VBScript6

１２．距離と方向角計算　　　　　　　　　　[もくじへ] [トップページへ]

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プログラム例題２０

２点の座標を入力して、その距離を求めよ。

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<HTML>
<HEAD>
　　　<TITLE>例題２０</TITLE>

<SCRIPT LANGUAGE="VBScript">

</SCRIPT>

</HEAD>

<BODY>

<FORM NAME="Form1">
　＊＊＊　２点間の距離計算　＊＊＊<BR>
<BR>
　　 X1= <INPUT TYPE="text" NAME="X1" size=15><BR>
　　 Y1= <INPUT TYPE="text" NAME="Y1" size=15><BR>
<BR>
　　 X2= <INPUT TYPE="text" NAME="X2" size=15><BR>
　　 Y2= <INPUT TYPE="text" NAME="Y2" size=15><BR>
<BR>
　　　　　 <INPUT TYPE="button" NAME="calc" VALUE="計算"><BR>
<BR>
距離 S= <INPUT TYPE="text" NAME="S" size=15><BR>

</FORM>

</BODY>
</HTML>

点１ ( X1,Y1) と点２ (X2,Y2) の距離は、次の式で求められます。

点１（-300, 200），点２（-250, 400）の場合の実行結果は、次のようになります。

Function Dist(xa, ya, xb, yb)
        Dim ss
'
        ss = Sqr((xb-xa)^2 + (yb - ya))
        Dist = ss
End Function

２点間の距離を計算する関数プロシージャです。これぐらいの計算は関数プ

ロシージャにしなくてもいいのですが、座標値から距離を求める計算は後で

使うので独立させておきます。

Sub calc_OnClick
        Dim x1,y1,x2,y2,s　　①
'
        x1 = CDbl(document.Form1.X1.value)　　②
        y1 = CDbl(document.Form1.Y1.value)　　③
        x2 = CDbl(document.Form1.X2.value)　　④
        y2 = CDbl(document.Form1.Y2.value)　　⑤
'
        s = Dist(x1,y1,x2,y2)　　⑥
        document.Form1.S.value = s　　⑦
End Sub

コマンドボタンをクリックすると、このサブルーチンプロシージャが実行されま

す。

②は、

　　　document （ＨＴＭＬ文書）の、

　　　Form1 という名前のフォームにある、

　　　X1 という名前のテキストボックスの

　　　データ（value）を

　　　倍精度の数値に変換（CDbl( )）し、

　　　変数 x1 に代入

しています。

CDbl( ) は、文字列を倍精度（14～15桁の精度）の数値に変換する関数で

す。

⑥は、x1, y1, x2, y2 の引数で Dist 関数プロシージャを呼び出し、計算結

果を変数 s に代入しています。

⑦は、s の値をテキストボックスに表示します。

<FORM NAME="Form1">　　⑧
　＊＊＊　２点間の距離計算　＊＊＊<BR>　　⑨
<BR>
　　 X1= <INPUT TYPE="text" NAME="X1" size=15><BR>　　⑩
　　 Y1= <INPUT TYPE="text" NAME="Y1" size=15><BR>　　⑪
<BR>
　　 X2= <INPUT TYPE="text" NAME="X2" size=15><BR>　　⑫
　　 Y2= <INPUT TYPE="text" NAME="Y2" size=15><BR>　　⑬
<BR>
　　　　　 <INPUT TYPE="button" NAME="calc" VALUE="計算"><BR>　⑭
<BR>
距離 S= <INPUT TYPE="text" NAME="S" size=15><BR>　　⑮

</FORM>　　⑯

<FORM></FORM>タグのブロックで、入力画面を作ります。VBScript で、こ

のような画面を作るには、document.write ・・・のような形でタグを書き込め

ばいいのですが、直接タグを使った方が簡単です。

計算は VBScript、画面はＨＴＭＬタグで作るというように、両方を組み合わせ

てプログラミングしていきます。

⑧で、Form1 という名前のフォームを作ります。

⑨は、そのフォーム画面に"＊＊＊　２点間の距離計算　＊＊＊"というタ

イトルを表示します。ＨＴＭＬでは、その中に書かれた文字がそのまま表示さ

れます。普通に表示するだけなら、特別な命令やタグは必要ありません。

<BR> は改行のタグです。文字の間にスペースを入れる時は全角のスペー

スを入れます。

⑩は、"X1=" の文字を表示し、X1 という名前の半角１５文字分の大きさの

テキストボックスを作ります。先頭のスペースで、表示位置を少し右にずらし

ています。

⑭は、calc という名前のコマンドボタンを作ります。"計算"はボタンに表示さ

れる文字です。

距離を四捨五入をすればもっと使い易くなりますが、インターネット用の言語

である VBScript で、このようなビジュアルな測量計算のプログラムも作れる

ということが、おわかりいただけたと思います。

１２．２　方向角　　　　　　　　　　　　　　　[もくじへ] [トップページへ]

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プログラム例題２１

２点の座標を入力して、その方向角を求めよ。

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考え方

●方向角の計算

方向角というのは、数学の三角関数の角度の扱いと同じで、Ｘ軸の正の方向

からＹ軸の正の方向に測った角のことです。通常、数学の座標では横軸をＸ

軸、縦軸をＹ軸としますが、測量の座標では北の方向を基準に角度を測るた

め、縦軸がＸ軸、横軸がY軸になっています。

しかし、測量座標は数学座標そのものをY軸周りに１８０度回転して裏返しに

し、右回り（時計回り）に９０度回転しただけなので、角の向きが反対回りに見

えますが、考え方は数学座標と全く同じになります。当然のことですが、三角

関数の公式もそのまま使えます。

点１から点２への方向角αを求めるには、次のようにします。

（１）２点の座標の座標差を求めます。

　　dX = X2 - X1

　　dY = Y2 - Y1

（２）dX の符号で場合分けします。

　　ⅰ）dX = 0 の場合、

　　　　　dY = 0 のとき、α = 0°

　　　　　dY > 0 のとき、α = 90°

　　　　　dY < 0 のとき、α = 270°

　　ⅱ）dX≠0 の場合、

　　　　　まず、dY/dX の逆正接（θ = ）を求めます。

　　　　　各象限での方向角αは、

　　　　　（ア）Ⅰ象限　　　( X>0, Y>0 )　：　α = θ

　　　　　（イ）Ⅱ、Ⅲ象限 ( X<0 )　　　：　α = θ + 180°

　　　　　（ウ）Ⅳ象限　　　( X>0, Y<0)　：　α = θ + 360°

　　　　　なぜなら、θ = 　で求められた角は９０°以内の角になり、

　　　　　図のように、dY/dX と同じ符号をもつからです。

　　　　　また、Ⅰ象限とⅣ象限は３６０°（=１回転）の違いなので、

　　　　　　　α = θ + 360°

　　　　　として、もしαが３６０°超えたら３６０°を減ずるようにすると、1つの

　　　　　式にまとめることができます。

●角度の変換（ラジアンを度分秒に変換）

コンピュータ内（組み込み関数）で扱われる角度の単位はラジアンです。した

がって、ラジアンを度分秒に変換したり、度分秒をラジアンに変換するプログ

ラムを作成しなければなりません。度分秒をラジアンに変換するプログラムは、

例題７で作成しましたので、ここではラジアンを度分秒に変換するプログラム

について考えます。

R は変換前の角度（ラジアン）とします。

　　　　　　D = R×180/π で度に変換

　　　　　　A = Int(D) で整数部の度を取り出す

　　　　　　B = (D - A)×60 で度を除いた値を分になおす

　　　　　さらに、

　　　　　　B = Int(B) で分を取り出す

　　　　　　C = D - A - B/60 で秒の部分を取り出す

　　　　　さらに、

　　　　　　C = C×3600 で秒になおす

これで、A, B, C にそれぞれ度、分、秒の値が求められます。

以上の考え方でプログラミングします。

<HTML>
<HEAD>
　　　<TITLE>例題２１</TITLE>

<SCRIPT LANGUAGE="VBScript">

</SCRIPT>

</HEAD>

<BODY>

<FORM NAME="Form1">
　＊＊＊　方向角計算　＊＊＊<BR>
<BR>
　　　　X1= <INPUT TYPE="text" NAME="X1" size=15><BR>
　　　　Y1= <INPUT TYPE="text" NAME="Y1" size=15><BR>
<BR>
　　　　X2= <INPUT TYPE="text" NAME="X2" size=15><BR>
　　　　Y2= <INPUT TYPE="text" NAME="Y2" size=15><BR>
<BR>
　　　　　　　 <INPUT TYPE="button" NAME="calc" VALUE="計算"><BR>
<BR>
方向角 T = <INPUT TYPE="text" NAME="T" size=15><BR>

</FORM>

</BODY>
</HTML>

点１（250, -300），点２（-200, 400）の場合の実行結果は、つぎのようになりま

す。

Dim PI 'グローバル変数の宣言
PI = 3.141592653589793

プロシージャの外で宣言された変数は、各プロシージャで有効です。このよう

な変数をグローバル変数といいます。これに対し、プロシージャ内で宣言され

た変数は、そのプロシージャ内だけで有効です。このような変数をローカル変

数といいます。円周率 PI は２つ以上のプロシージャで使うので、グローバル

変数にしました。

        Function Alph(xa, ya, xb, yb)　　①
                Dim dx, dy
                Dim Thi              'Atn(dy/dx)
'
                dx = xb - xa
                dy = yb - ya
'
                If dx = 0 Then
                     If dy = 0 Then Alph = 0
                     If dy > 0 Then Alph = PI/2
                     If dy < 0 Then Alph = PI*3/2
                End If
'
                If dx <> 0 Then Thi = Atn(dy/dx)
'
                If dx > 0 Then
                     Alph = Thi + 2*PI
                End If
'
                If dx < 0 Then
                     Alph = Thi + PI
                End If
'
                If Alph >= 2*PI Then Alph = Alph - 2*PI　　②
'
        End Function

２点の座標から方向角を計算するプローシージャです。

①で、xa, ya, xb, yb にそれぞれ X1, Y1, X2, Y2 が渡されます。

②で、方向角が2π以上のとき、2πを減じます。

        Function RadDeg (r, d, f, b)
                Dim deg
'
                deg = r * 180/PI
                d = int(deg)
                f = Int((deg - d)*60)
                If f<0 Then f=0　　　　①
                b = (deg - d - f/60)*3600
                If b<0 Then b=0 Else b=Int(b+0.5)　　②
'
        End Function

ラジアンの値を度分秒に変換するプローシージャです。

①は、減算の結果がちょうど０の場合、コンピュータの変換誤差で計算結果

がマイナスになる場合があるため、そのときは０にします。

②は、マイナスのときは変換誤差を修正し、それ以外のときは四捨五入しま

す。

        Sub calc_OnClick
                Dim x1, y1, x2, y2, t, ret
'
                x1 = CDbl(document.Form1.X1.value)
                y1 = CDbl(document.Form1.Y1.value)
                x2 = CDbl(document.Form1.X2.value)
                y2 = CDbl(document.Form1.Y2.value)
'
                t = Alph(x1,y1,x2,y2)　　①
                ret = RadDeg(t, doo, fun, byo)　　②
                document.Form1.T.value = doo & "-" & fun & "-" & byo　　③
        End Sub

コマンドボタンをクリックしたとき、実行されるプロシージャです。

①は、引数 x1, y1, x2, y2 を方向角を求める関数プロシージャ Alph に渡し、

その結果（方向角）を t に代入します。

②は、その t をラジアンを度分秒を求める関数プロシージャ RadDeg に渡し、

その結果を doo, fun, byo に受け取ります。この場合の ret はダミーと考え

られます。なければ構文的にエラーになりますし、その値は無意味なものです。

③は、doo, fun, byo の値を "-" でつないでテキストボックスTに表示します。

長いプログラムになりましたが、このプログラムは後でも出てきますので、よく

理解しておいてください。

１２．３　距離と方向角計算　　　　　[もくじへ] [トップページへ]

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プログラム例題２２

例題２０と例題２１のプログラムを組み合わせて、２点間の距離と方向

角を求めるプログラムを作成せよ。

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<HTML>
<HEAD>
　　　<TITLE>例題２２</TITLE>

<SCRIPT LANGUAGE="VBScript">

</SCRIPT>

</HEAD>

<BODY>

<FORM NAME="Form1">

　　　＊＊＊　２点間の距離と方向角計算　＊＊＊<BR>
<BR>
　　　 X1= <INPUT TYPE="text" NAME="X1" size=15><BR>
　　　 Y1= <INPUT TYPE="text" NAME="Y1" size=15><BR>
<BR>
　　　 X2= <INPUT TYPE="text" NAME="X2" size=15><BR>
　　　 Y2= <INPUT TYPE="text" NAME="Y2" size=15><BR>
<BR>
　　　　　　 <INPUT TYPE="button" NAME="calc" VALUE="計算"><BR>
<BR>
距離　 S= <INPUT TYPE="text" NAME="S" size=15><BR>
<BR>
方向角 T= <INPUT TYPE="text" NAME="T" size=15><BR>

</FORM>

</BODY>
</HTML>

点１（300, 200），点２（-320, -260）の場合の実行結果は、つぎのようになりま

す。

プログラムそのものは当然ながくなりますが、ほとんど変更することなしに、

２つのプログラムを組み合わせることができます。

このように、ひとつのプログラムはいくつかのプロシージャを組み合わせて作

られます。これをモジュール化プログラミングといいます。複雑な計算も細か

くモジュールに分けることにより、プログラミングが簡単になりメンテナンスも

楽です。

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