永井豪『デビルマン』1・2・3巻 講談社漫画文庫 1997年

 「デビルマン,ついに文庫化!」という帯のセリフに惹かれて,つい買ってしまったのですが・・・・。

 な,な,なんだああああ・・・,これは! なんだあ,この無惨で無意味な書き足しはああああ・・・!! こんなん,わたしの好きな『デビルマン』じゃあ,ないやい!! 金返せ,講談社!! と,思わず怒髪天をついてしまいました(笑)。

 第1巻の冒頭部の書き足しは,まあ,許しましょう。だが,第2巻の「シレーヌ編」の最初の書き足しは,なんなんですか,いったい!! 「シレーヌ編」は,最後の方でカイムが,デビルマンによって傷つけられたシレーヌに向かって,「シレーヌ 血まみれでもきみはうつくしい」という名セリフをいうところが,シンプルで一番いいんですぞ! それを,それを,こんな安物ラブコメみたいな場面をつけ加えたら,めちゃくちゃじゃないですか!

 さらに第3巻にいたっては,ほぼ全部が『新デビルマン』じゃあありませんか。はっきりいって,わたしは『新デビルマン』は,単なるキャラクターの使い回しに過ぎず,もともとの『デビルマン』とは,まったく関係のない駄作だと思ってましたから,こんな風に本編の途中に入れられた日にゃあ,わたしはもう,情けなくて情けなくて,怒る気にもなれやしません(深い溜息)。

 4・5巻は,最後のクライマックス,ハルマゲドンです。お願いですから,変な書き足しはしないでください。お願いします,本当に。『デビルマン』の一ファンの心からのささやかなお願いです(;_;)

 それにしても「ジンメン編」は,相変わらず怖かったなあ・・・。それが唯一の救いでした。

97/04/21

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