで勝手な思い込みの分もあるのでしょうが・・・。

 次回作を楽しみにしましょう。

97/04/16

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