この講座では、高校の微分の初歩から偏微分や全微分までを解説します。し かし、なぜ測量技術者に微分の知識が必要なのでしょうか。そこがよく分かっ ていないと、いまさら微分を勉強するなんて無駄なことになりかねません。
測量の仕事は、ただ単に距離や角度を測定するだけではありませんね。そう です。そのデータに数学的処理をほどこして、地球上の位置や高さを求めるの です。ここでいう数学的処理の中に誤差学(最小二乗法)が出てきます。最小 二乗法の理論も微分からなっていますが、それよりも、なによりも、測量では 誤差そのものを微分のdx、dyにあてはめるのです。たとえば、誤差1mm というのを、dx=1mmのように扱うのです。だから、微分の知識が必要な のです。
わけも分からず標準偏差を求めたり、観測方程式がどうのこうのと考えるの は苦痛ですよね。この講座で微分の基礎をしっかりマスターして、頭の中をす っきりさせていただきたいと思います。
この講座の受講者を募集したところ、これまでに10名の申し込みがありま した。ありがとうございました。質問コーナーを設けますので、どしどし質問 してください。 1998年1月5日(2001年04月改)良寛 y=x2 のグラフは次の図のようになります。 図2.1 この図において、x=1からx=1+Δxまで変化したとき 図2.2
となります。こののことを平均変化率といいます。 (参考) Δxはデルタエックスと読みます。一つの文字です。Δにxを掛けたも のではありません。 次回は、微分係数です。 これでおわります。 |