{お母さんの手記}
2学期に入っても、私の不安は消えずにいた。そして、そのことは運動会の予行練習の
ときに如実に現れた。Yが私に抱きついて一人で走ろうともしない。私がいなければ一人
でできるのになぜ?と情けなくなった。しかし、先生から「これもYのありのままの姿よ。
受け取めてあげて。いい場面だけを期待しないで。」と言われ、大きく成長したYの姿を
祖父母に見せたいと思った自分自身を戒めた。本番では、Y一人で走ることもでき、個人
競技の「がんばれ つくしっ子!!」でも、一番最初に楽しそうにやって見せてくれた。
6〜7月頃までの不安定だったYが、運動会という大きな行事を乗り越え、畑あそびに入る
ころには、本当に寂しいくらい、あっさりと親から離れられるようになったし、もちろん、
お迎えのときも泣かなくなった。Y自身が自信をつけてきたことは、ことばが増えたこと
はかりでなく、表情や人間関係の広がりなど、いろいろな成果として出はじめた。また、
私以外の誰とも手をつながなかったYが、子ども同士で手をつなぎ、近所の子どもたちと
も追いかけっこをしてあそべるようにもなった。もちろん、まだまだ課題は多いし、新し
い場所や人の中でずっと私から離れられるほど、Yの心は強くなってはいない。しかし、
もっともっと自信をつけて、着実に力をつけていってくれると信じている。Yの一進一退
の成長で私の心も揺れがちだった時期に、すばやく正しく助言をくださった先生方に本当
に感謝している。
《おわりに》
今Y君は、センターに来る事が大好きになり、センターでの1つ1つのとりくみが楽し
くて仕方ないといった感じで、よろこんで活動に参加してくるようになっている。
 この春には、地域の保育園に入園し、4月からはダイナミックな健常児の集団と週1回の
センターでの幼・保グループの活動への参加という形での対応にまですすめることができた。
この間のY君のがんばりはもちろんのこと、祖父母の方たちを含めたところの家族
全員の努力に頭が下がる思いである。
 こうした事例がだんだん増えつつある現代、母子関係の見直し、そして、その対応のあり方など、1つの確信を与えてくれた実践であった。